目黒川は東京の世田谷区、目黒区、品川区を流れ、東京湾に注ぐ約8kmの川です。毎年、お花見で賑わうこの目黒川沿いに桜の植樹が始まったのは昭和2年頃。
目黒川は水深が浅く、昔は大雨が降るたびに氾濫するなどの被害が多かったそうです。そのため護岸工事が繰り替えされていたのですが、その護岸工事が無事に終わるたびに、地元の有志が工事の記念として桜を植えたのが、目黒川沿いの桜並木が誕生するきっかけとなったのだそうです。
目黒川の花見といえば中目黒界隈が有名ですが、実は中目黒だけではなく、目黒川沿いの広い範囲に桜は植えられています。
お花見クルーズで行くのは、東京湾河口付近の運河から遡ること約4キロの目黒雅叙園手前まで。往復約70分のクルーズです。
写真:四宮 うらら
地図を見る出発は天王洲アイルを最寄駅とする「天王洲ヤマツピア」。天王州はオフィスビルやタワーマンションが立ち並ぶアーバンタウンですが、その中を流れる運河にある桟橋からスタートします。
提供元:株式会社ジール
http://www.zeal.ne.jp船は海面との高さの差があまりない橋が多い東京の河川での航行ができるように設計された安定性に優れた双胴船。きれいなトイレも完備。揺れも少なく、安心して乗ることができます。
天王州アイルの桟橋を出発すると、まもなく「目黒川水門」に。ここを通り抜け、いよいよ目黒川に入っていきます。
水門描かれたくじらの絵。この絵は「運河ルネッサンス」事業の一環として、一般公募のなかから選ばれ、2008年に描かれたもの。「しながわ鯨」というタイトルが付いています。
江戸時代、品川に鯨が入り込み、これを漁師達が捕らえたことが評判となり、将軍が見に来たことがあったとか。そんな由来から選ばれたこのデザイン。波しぶきの部分をよーく見ると「しながわ」と描いてあるので、確認してみてください。
目黒川に入ると、桜並木が断続的に見え始めます。さらに進むと咲き誇る桜と赤い欄干の対比が美しい橋がみえてきます。これは南品川の鎮守として古くから親しまれている荏原神社(えばらじんじゃ)の鳥居前より目黒川に架けられた「鎮守橋」。神社の橋らしく、青銅製の擬宝珠(ぎぼし)が付けられています。
写真:四宮 うらら
地図を見る写真は山本橋あたり。ここは住所でいえば品川区大崎。商業ビルやマンションが立ち並ぶエリアですが、川の両岸にソメイヨシノが植えられ、その枝は川面にせり出していて、とってもきれいです。
写真:四宮 うらら
地図を見るさらにいくつもの橋をくぐりながら、桜スポットは続きます。目黒雅叙園付近でUターンして、再びお花見をしながら出発地点まで戻ります。
目黒川沿いには約20種類の桜が植えられているそうです。ソメイヨシノが次々と開花する初期〜満開の時期もきれいですが、花吹雪が舞い、川面に花びらが浮かぶ「花いかだ」と呼ばれる現象が見られる満開後の数日も実に素敵。桜色に染まった水面を船で進んでいくのは、クルージングならではの醍醐味です。
また、ソメイヨシノ開花後、約1週間〜10日経った頃には大崎、五反田の八重桜が見頃に。日に日に暖かさが増すこの季節、次々と桜の表情が異なるのも魅力です。
春の目黒川お花見クルージンをご紹介してきましたが、実はとてもきれいな「冬の桜」を見るクルージングもあります。
これは、目黒川沿いの桜をLEDライトで装飾し、冬に咲誇る桜の並木路を作り出すイベントで、例年11月中旬〜1月初旬に行われます。このイベント期間にも目黒川クルーズが催行されます。
目黒川のお花見クルージング、いかがでしたか?
東京在住の方なら、「あんなに狭くて浅い川でクルーズができるの?」と驚かれた方も少なくないと思います。
潮の満ち引きを考慮して運行されているのですが、鉄橋の下をギリギリの高さで通り抜ける瞬間があったりと、ドキドキも。
船の上ではガイドの方が、まわりの風景について案内してくれます。普段とはまったく異なる、水辺から見る東京の新たな表情が発見できるのも大きな魅力です。
このお花見クルーズは期間限定。毎日催行ではないので、「ジール」ホームページの運行予定をチェックして予約します。
夜桜を楽しむ時間帯の出航もあります。
運航期間:2018年3月24日〜4月15日
2018年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
この記事の関連MEMO
この記事を書いたナビゲーター
四宮 うらら
最も楽しいのが“旅”と“おいしいもの”に関わるお仕事です。仕事やプライベートで出かけた日本全国のあちらこちらから、印象深く、みなさんにぜひ出かけていただきたい場所をセレクトして、ご紹介していきたいと思…
トラベルjpで250社の旅行をまとめて比較!
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索