1540年創業のヴァイセス・ブロイハウスは21世紀の今も創業時と変わらぬ場所に位置しています。マリエン広場から東にわずか300mという好立地で観光の合間に寄るのにもぴったりです。
ヴァイセス・ブロイハウスは一時休業していた時代もありましたが1872年に初代ゲオルク・シュナイダーがこの醸造所を復活させ、戦争の被害なども受けながら現代にいたるまで美味しいビールを提供し続けています。
このビアホールで提供されているビールは創業者の名前を冠したシュナイダー・ヴァイセ。ルートヴィッヒ2世の治世に一般人として初めてヴァイスビールの醸造権を授かったバイエルンで最も歴史のあるヴァイツェンの一つです。
ヴァイセス・ブロイハウスはシックな内装で落ち着きます。店の入り口をくぐると一見狭そうに感じますが奥にも広がっており席数はかなりあります。
店内はバイエルン地方の民族衣装を身にまとった店員が忙しそうに動き回っています。
このビアホールは観光客がそれほど多くなくどちらかというと地元密着型。地元の方も「ここは他のビアホールと違って、地元民と観光客が半々くらい。他のビアホールは観光客だらけでドイツの本当のビアホールとは違う。だからここはいい」と言います。
ずらりと並んだタップ(ビールサーバーの注ぎ口)。ここで提供されているビールはほとんどがヴァイツェンと呼ばれるスタイルのビールです。
ここヴァイセス・ブロイハウスでは、標準的なヴァイツェンであるペールヘーフェヴァイツェンスタイルのTAP1、創業時のレシピを守ったTAP5を中心に、ヴァイツェンスタイルだけでなんと9種類を提供しています(期間限定商品含む)。
食事も通常のメニューの他期間限定メニューもあります。料理は旧市街の他のビアホールと比べると良心的な価格設定。
ミュンヘン名物の白ソーセージ(ヴァイス・ブルスト)もここヴァイセス・ブロイハウスで注文できます。料金は1本2.7ユーロで2本以上からの注文です。ミュンヘンの伝統にのっとって正午の鐘がなるまでしか注文できないのでご注意を。
TAP1 Meine helle Weisse(ヘーフェ・ヴァイス)はメニューの一番上に鎮座しているシュナイダー社のヘーフェ・ヴァイツェン。
ヘーフェ・ヴァイツェンは酵母を濾過しないヴァイツェンで、各醸造所が醸造しているヴァイツェンの中で最もオーソドックスなスタイルです。酵母を濾過していないため、ビール本体が白く濁っていることが大きな特徴です。
このビールの香りはあまり強くないはないもののバナナのような甘い香りで、口に含むと麦の甘みか広がります。ヴァイツェンビール全体の特徴として苦味は弱く酸味があります。このTAP1はとにかくドリンカビリティが高くグビグビ飲めます。
TAP7 Main Original(オリジナル)は常連さんの一押し。1872年から変わらぬレシピにのっとって醸造されているビールで、ビアコンペでも数々の賞を受賞している実力派ビールです。
トロピカルにして濃厚な香りが漂い、味わいは非常にクリーミー。苦みは弱く、ヴァイツェンならではの酸味があります。アロマ、フレーバーのバランスが絶妙で、ヴァイツェンかくあるべしと言うようなビールです。
周りを見渡しても常連さんの大勢が、ひたすらこのビールだけを飲み続けていました。ここにきて何を注文したらいいか悩んだ際はまずこれを頼むといいでしょう。
私の一押しはTAP5 Hopfenweisse(ホッペンヴァイセ)。こちらは冬季限定のビールです。
グラスの外まで漏れ出るホップのグラッシーな香り。口に含むと強烈にホッピーなフレーバー。フレーバーにはグレープフルーツのような甘みと酸味も渾然一体となってそこからのホップ感。ホッピーなので当然苦みがあるのですが嫌味な苦さではなく苦味が爽やかに逃げていく感じがします。
ヴァイツェン=苦くない、甘い、爽やか、なイメージを壊しつつも、それでもやっぱりこれはヴァイツェンなんだよな、と感じさせてくれるすごいビール。ビールが好きな人にこそ特にオススメしたいビールです。
ホーフブロイ・ハウスをはじめミュンヘンには数多くのビアホールがあります。その中でこの「ヴァイセス・ブロイハウスで」を特におすすめするのはビール自体の美味しさはもちろんのこと、お店の雰囲気、料金、歴史と伝統そのどれをとっても一級品だからです。
加えて、シュナイダー・ヴァイセのビールは日本では非常に貴重です。販売しているお店が多くないため他のヴァイツェンのように簡単には手に入りません。
せっかくミュンヘンを訪れるならここならではのヴァイツェンを堪能しましょう!
※表示金額は2016年11月時点のものです。
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