写真:和山 光一
地図を見る中央自動車道伊北ICを下りてまずは箕輪町中曽根のエドヒガンザクラを訪れます。中曽根公民館の北にある樹齢1000年といわれる見事な一本桜の老木で、木の根に熊野権現が祀られていることから「中曽根の権現桜」とも呼ばれています。
樹高約13m、根元の周囲約8mの大木で、薄紅色の小さめの花が盛んに咲き誇ります。根元から2つの大枝が東西に分かれていて、夫婦桜とも言われ、開花時期のずれからか一方は紅色、他方は白っぽく花の色が違っているようにも見えます。晴れていれば中央アルプスの雄姿とともにその姿を眺められますよ。
<中曽根の権現桜の基本情報>
住所:長野県上伊那郡箕輪町大字中曽根293
開花時期:4月中旬〜5月上旬
写真:和山 光一
地図を見る伊那市西の段丘上にあるのが、戦国時代の春日城址をそのまま公園にした「春日公園」です。城は天文10年(1541)に織田信忠軍によって焼け落ち、現在は城の堀や石垣を彩る薄紅色の約420本のソメイヨシノとコヒガンザクラが植えられています。
伊那市街や残雪の南アルプスを一望しながらの花見は南信州ならではの趣があり、高遠城址の人ごみを避けて桜を愛でるならまさに穴場といえますよ。
<春日公園の基本情報>
住所:長野県伊那市西町5949-1
開花時期:4月上旬〜中旬
写真:和山 光一
地図を見る国道361で高遠方面に向かい、笠原の信号を左折してしばらく走ると池の堤の周りを囲むように桜が咲き乱れる「六道の堤」が現れます。堤の広さは約16000u、現在も六道原に広がる水田33.5haを潤しています。
春になれば水面に映るタカトウコヒガンザクラやソメイヨシノなど120本が咲き誇り、東西の南アルプス、中央アルプスの白い雪と美しいコントラストを見せてくれるカメラマンにも大変人気の穴場スポットです。
<六道の堤の基本情報>
住所:長野県伊那市396-0111
開花時期:4月中旬〜下旬
写真:和山 光一
地図を見る「たかとほは 山裾のまち 古きまち ゆきあう子等の うつくしき町」と明治の文学者・田山花袋が謳った高遠は、700有余年の歴史文化に支えられた城下町。日本さくら名所100選に選ばれ「天下第一の桜」として誉れ高い、信州屈指の桜の名所「高遠城址公園」があります。
園内には約1500本ものタカトウコヒガンザクラが大きく枝を広げ、天空を覆い尽くさんばかりに咲き誇っています。桜色が濃く、鮮やかな濃いピンクが風にそよぎ、満開の頃ともなるとその壮観さに圧倒されます。雪を残した中央アルプスを背に、鮮やかに咲き誇る“桜の森”は言葉にならない迫力と美しさを持っていますよ。
写真:和山 光一
地図を見る高遠と桜のつながりは古く、江戸時代元禄年間には3万3千石の内藤家が居城としていた頃、馬場に立派な桜並木がありました。明治時代に城は取り壊されて公園となりましたが、明治8年(1875)荒れ果てていた城址を見かねて高遠藩の旧藩士が「桜の馬場」から桜を植え替えたました。それが今の高遠城址の桜となって多くの人を惹きつけています。
天文16年(1547)武田信玄によって築城された高遠城は、敵から城を守るために空堀が造られました。現在では絶好のお花見ポイントになっている空堀に架かる桜雲橋は、高遠城址公園のシンボルです。赤い欄干の橋が満開の桜に包まれるこの場所で、水面に映し出される桜もまた美しいのです。
<高遠城址公園の基本情報>
住所:長野県伊那市高遠町東高遠
開花時期:4月上旬〜下旬
写真:和山 光一
地図を見る白山トンネルの手前、五郎山登山口の標識を見つけます。天正10年(1582)織田信忠と戦い、壮絶な死を遂げた武田信玄の五男・仁科五郎盛信のお墓が五郎山の頂上にありますが、その手前白山神社の先、白山観音の小さな標識を頼りに登ること登山口から20分、正面に高遠城址公園の全景を眺めることができます。
1500本のタカトウコヒガンザクラが満開になる様子はまさしく「茜雲がたなびくよう」と例えられる有り様です。
<五郎山の基本情報>
住所:長野県伊那市高遠町勝間
写真:和山 光一
