泉湧く岬を覆う神秘の森〜沼津・大瀬崎のビャクシン樹林

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泉湧く岬を覆う神秘の森〜沼津・大瀬崎のビャクシン樹林

泉湧く岬を覆う神秘の森〜沼津・大瀬崎のビャクシン樹林

更新日:2017/03/03 18:26

大木 幹郎のプロフィール写真 大木 幹郎 巨木マニア、低山登山家、ブロガー

大瀬崎は、静岡県の駿河湾を囲む伊豆半島、その北西端にある岬です。ここは対岸に富士山を望める景勝地であり、湾内は波が穏やかで水は澄み、海水浴場とダイビングスポットとしても日本有数の場所。そんな大瀬崎の先端は、神秘的な森で覆われています。海面近くに淡水を湛える大きな池、その存在を隠すように包む、不思議な姿をした巨木の森。大瀬崎のビャクシン樹林をご紹介します。

神秘の景勝地・大瀬崎のビャクシン樹林

神秘の景勝地・大瀬崎のビャクシン樹林

写真:大木 幹郎

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大瀬崎は伊豆半島の北西端から約1kmほど駿河湾に伸びた岬。沼津市を代表する観光地の一つで、海越しに富士山を望める景勝地です。岬の先端は海の神様を祀る大瀬神社の神域で、神池とビャクシン樹林があります。神池は海上に浮かぶような淡水の池。ビャクシン樹林は巨木の多い、国指定天然記念物のビャクシンの群生地。岬の先端には神秘の森が広がっています。

美しい湾内では、海のレジャーも楽しめます。ここは波が穏やかで海水の透明度が高く、環境省による快水浴場百選の選定地。海水浴場とダイビングスポットとしても日本有数の場所です。湾内に並ぶ宿泊施設は、ダイビングサービスを提供するところも多数。

写真は県道沿いにある「富士山ビュースポット・西浦江梨」からの岬先端の眺め。天気が良ければ奥に富士山を重ねることができます。

神秘の景勝地・大瀬崎のビャクシン樹林

写真:大木 幹郎

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大瀬崎の岬を覆うビャクシン樹林は約130本、全てが大瀬神社の御神木。国内最大規模の自然の群生地で、全体が国指定天然記念物。巨木が多く、環境省が昭和63年(1988)に行った巨樹・巨木林調査では、幹周り3m以上の巨木が28本も記録されました。

ビャクシン(柏槇)はイブキ(伊吹)とも呼ばれるヒノキ科の常緑高木で、主に本州の沿岸部、四国、九州に分布。大木になると幹が捩れ、独特の風格を湛える姿となるため、寺社や庭園に植えられたり、盆栽として好まれる樹木です。

大瀬崎のビャクシンたちは、幹や枝が荒々しく捩れ、中には巨大な盆栽のように、芸術的な姿の古木も少なくありません。この幽玄なビャクシンの森を、周遊道を歩いて堪能できます。

神秘の景勝地・大瀬崎のビャクシン樹林

写真:大木 幹郎

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大瀬神社の神域、ビャクシンの森に覆われた神池。直径は約100mの楕円形、海抜は約2m、海面からの最短距離は約20m。まるで海上に浮かんでいるような神秘の池です。更に驚くべきことに、池の水は淡水で、コイ・フナ・ナマズといった淡水魚が多く生息しています。

大瀬崎と神池の不思議な成り立ちについて少しお話を。

大関崎は伝承によると、白鳳13年(684)の大地震で、海底が隆起した琵琶島と呼ばれた島が元で、海流が運んだ土砂で陸と繋がり、現在の姿になったといわれます。そして、ここは約50万年以上前に噴火した達磨山の北西、大瀬崎火山のあった地域。神池には、大瀬崎火山の溶岩層の中を流れる伏流水が湧いているのかもしれません。

大瀬崎のビャクシン樹林で際立つ3本の巨木

大瀬崎のビャクシン樹林で際立つ3本の巨木

写真:大木 幹郎

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大瀬崎のビャクシン樹林の中から、特に大きなものを3本ご紹介します。1本目は岬の北端、大瀬崎灯台の近くに立つ「夫婦ビャクシン」。大瀬崎で最大のビャクシンで、幹周り約7m、推定樹齢1500年とされる巨木。夫婦という名前の通り、2本の巨木が中睦まじく寄り添うような姿。根本には大瀬神社の分霊が祀られた、特別な御神木です。

