東大寺「お水取り」にちなんだ奈良みやげ&スイーツ!

東大寺「お水取り」にちなんだ奈良みやげ&スイーツ!

更新日:2017/02/28 14:10

たび パンダのプロフィール写真 たび パンダ 総合旅行業務取扱管理者、国内旅程管理主任者
東大寺の「お水取り」は、練行衆と呼ばれる僧侶たちが人々の幸せや平和を祈願する伝統行事です。2017年で1266回目!天平の昔から一度も途絶えたことがありません。とくに二月堂の欄干から火の粉を撒き散らす迫力満点のお松明が有名で、毎年3月1日から14日にはたくさんの人が訪れます。
この時期にしか出会えない春を感じるスイーツもオススメ。「お水取り」にちなんだ絶対にハズせないおみやげをご紹介します。

東大寺の薬湯「天真」

東大寺の薬湯「天真」

写真:たび パンダ

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お水取りが行われる東大寺の「二月堂」は、大仏殿(金堂)から猫段を過ぎてさらに登った、東大寺でいちばん高い場所にあります。舞台からは奈良市街が一望でき、夕陽の絶景スポットとしても有名です。

東大寺の境内は広く、南大門から二月堂まで歩いて約10分。国道369号線の焼門前から大仏殿の裏側を通っていくルートもあります。

東大寺の薬湯「天真」

写真:たび パンダ

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二月堂の南向かいにある授納所には、椿をモチーフにしたお守りや根付け、絵馬、土鈴などが並んでいます。修二会の行法「花ごしらえ」で、練行衆が須弥壇に飾る造花の椿をつくることにちなんでのグッズです。鮮やかな絵馬は、司馬遼太郎著『街道をゆく』の挿絵でお馴染みの須田剋太画伯のデザインです。
二月堂の御朱印もこちらでいただけます。

東大寺の薬湯「天真」

写真:たび パンダ

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お寺の受納所に入浴剤!?ちょっと意外かもしれませんが、オリジナルの入浴剤「天真」があります。
東大寺には鎌倉時代に作られた日本最古の大湯屋(浴室)と鉄湯船(湯船)が残されていて、お風呂の長い歴史があります。修二会では、本行に入った練行衆が薬湯で疲れを癒します。

薬湯「天真」は正倉院に伝わる薬草帳をもとに開発され、大和トウキやジュウヤクなど8種類の生薬を配合。血行を良くする効能があり、冷え性の方にオススメです。身体の芯からポカポカになりますよ。二月堂のほか、東大寺内の売店で販売されています。

東大寺秘伝!龍美堂の「行法味噌」

東大寺秘伝!龍美堂の「行法味噌」

写真:たび パンダ

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受納所の隣には南茶所「龍美堂」があります。二月堂からいちばん近い休憩所です。
普段の営業は9:00〜17:00ですが、変更される場合もあります。二月堂の授与所や龍美堂のあるエリアは、お松明の時間には入れませんのでご注意ください。

東大寺秘伝!龍美堂の「行法味噌」

写真:たび パンダ

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龍美堂に入ると、すぐ目に飛び込んでくるのがこの茶釜。200余年の歴史ある茶釜は今も現役で、こちらでいただくお茶は格別です。
こだわりの看板メニュー「わらび餅」は、プルプルのわらび餅の上に、特製黒蜜ときなこ、抹茶、砂糖がかかっています。夏場は冷たいわらび餅、冬場は温かいわらび餅が登場します。

東大寺秘伝!龍美堂の「行法味噌」

写真:たび パンダ

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龍美堂には、ここでしか買えないおみやげ「行法味噌」があります。豆みそ、米みそ、大豆、ごぼう、ごま、砂糖を原料に東大寺秘伝の製法で作られ、防腐剤等が一切入っていません。

このお味噌を食べると行力(ぎょうりき)が増すと言われていて、修二会の荒行を行う練行衆もご飯のお供にいただくそうです。温かいご飯やおにぎりに、またお野菜のディップソースとしてどうぞ。店内で試食もできます。栄養と神通力の入ったお味噌をご賞味あれ〜。

鶴屋徳満の「開山 良弁椿」と 萬々堂通則の「糊こぼし」

鶴屋徳満の「開山 良弁椿」と 萬々堂通則の「糊こぼし」

写真:たび パンダ

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お水取りの時期になると、東大寺周辺の和菓子屋さんの店頭に、椿のお菓子が並びます。お店によりますが、2月初めから3月中旬までの期間限定です。

花びらが紅白なのは、二月堂の下にある開山堂の庭に咲く椿を模しているからで、「糊こぼし」や「良弁椿」と呼ばれています。よく見られるのが、鮮やかな紅白の練りきり(赤2枚白3枚)で花びらを作り、黄身あんで作った花芯を包みこんだ生菓子です。

写真は、鶴屋徳満の「開山 良弁椿(ろうべんつばき)」です。お菓子の名前は、幼少の頃に鷲にさらわれて、二月堂前の杉の木に引っかかっているのを助けられ、僧として育てられたと言われる良弁僧正にちなんでいます。

