桜色に包まれた境内庭園を堪能しよう!京都西陣の「本隆寺」

桜色に包まれた境内庭園を堪能しよう!京都西陣の「本隆寺」

更新日:2017/03/07 11:07

木村 優光のプロフィール写真 木村 優光 和風景写真家、夜景愛好家
「本隆寺」は京都市上京区の西陣に位置し、法華宗真門流の総本山です。開祖は近くにある妙顕寺出家の日真大和尚で、元は四条大宮にあったものを1542年に西陣へ移設。観光寺院ではありませんが、境内には四季折々に咲く花が大変魅力的で、特に春先の境内は桜一色に!京都には桜の名所とされる寺院がたくさん存在しますが、「本隆寺」はガイドブックにもあまり掲載されないため、桜の咲く静かな境内を訪問してみよう!

桜色の境内庭園へは東側の智恵光院通り沿い山門からの入山をオススメ!

桜色の境内庭園へは東側の智恵光院通り沿い山門からの入山をオススメ!

写真:木村 優光

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「本隆寺」は東に智恵光院通り、西に浄福寺通り、南に五辻通りに囲まれた広い境内が特徴的で、境内には塔頭と呼ばれる小院が8つ存在しています。東西と南に山門を持ち、北側は塀で覆われています。

特に春先における山門と境内に咲く満開の桜のコラボレーションを見る場合は、東側の山門を利用するとよいでしょう。そして8月になると本堂の横に植えられた百日紅の木が見事な濃淡ピンクの花を付けるため、桜以外の季節でもオススメ!

なお、西陣では1730年と1788年に大火があり、辺り一帯は焼け野原となりました。「本隆寺」境内においても少なからず被害を受けましたが、本堂と祖師堂、宝殿は大火を免れたため、「本隆寺」は別名「焼けずの寺」と呼ばれています。

東側の山門から入るとピンク一色の世界が広がる!

東側の山門から入るとピンク一色の世界が広がる!

写真:木村 優光

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東側の山門から境内に入ると、すぐさま本堂が姿を見せます。重圧感たっぷりの本堂周囲にはたくさんの桜の木が植えられている関係、春先は本堂を囲むようなピンク一色の光景は息を呑むほどの素晴らしさ!

写真は本堂東側と塔頭と呼ばれる小院とに挟まれたエリアで、塔頭側にたくさんの桜の木が植えられているため、本堂の屋根までも見上げることができるところは、写真を撮る人にとっては好都合!写真のように広角で撮ってもよし、望遠で好きな部分を圧縮するのもよし!

東側の山門から入るとピンク一色の世界が広がる!

写真:木村 優光

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上の写真からやや右側を向くと、塔頭と桜のコラボレーションが綺麗に収まり、今度は逆に各塔頭の屋根が見えないほど!広角レンズで桜の木を大きく際立たせて、塔頭の白壁を入れてみると、いかにも和風な1枚に仕上がります。

本坊と客殿の囲まれたエリアは枝垂れ桜が咲く庭園

本坊と客殿の囲まれたエリアは枝垂れ桜が咲く庭園

写真:木村 優光

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「本隆寺」境内の北側には法華宗真門流宗務庁総本山の本坊があり、手前には枝垂れ桜をメインとして白石の敷かれたエリアに石塔、石仏が綺麗に配置された庭園があります。ここも「本隆寺」の見所で、庭園の先に見える客殿が和の雰囲気を一層盛り上げてくれています。

さらに本坊の玄関先付近まで歩んでみると、本堂の裏側と同時に中央の客殿、そしてメインの紅枝垂れ桜のコラボレーションも可能!

祖師堂や経蔵ともバッチリ相性が良い境内の桜

祖師堂や経蔵ともバッチリ相性が良い境内の桜

写真:木村 優光

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本堂の西隣には祖師堂があり、西陣の大火でも免れた経歴もあることから、京都では最古のものとされています。こちらは本堂と同様に、国の重要文化財として指定されています。

祖師堂の目の前にも桜の木が植えられている関係、春先は綺麗なコラボレーションを見ることができます。祖師堂の障子もガラス張りの箇所があるため、手前の桜の花が映り込む姿は素晴らしいの一言につきます!写真を撮る方は桜の映り込みを撮ってみるのもよいでしょう。

祖師堂や経蔵ともバッチリ相性が良い境内の桜

写真:木村 優光

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祖師堂の斜め前には2棟の経蔵もあります。白壁の立派な建物で、ピンク色の桜との相性は抜群に良く、しばし見とれてしまいます。

「本隆寺」に植えられている桜全般的に言えることですが、かなり背丈が高い高樹齢のものが多く見受けられます。したがって各建造物と一緒に写真を撮ろうとすると、構図内に収まらないことがありますので、広角レンズを上手いこと使ってみましょう。

さまざまな言い伝えがある「本隆寺」

今回は「本隆寺」に咲く桜メインの紹介でしたが、「本隆寺」には様々な言い伝えがあります。上でも紹介したように、二度の西陣の大火によって少なからず被害を受けた「本隆寺」でしたが、本堂、祖師堂、宝殿は大火を免れたことで「焼けずの寺」と言われています。

また、祖師堂と本堂の前には「夜泣き止の松」と呼ばれる松が植えられています。1532年、「本隆寺」の近所の夫婦に赤子の養育を依頼された5代目住職の日諦上人でしたが、夜泣きがなかなか止まないことでこの松の周りを歩いたところ、ぴたりと止んだことでそのような名称になったとされています。

したがって「本隆寺」を訪問の際は、境内の言い伝えがあった場所もじっくりと見て回ることをオススメです。なお、「本隆寺」の桜の見頃はその年の気候などにもよりますが、3月下旬〜4月上旬付近です。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2016/04/02 訪問

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