大瀬崎のビャクシン樹林で際立つ3本の巨木

写真:大木 幹郎

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大瀬崎の岬の先端は、周遊道をビャクシンの大木が覆っているため、特に幽玄な雰囲気を楽しめます。この区間で湾に面した南側、ベンチがある開けた場所に立つものが2本目の巨木です。強風に吹き流されたような形に、大きく広がった枝張りが見事。湾内の海水浴場からも、この巨木の姿が遠目に映ります。

大瀬崎のビャクシン樹林で際立つ3本の巨木

写真:大木 幹郎

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大瀬崎のビャクシン樹林は、岬の付け根付近にも群生。大瀬神社の手前まで、個性的な大木が多いので注目してみましょう。3本目の巨木は、岬の付け根付近、ダイビングサービス施設の隣に立つもの。この巨木は一本の真っ直ぐな幹を持つ、端正な立姿のビャクシン。周囲の曲がった幹のビャクシンの中で、かえって目立つ存在です。

駿河湾の守護神・大瀬神社

駿河湾の守護神・大瀬神社

写真:大木 幹郎

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大瀬神社は大瀬崎の岬の中央部、小高い峰の上に鎮座。創建から1000年以上の歴史を持つとされる古社で、祭神は海の神様である引手力命(ヒキテチカラノミコト)。古くから漁民たちの信仰が篤く、駿河湾の守護神として崇敬を集めてきました。境内地のビャクシン樹林へ立入る前に、社殿に参拝しておきましょう。

大瀬神社には面白い風習があります。海上安全の祈願に赤いフンドシ(写真右)を奉納することや、4月4日の例大祭・大瀬まつり。飾り立てた船上で女装した青年たちが踊るなど、奇祭として知られています。そんな大瀬神社は、水産庁の「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」に選定された文化財。

大瀬崎のビャクシン樹林へのアクセス

大瀬崎のビャクシン樹林へのアクセス

写真:大木 幹郎

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大瀬崎へのアクセスについて。最初に現地での移動時間(徒歩)を説明します。

有料駐車場とバス停・大瀬岬の前から、大瀬神社の鳥居の前(写真)まで約10分。そこから大瀬神社の社殿に寄り、周遊道で岬を巡って約30分。なお、大瀬神社の前から岬の先端まで、神池とビャクシン樹林を含む一帯は境内地。拝観できる時間帯は日中に限られ、拝観料が必要となります。

大瀬崎のビャクシン樹林へのアクセス

写真:大木 幹郎

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大瀬崎への車でのアクセスは、東名高速道路・沼津ICから約1時間(県道405、国道414、経由)。鉄道でのアクセスでは、沼津駅から大瀬崎まで、東海バスの西浦線を利用できます。最寄バス停は「大瀬岬」で、運行本数は1日2本。3つ手前のバス停「江梨」は、運行本数が1日10本以上ですが、ここから大瀬崎まで徒歩で約45分。

大瀬崎の宿泊施設には、沼津駅や江梨まで送迎車を出すところもあります。詳細は文末の関連MEMOのリンク、大瀬海浜商業組合を参照ください。

(写真は岬の北端にある大瀬崎灯台)

ビャクシン樹林も含めて見所の多い贅沢な景勝地・大瀬崎へ

以上、大瀬崎のビャクシン樹林でした。駿河湾に突き出た岬の大瀬崎は、富士山を海越しに望める景勝地であり、美しく快適な海水浴場とダイビングスポットとしても有名な場所。そして岬の先端は、海上に浮かぶような池があり、そこをビャクシンの大木が覆う、神秘と幽玄の世界。ビャクシン樹林には、盆栽を巨大にしたような個性と風格ある古木が多く、まるで自然の芸術作品です。

対岸には富士山、穏やかで美しい湾、そして神秘の泉と巨木の森。伊豆半島で見所が多い贅沢な景勝地として、大瀬崎のビャクシン樹林をお勧めします。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/02/17 訪問

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