鶴屋徳満は明治から続く老舗で、奈良銘菓「元祖 青丹よし」が有名です。下御門商店街にある本店(近鉄奈良駅から徒歩8分)のほか、三条通支店(近鉄奈良駅から徒歩3分)と学園前支店があります。

鶴屋徳満の「開山 良弁椿」と 萬々堂通則の「糊こぼし」

写真:たび パンダ

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萬々堂通則の「微笑」(写真左)と「糊こぼし」(写真右)です。
「微笑」は和三盆糖を使った干菓子で、口に含むとすーっととろけます。「糊こぼし」は、開山堂で咲く椿の赤い花びらの一部が、糊をこぼしたように白くなっていることから名付けられました。どちらもレトロな椿の紙箱が美しく、ギフトで喜ばれること間違いなし!

萬々堂通則は、江戸後期から続く老舗で、奈良銘菓「ぶと饅頭」が有名です。もちいどのセンター街にお店があります。(近鉄奈良駅から徒歩5分)
地元の人も毎年心待ちにしている人気スイーツ!日持ちがしないので、販売個数が限られています。どうしても食べたい人は予約がオススメです。

イートインなら中西与三郎の「南無寒椿」

イートインなら中西与三郎の「南無寒椿」

写真:たび パンダ

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デリケートな椿のお菓子を持って帰るのはちょっと・・・という方に朗報です。
寧楽菓子司 中西与三郎では、テイクアウトはもちろんイートインもOK!大正5年から続く老舗で、奈良町だんごが有名なお店です。古民家をリノベーションしたお店の奥に、茶房「六坊庵」があります。ふかふかの絨毯を敷いた和室で、中庭を見ながらお菓子がいただけます。

イートインなら中西与三郎の「南無寒椿」

写真:たび パンダ

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こちらの「南無寒椿」は、花芯の部分が黄身あんと白小豆粒あんの2種類があります。写真は、季節の上生菓子「南無寒椿(黄身あん)」と大和茶のセットです。「南無寒椿(白小豆粒あん)」は、修二会の厳しい規律の中、本行へと臨む練行衆たちに敬意を表し、材料に動物性のものを含まないのだそうです。店内でしか食べられない「吉野本葛餅」も絶品です。

寧楽菓子司 中西与三郎 / 茶房 六坊庵は、ならまちにあります。(近鉄奈良駅から徒歩10分)

田村青芳園茶舗の「大和茶」

田村青芳園茶舗の「大和茶」

写真:たび パンダ

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「茶粥」は、一日の行を終えた練行衆の夜食です。
東大寺では、茶粥を「ごぼう」と呼び、番茶を使って米から炭火で長時間かけて炊きます。一般には「おかいさん」の名で親しまれ、消化がよく胃腸への負担が少ないと言われています。

この茶粥に欠かせないのが「大和茶」です。大和茶は、弘法大師(空海)が中国より茶の種を持ち帰り、奈良の地に植えたのが始まりと伝えられています。主にお茶作りに適した、朝晩の温度差が激しい大和高原で栽培され、旨味成分たっぷりで後味すっきり!大和茶の知名度はまだまだですが、奈良が誇る逸品です。

田村青芳園茶舗の「大和茶」

写真:たび パンダ

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風情漂う町家の大和茶専門店「田村青芳園茶舗」からは、お茶の香ばしい匂いがします。アンティークなほうじ機は、毎日フル稼働。時間をかけてゆっくり茶葉を焙じます。「かりがねほうじ茶」は、飽きのこない素朴な味わい。どこか懐かしい葉っぱプリントの袋に入っています。「みどり番茶」は、さわやかな香り。夏は水出しで飲むのがオススメです。

「茶粥セット」もお土産にピッタリです。中には粉茶とティーバッグ、炊き方説明書が入っていて、家でも手軽に茶粥が楽しめます。粉茶はほうじ粉と緑茶粉の2種類あります。
田村青芳園茶舗は、ならまちにあります。(近鉄奈良駅から徒歩10分)

田村青芳園茶舗の「大和茶」

写真:たび パンダ

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さいごに

「奈良国立博物館」では、毎年恒例の特別陳列「お水取り」を開催しています。館内のミュージアムショップには、椿グッズのコーナーもあり、お水取り気分を盛り上げてくれます。そして同館の「仏像館」には、日本最古にして最高にキュートな金銅仏「誕生釈迦仏立像」が!奈良博の人気者です。どうぞお見逃しなく。

東大寺の「お水取り」には毎年大勢の人が訪れるため、入場規制や交通規制が行われることがあります。初めて来られる方は「東大寺公式HP 年中行事 修二会 注意事項」をご覧ください。また、奈良は宿泊施設の数が少ないので、観光シーズンのご予約はお早めに。お帰りの際には、お水取りの季節ならではの奈良みやげをお忘れなく!

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/02/11 訪問

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