奈良県にある「山の辺の道」は史実に現れる日本最古の道で、奈良盆地の東側の山裾に沿って通っているため、「山の辺」の道と呼ばれています。コースは、石上神宮を起点として北と南に分かれており、南コースのほうが有名スポットも多く、歩きごたえがあります。
道の起点でもある石上神宮は、あの有名な物部(もののべ)氏の総氏神であり、大変に深い歴史があります。いまでも禁足地と呼ばれる霊域が存在しており、太古の信仰を今に伝えています。街中から歩いて20分ほどにもかかわらず、まず空気感が全く違う事に驚かされるでしょう。本殿や摂社拝殿は国宝、楼門(写真参照)は重要文化財と、建築物も迫力そのもの。特に楼門は、その美しさにしばし時間を忘れてじっくりと眺めてしまうほどです。
ここでウォーキングの無事を祈願し、いよいよ南ルートへと出発します。
【場所】石上神宮
【住所】奈良県天理市布留町384
夜都伎(やつぎ)神社は、石上神宮から45分ほど道なりに歩いたところにあります。こちらの見どころは、奈良地方では大変珍しい茅葺き屋根の拝殿。両脇に狛犬がちょこんと鎮座して、なんともほのぼのと癒される神社です。ウォーキングの休憩場所としてもちょうどいいポイントですよ。また、この拝殿の裏側にある本殿も忘れずに見ていきましょう。四社殿を祀った春日造りの朱塗りの本殿は、茅葺き屋根の拝殿とは全く趣を異にしていて、こちらも大変美しいです。
【場所】夜都伎(やつぎ)神社
【住所】奈良県天理市乙木町765
こちらの檜原神社、なんと拝殿も本殿もなく、三輪鳥居という非常に特殊な種類の鳥居が神域との境界になっているのみです。その理由は、三輪山の中にある磐座を御神体としているためですが、自然崇拝の原始信仰の雰囲気を色濃く残して、他の神社とは別格の神々しさを感じる空間となっています。
天照大神が伊勢神宮に鎮座する前に、宮中からこの地に遷され祀られていたと伝わり、いまでも檜原神社は「元伊勢」と呼ばれています。いわば、天照大神のふるさとなのです。
ちなみに、高台に建つ檜原神社からの夕陽は大変有名ですので、ぜひ日没に時間を合わせて訪れていてはいかがでしょうか。
【場所】檜原神社
【住所】奈良県桜井市大字三輪1422
山の辺の道から少し西にルートを外れたところに大和(おおやまと)神社があります。あまり知られていませんが、こちらの神社、戦艦大和と深い縁のある神社なのです。実は、戦艦大和の艦上には、大和神社の御分霊が祭られていました。その理由は、奈良時代、遣唐使らが出発に際して必ず当社へ航海の安全祈願に参詣した事によります。戦艦大和が撃沈した時の殉死者2736名の御霊が、祖霊社に祀られているのはそのためです。また、戦艦大和の全長は、大和神社の参道の長さとほぼ同じと言われています。
先に紹介した神社に比べると、比較的明るく広々とした印象を持った神社ですが、背負っている歴史はかなり重く深いものがあります。色々と考えさせられる神社ですが、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
【場所】大和(おおやまと)神社
【住所】奈良県天理市新泉町星山306
山の辺の道・南ルートのクライマックスは、やはり大神(おおみわ)神社でしょう。ここを終着点とする観光客が多いようです。大神神社に参拝して、無事終了!!…の前にぜひ立ち寄っていただきたいスポットが最後にあるのです。それが、「大美和の杜(おおみわのもり)展望台」です。大神神社の北側すぐに位置するこの展望台からは、なんと大神神社の大鳥居と大和三山(耳成山・畝傍山・天香久山)が一望できるのです!またくるりと背後を振り返ると、なんと眼前に神体山である三輪山を拝む事が出来るのです。おそらく大昔の人々もこの景色を眺めたに違いありません。太古のロマンに浸れる、壮大な景色をお楽しみください。
ちなみにこの展望台ですが、春にはしだれ桜が咲き誇り、大変美しいお花見スポットになります。
【場所】大美和の杜展望台
【住所】奈良県桜井市大字三輪
山の辺の道・南ルートで立ち寄りたいスポット5選、いかがでしたか?この道の魅力は、他の地域にはない深い歴史を、肌で感じられるところにあります。いわば土地全体がパワーに満ち溢れているといってもいいでしょう。ぜひ一度、実際に歩いてみてくださいね。
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(2024/10/12更新)
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