バスやケーブルを利用した場合の拠点となる東塔の本堂は根本中堂(こんぽんちゅうどう)、延暦寺の総本堂でもあります。
天台宗の総本山である延暦寺は、最澄によって開山されました。
その後、「富士山の頂上をいろいろな人が目指すのと同様、宗教も目指すものは同じ」として、宗派にとらわれず多くの高僧(法然、親鸞、栄西、日蓮など)を育み、輩出したことでも有名。
さて、根本中堂には最澄が自ら刻んだ薬師如来を安置し、消えることなく永遠に世の中を照らすようにと願い、供えた「不滅の法灯」が1200年以上灯り続けています(信長の比叡山焼き打ちで一時途絶えますが、先に山形県の立石寺に分灯していたおかげで、再分灯を経て同元の地で灯り続けている次第)。
万が一、油を断てば世界は闇に包まれる、油断して失敗を招くのを戒める言葉、「油断大敵」の語源となったとか。
ありがたい法灯だからといってケチったりしてはいけない、何でも独り占めにしてはいけないという教えにもなっているんですよ。
その根本中堂の造りは典型的な天台仏堂。外陣と中陣は板敷なのに対し、仏様の内陣は3m低く、床を張らず石敷きの土間となっています。仏様と参詣者の目線が同じ高さになるように考えられているんだとか。「不滅の法灯」と共に、じっくりご覧になってください。
交通機関の発達で、東塔への入り口はドライブウェイに隣接する場所になり、根本中堂を経て文殊楼へ向かうのが通常のルートとなりましたが、昔は文殊楼が延暦寺の入り口(山門)でした。
こじんまりと佇む文殊楼を潜ると、その先に長い石段と本堂(根本中堂)が目に飛び込んできたときの当時の感動はどれほどのものだったか!
是非、古人と同じ感動を共有してください♪
西塔へは東塔から約1キロ。
延暦寺に現存する最古の建築として釈迦堂(西塔の本堂)、そして、法華堂と常行堂という同じ形をしたお堂、別名「にない堂」が有名です。
2つの堂がわたり廊下でつながっており、弁慶が両堂をつなぐ廊下に肩を入れて担ったとの言い伝えからそのように呼ばれています。
西塔から横川へは4キロ、峰道レストランはその途中にあります。ちなみに西塔、横川にはトイレ以外、休憩所などの施設は皆無なので、こちらで一息つかれることをおススメします。比叡山から見下ろす琵琶湖も絶景ですよ〜
遣唐使船をモデルとした舞台造りの横川中堂は西塔の本堂。毎年もみじまつりのイベントが開催される紅葉の名所でもあります。
西塔にある元三大師堂(がんざんだいしどう)で授与される角大師(つのだいし)の魔除けの護符は、今はストーカー対策などで女性(男性も)がお守りがわりにして人気だそうですよ(笑)
比叡山延暦寺ならではの醍醐味は、やはり三塔巡拝。ゆっくり見て回るとまる1日かかりますが、それだけの価値があります。
是非チャレンジしてみてください。
三塔間を結ぶ比叡山内シャトルバス(ただし冬季運休)を利用すれば、お車でなくても気軽に回れますよ。
冬になると交通手段も限られてくるので、三塔巡拝はおススメできませんが、その分訪れる人も少なくなり、静寂と荘厳で神秘的な雰囲気に包まれた延暦寺は一見の価値があります。東塔へは必ず、そして可能であれば西塔や横川へ足を運んでみてください。
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