写真:島塚 渓
地図を見る「さかい利晶の杜」は阪堺線「宿院駅」から徒歩1分の場所に位置する文化施設。堺市が生んだ歴史上の偉人「千利休」と「与謝野晶子」の名前から1文字ずつ取って、「利晶の杜」というネーミングになっています。
市の中心部にあり、観光には非常に便利なスポットとなっているので、大仙古墳などの他の観光地に出かける前に訪ねてみるのも良いかもしれません。
写真:島塚 渓
地図を見る施設に入ってすぐそばの場所には、江戸時代の日本地図の複製や昭和初期の堺の町を再現したジオラマ模型があります。近くにはボランティアスタッフが常駐しており、マップなどを活用しながら堺の歴史を説明してくれるというサービスも。
展示内容に関する理解もより深まるので、積極的にお話を伺ってみてください。
写真:島塚 渓
地図を見る「さかい利晶の杜」のメイン展示場となっているのが、「千利休茶の湯館」と「与謝野晶子記念館」。この2つの展示室に入るのは有料となってるので、予めご確認ください。(2017年2月現在 大人:300円 高校生:200円 中学生以下:100円)
2階の「与謝野晶子記念館」では、晶子の生家である駿河屋や書斎などが再現されています。
子どもと過ごす写真なども展示され、大歌人与謝野晶子の日常を垣間見ることもできるような構成となっているのがポイント。
写真:島塚 渓
地図を見るこの「与謝野晶子記念館」のなかで、特に目を引くのが中央部に設けた「晶子の装幀」コーナー。美しいデザインが施された表紙を見ていると、それだけで芸術品を鑑賞している気分になってきます。
実はこれらの装幀、藤島武二や中澤弘光といった著名な画家が手掛けており、美術的価値も高いのだとか。透明ケースが円柱形に配置されているので、横や上からもじっくりと観察できるようになっています。
写真:島塚 渓
地図を見るさきほど紹介した「与謝野晶子記念館」と並んで、「さかい利晶の杜」のメイン展示場となっているのが「千利休茶の湯館」。わび茶を大成したとされる堺出身の偉人、千利休を紹介する展示スペースです。
お茶といえば京都のイメージが強いですが、当時の堺は裕福な商人を中心に茶道が一大ブームとなっていました。
最初の展示室では、貿易港として栄えた堺に関係の深い人物を音声解説で紹介しています。織田信長や豊臣秀吉、フランシスコ・ザビエルといった歴史上の人物がいるなか、利休の声は堺市出身の歌舞伎役者、片岡愛之助さんが担当しているんです。
写真:島塚 渓
地図を見る展示スペースには、利休が若き日を過ごした堺今市町の茶室と、最晩年を過ごした京の聚楽屋敷の茶室が床の間を中心に再現されています。
茶道において道具の選り分けや茶室のデザインというのはとても重要なポイント。床の間のしつらえを丁寧に鑑賞しながら、利休の美意識や道具に込めた意図をくみ取っていきたいものです。
写真:島塚 渓
地図を見る「さかい利晶の杜」の路地を挟んだ向かいには、利休屋敷跡が整備されています。
残念ながら現在は屋敷自体はありませんが、かつての趣をとどめる井戸が残されています。井戸の上にある覆いは「井戸屋形(いどやかた)」と呼ばれるもので、利休にゆかりのある大徳寺山門の古い木材が使用されているんです。
この大徳寺山門での出来事は、利休が切腹を命じられた原因としてよく取り上げられます。利休は山門のなかに自身の像を設置し、その下を秀吉にくぐらせたことから怒りを買って殺されたというものです。実際、利休の死の真相は謎ですが、自分の死につながった大徳寺山門の木材が使われていると知ると、さらに感慨深い施設になるのではないでしょうか。
「さかい利晶の杜」は千利休と与謝野晶子の美の世界を感じ、それと同時に堺の歴史を学ぶことができる施設です。
茶の湯に代表されるように、室町時代から江戸時代のはじめにかけて、堺が日本の文化に与えた影響の大きさを再確認できるスポットなので、歴史好きや美術好きの人にはぜひおススメしたい場所となっています。
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(2024/10/8更新)
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