写真:四宮 うらら
地図を見る彦根観光といえば、彦根城をサッと見学して、京都へ移動する人が多いそうですが、国宝であり、世界遺産暫定リストにも登載されている彦根城は、象徴である天守や櫓(やぐら)だけでなく、御殿や広大な大名庭園が現存・復元され見どころがいっぱい。町のなかには江戸時代の街並みを再現した商店街もあります。せっかく彦根を訪れたなら、ある程度時間をとって、じっくり見物・散策したいものです。
一泊して、ゆったり過ごすなら、料理がおいしく、和の情緒にあふれる「料亭旅館 やす井」が断然おすすめ。
彦根城からも駅からもタクシーで5分くらい。風格あふれる門に「やす井」と染め抜いたのれんが出迎えてくれるのですが、この門の前に立っただけで、滞在への期待に胸が高鳴ります。
写真:四宮 うらら
地図を見る門をくぐって玄関へ向かうアプローチは、木々が風に揺れ、山野草が植えられた石畳の小径となっています。町中にある旅館だというのに、ここだけ別世界のようです。
写真:四宮 うらら
地図を見る広々とした玄関は和の美しさに満ちあふれた静かな空間。ここも廊下も畳張りなので、無粋なスリッパは不要です。厳選された調度品にも品格があり「いい宿に来たな」という実感がわくことでしょう。
写真:四宮 うらら
地図を見る「料亭旅館 やす井」は伝統的なたたずまいと日本の和の心を大切にした旅館です。客室は全9室。
特別室「囲炉裏」は、写真の囲炉裏のある部屋の他に、庭を眺める2つのを和室、ベッドを置いた寝室があり、とてもゆとりのある客室です。特に大庄屋の屋敷の名残があるという囲炉裏のある部屋は、梁を現(あらわ)しにした高い天井や天板が、室内に深い陰影と落ち着きをもたらします。実際に火をおこして楽しむこともできます。
このほかに、本館客室、新刊客室があり、そのいずれもから手入れの行き届いた和風庭園を望むことができ、非日常の心安らぐ滞在がかないます。
写真:四宮 うらら
地図を見るこちらは新館の客室のひとつ。衣桁(いこう)に和のタペストリーが掛けられ、華やかな和の風情を演出。その傍らには、浴衣や丹前、靴下などが整然と並びます。上品なあやめ柄の浴衣、丁子の香りのする靴下など、どれも心づくしのセレクト。
なかでも特筆したいのが、緊急避難用のスリッパが用意されている点です。
「地震や火事などの緊急時に、お客様が宿の玄関まで靴を取りに行くことは難しいはず。ならばお部屋に緊急用のスリッパを用意しておけば、イザというときに役立つでしょう」と女将さんの心配りで、各お部屋に置くようになったそうです。
こんなことからも、この宿のうわべだけないおもてなしの心が伝わってきます。
写真:四宮 うらら
地図を見る大浴場は温泉ではありませんが、とっても気持ちのよいお風呂です。ヒノキの湯船に、地下約300メートルから汲み上げた軟水を使用。露天風呂もあり、涼やかな風を感じながらゆったり湯浴みすることができます。もとより客室が9室のみですから、お風呂も混み合うということがありません。
「紫雪英(れんげそう)」と「紫陽花(あじさい)」の二つの大浴場は時間帯で男湯・女湯と入れ替わるのでどちらにも入ることができます。ちなみに写真のお風呂は「紫陽花」。
観光で疲れた身体をほぐしてくれることでしょう。
写真:四宮 うらら
地図を見る「料亭旅館 やす井」という名からもわかるように、この宿での一番の楽しみは食事。琵琶湖を有する地元の食材と旬にこだわった料理は、どれも見た目に美しく、上品かつ滋味深いものです。
漆の杯でいただく滋賀の地酒「福のしずく」を食前酒に始まる夕食コースは全10品ほどで構成。写真はその一部です。
写真手前は「鮒ずしのお吸い物」。鮒ずしとは滋賀を代表する郷土料理で、琵琶湖でとれるニゴロブナを塩で漬け込み、ご飯をつめて発酵させたもの。ここでは料理長自らが鮒ずしを漬け込み、会席料理の華ともいえる椀ものに仕上げています。
オレンジソースをかけた「甘鯛の鱗焼き」、「近江牛のローストビーフ」、「鴨の鍬焼き」「琵琶マスのスモークサラダ」など。献立は季節によって異なりますが、料理長 櫻井泉氏が精魂を傾けて作る、旬のおいしいものが食べられます。
また、夕食で使う竹製の橋は京都の竹細工の有名店で作られており、とても使いやすいものです。使った箸は各自、お土産として持ち帰ることができます。
写真:四宮 うらら
地図を見る「料亭旅館 やす井」では、夕食でのおいしい感動が朝ごはんでも再び呼び起こされます。炊きたての土鍋ご飯に湯豆腐、ふんわり焼き上げた大ぶりの卵焼きに魚の干物。そしてお浸しや佃煮などなど。
魚は3種類のなかから好きなものを選ぶことができ、朝から贅沢な気分に浸れます。
朝ごはんのおいしい宿はおしなべていい宿です。しっかり食べて、再び元気に観光が楽しめることでしょう。
彦根城下にある老舗旅館「料亭旅館 やす井」、いかがでしたか。
女将の安井ちなみさんによると「彦根では城主の井伊家の許可を得た家だけが『井』の字を使うことができた」のだそうです。そんな由緒正しき家柄だけに、『やす井』の名にふさわしい日本の伝統と和の趣を大切にしたおもてなしを心がけておられるそうです。
もともと料亭から始まった宿だけに、料理のクオリティの高さには定評があります。さらにゲストの立場にたった、おおげさではないけど心地よいサービスが秀逸。400年の歴史を刻む彦根城を観光する際に、ぜひ宿泊したい上質な宿。いえ、この宿に泊まるために彦根を訪ねてもよいのではないでしょうか。
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(2025/2/17更新)
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