現在、国登録文化財に登録されている「豊田家住宅」は、鳥取県の中央部の倉吉市に建てられています。旧商店街の中にあり、もともとは江戸時代からある建物で呉服屋を営んでおり、倉吉の町屋の中では有名な商家でした。
当時、この倉吉では税金が家の幅、つまり建物の間口で定められていました。道に面する幅が広いほど税金が高く、狭いほど税金が安くなるという具合でした。ですから、よく言う「うなぎの寝床」は税金対策だったのです。そこから、この建物を図ると間口が広く、裕福な家であることがわかります。
その造りは、屋根は切妻造、桟瓦葦、平入の木造2階建。正面は出桁造となっています。 構造は真壁造、正面外壁は鼠漆喰塗で造られています。
また、この建築物の屋根の瓦には、鳥取中部(伯耆)地方に多く見られる、石州瓦が使われています。この石州瓦の特徴は見てわかるように赤茶色。これを赤瓦と呼んでいて、この「豊田家住宅」周辺を赤瓦と呼んでいます。
今では観光地としても有名なエリアです。古い町並みがならび、琴桜の生誕の地でもあり、近くには琴桜の銅像、記念館などもある街です。ここ豊田家も建物の保存とともに、まちづくり、観光のひとつの目玉として講談が公演されるようになりました。
白壁と焼杉板が使用された外壁の建物が立ち並ぶ
「豊田家住宅」に入るとまず、木の彫刻が目に入ります。
倉吉市には仏師が3人も在住し、赤瓦周辺で木の彫刻をいたるところで見ることができる街でもあります。そのひとつが、ここにもあります。
仏師は、仏像専門の彫刻師のことを言います。その巧みには圧巻されます。堂々とした風格、そして繊細さを持ち思わず手を合わせたくなります。
講談の公演会場は広い土間の奥の「こあがり」の階段を昇った2階になります。こちらで講談が開催されています。
昔の造りなので階段は狭いですが、講談の公演会場は60人ほど入れる広間になっています。会場は畳敷きですが、写真のように椅子の設置もできます。
また、会場を貸しきって昔話しの公演やミニ演奏会などに使用することもできます。
講談とはどんなものか?簡単に言えば昔話をいかにも見てきたように話し、パンパンと張り扇で釈台を叩き、調子良くそしてメリハリをつけリズミカルに話すと言ったものです。話の内容によっては本当の話しと思わせるように語る講釈師もいます。
「豊田家住宅」では365日毎日10時から15時30分まで講談が開催されています。開催時間は決まっておらず、お客様が集まれば随時公演を行う形となっています。
お話しは、『淀屋の光と影』『たまゆらの人生、里見安房守忠義』『近代日本を拓いた母の愛』などがあります。話しの内容は聴いてみてのお楽しみ。倉吉の街を散策するおりにはぜひ一度聞いてみてください。
聴かなきゃ損ですよ。
今は、なかなか見かけない呼び込みに使うカチ
講談を見たり、聴いたりすることは、なかなかできないことだと思います。ここ「豊田家住宅」では毎日、公演中!これも、すごいことですね。
しかも、国登録文化財の建物に入って楽しめる!そして、歴史も学べる。街歩きのコースの中にぜひ取り入れたい場所です。
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