地図を見る白山トンネルを抜けた先が勝間集落です。その集落の上方の小高い丘の一角をほんのり染めるのが、勝間薬師堂をすっぽりと包み込むように両脇に咲き誇る樹齢150年の2本のシダレザクラです。
大瀑布のしぶきのようにしだれ、周辺にも何本かの桜の木があり、ひなびた里山の景観を一転、あでやかな錦絵巻に変えています。ひと枝ひと枝に力強さが感じられ、静かな山里とともに生き続ける桜を見ながらゆっくりとした時間を過ごしてみてください。高遠城址公園の天下第一の桜を見たあとは、なおさらひっそりと咲く風情に心が洗われますよ。
写真:和山 光一
地図を見る勝間薬師堂からは、手前にエメラルドグリーンの高遠湖の湖畔、桜に囲まれる高遠ホテル、そしてその奥にはタカトウコヒガンザクラの雲海に囲まれた高遠閣の赤い屋根が遠望できます。
<勝間薬師堂の基本情報>
住所:長野県伊那市高遠町勝間
開花時期:4月中旬〜下旬
写真:和山 光一
地図を見る高遠さくらホテルは湖に面してガラス張りとなっていて、レストランでは高遠湖畔に咲く桜を眺めながら食事ができます。日帰り入浴も可能で、高遠城址の花見帰りに、もうひと足伸ばして立ち寄るのもいいですよ。
<高遠さくらホテルの基本情報>
住所:長野県伊那市高遠町勝間217
開花時期:4月中旬〜下旬
写真:和山 光一
地図を見る駒ヶ根ICから車で約3分。平安時代前期、貞観2年(860)に不動明王を本尊とし本聖上人によって開かれた南信州随一の祈願霊場が、天台宗の別格本山「宝積山光前寺」です。境内は杉林に包まれ樹齢数百年の巨木も多く、光苔や早太郎伝説で彩られた古寺の風格は申し分ありません。
写真:和山 光一
地図を見る昭和42年(1967)「光前寺庭園」の名で、6.7haに及ぶ全域が国の名勝に指定されました。庭園を中心に門前や境内の約70本のシダレザクラが咲き誇り、晴れていれば残雪の駒ケ岳を借景に艶やかに彩ります。開花期間中の夜はライトアップされ幻想的な美しさですよ。
<光前寺の基本情報>
住所:長野県駒ケ根市赤穂29
開花時期:4月中旬〜下旬
写真:和山 光一
地図を見る光前寺の桜に先駆けて花を付けることで知られるのが、駒ヶ根市中沢にある「吉瀬のしだれ桜」です。中沢地区の里山に一本だけそびえ立つ大樹は、訪れる人の少ない場所ですが、堂々と枝を伸ばす様は他の名桜にも劣りませんよ。近くの十王堂にも立派な一本桜があり見応えがありますので一緒に是非寄ってみてください。
<吉瀬のしだれ桜の基本情報>
住所:長野県駒ケ根市中沢吉瀬
開花時期:4月中旬
写真:和山 光一
地図を見る天竜川が造り出した壮大な河岸段丘を眺めながら国道153号で中川村に向かいます。川べりから山肌までソメイヨシノの薄紅色に染まる坂戸峡は、南信州の早い春を告げる風物詩です。坂戸峡に架かる登録有形文化財の坂戸橋は全長77.8m、幅5.5m、高さ20mのアーチ型の橋で、昭和7年(1932)に建てられた当時、東洋一といわれました。橋の両側からもぎっしりと咲く桜のトンネルをくぐります。
写真:和山 光一
地図を見る国道から天竜川を渡った東岸にあるのが「大草城址公園」です。南北朝時代に後醍醐天皇の第八皇子である宗良親王を庇護した香坂高宗の本城で、10種類以上約200本の桜が咲き誇ります。高台にあるため眺望が素晴らしく、残雪を冠した中央アルプスが目の前にそびえます。
<大草城址公園の基本情報>
住所:長野県上伊那郡中川村大草
開花時期:4月上旬〜下旬
信州伊那谷の一番のごちそうは南アルプス・中央アルプスの三千メートル級の山々から、天竜川・三峰川の扇状平野の間に広がる大パノラマの景観です。その伊那谷の景観の中に歴史を刻んだ名刹を彩る桜が咲き誇ります。
信州で最も早く開花する天竜峡から、伊那谷を通って南北約212km、東西約120qの信州を2週間以上かけて県内を北上する桜前線を追いかけてみませんか。花見に興じたり、写真に収めたりと、各地の桜を楽しむのはなんとも優雅な春の旅ですよ。
2018年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/3/29更新)
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