天孫降臨神話の主人公ニニギノミコトを祀る「霧島神宮」。創建は欽明天皇の時代の6世紀、高千穂峰と火常峰(現・御鉢)間に社殿が造られたのが始まりとされています。幾度かの火山噴火による焼失、再建を繰り返し、1715年に島津吉貴の奉納により現在の地に移りました。
鳥居をくぐり、森の中を歩むと華麗で美しい社殿が姿をあらわします。柱・梁・長押などは朱漆で塗られ、さらに極彩色の装飾品で彩られる姿は、訪れる人々を神話の世界へと誘います。
霧島神宮は鹿児島でも有数のパワースポットとして知られています。境内にそびえる御神木もその一つ。樹齢は何と800年を数え、南九州の杉の祖先とも言われています。この御神木にはさらに可愛らしい神様が! 御神木を裏から見上げると、烏帽子を被った御神像の姿が現れ、まるで社殿に向かって参拝しているように見えるのです。
また霧島神宮の旧参道周辺には昔から不思議な現象が起こると云われ、人々はこれを霧島七不思議と呼んでいます。神様の怒りに触れ岩にされてしまった「亀石」、11月から4月頃までは水が涸れているのに5月頃から清らかな水が湧き出る「御手洗川」、山中にある大岩の隙間に梵字が刻まれた「文字岩」など、観光客もあまり訪れることのないスポットを巡るのもオススメです。
霧島神宮の大鳥居の脇には無料で利用できる足湯があります。霧島市観光案内所の敷地内にあるのでドライブ途中の情報収集にも最適で、駐車場も無料で停める事ができます。霧島神宮温泉らしい白濁した湯は硫黄の香りが漂い、散策で疲れた足や身体を癒やしてくれますよ。
霧島神宮の参道に建つ「霧島天狗館」なる建物。こちらは館長であり、元霧島町長を務められた吉村さんが、30年以上の月日を掛けて収集した国内外の様々な面を展示しています。その数は約2,000にのぼり、国内でも最大の規模を誇ります。特に全国各地で造られた天狗面は、地域ならでは特徴が造形に反映されて実に面白いものです。
霧島神宮には九面すべて揃えると満願成就となると云われる「九面守(くめんまもり)」があり、色や阿吽の型により厄除けなどに通ずるとされて人気を博しています。ここ霧島天狗館の天狗面や神楽面ストラップもまた、知る人ぞ知る霧島土産のひとつ。神に捧げる霧島神楽で用いられる面ながら、妙にリアルな表情がたまらないアイテムです。
霧島神宮よりJR霧島神宮方面に車で10分ほど下ったのどかな地に「霧島町蒸留所」があります。蔵の名は市町村合併によりなくなってしまう“霧島町”を残そうと、旧さつま霧島酒造から平成17年に変更されました。
創業は明治44年と長い歴史を誇り、創業以来受け継がれてきた和がめで製造する伝統の「かめ壺仕込み」に特徴があります。かめ壺で仕込まれたもろみはゆっくりと発酵し、やわらかな風味を持つ焼酎へと変わってゆきます。また焼酎の仕込みに使われる水も美味しさの秘密。地下より汲み上げる霧島連山の天然水がなくては、こちらならではの味は引き出せないのだとか。この霧島の名水はペットボトルでも販売されており、焼酎の割り水に使えばよりまろやかな口あたりが楽しめます。
霧島町蒸留所の代表銘柄は何と言っても「明るい農村」。鹿児島県産のさつま芋「黄金千貫(こがねせんがん)」を使った銘酒は、鹿児島県焼酎鑑評会において平成28年・29年と連続で総裁賞を受賞するほど。蒸し芋の香りと深いコク、そして深い風味と余韻がたまりません。
また「農家の嫁」は焼き芋を原料として仕込んだ変わり種。一般的な蒸し芋で造る焼酎とは香ばしさとコクのある甘みに違いがあります。意外とスッキリした香りで、こちらを好むファンも多いとか。手間がかかるため生産量も少ないので売り切れにはご注意を。
蔵を訪れた際は蔵見学をするのもオススメです。当日でも従業員が丁寧に説明してくれるので、より詳しく芋焼酎を知る事ができます。見学は15分ほどなので気軽に申し込んでみましょう。
霧島の歴史は神話の時代にまで遡ります。霧島連山のひとつ高千穂峰山頂には天孫降臨の際に突き立てた「天の逆鉾」が立てられ、坂本龍馬・おりょう夫妻が新婚旅行で訪れた話はあまりにも有名です。
四季折々で彩りを変える豊かな自然に、厳かな雰囲気が漂う霧島神社。わずかに足を延ばせば効能あらたかな温泉や名物の芋焼酎も味わえます。歴史に育まれた地「霧島」の魅力をぜひ味わってみて下さい。
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