美しい純白の新館から望む海の絶景!和歌山「南方熊楠記念館」が装い新たにリニューアル

美しい純白の新館から望む海の絶景!和歌山「南方熊楠記念館」が装い新たにリニューアル

更新日:2017/04/03 16:03

和歌山県白浜町の岬に展開する番所山公園内に建つ「南方熊楠記念館」は、戦前期の日本を生きた世界的博物学者・南方熊楠の業績を幅広く紹介する記念館です。生誕150周年となる2017年、記念館は新館を新築して3月19日にリニューアルオープン。丸みのある美しい純白の外観や、3方を太平洋・田辺湾に囲まれた高台から見渡す絶景オーシャンビューの展望デッキなど、装い新たに生まれ変わった記念館の魅力をお届けします。

生物学者・民俗学者・環境保護活動家として活躍した南方熊楠

生物学者・民俗学者・環境保護活動家として活躍した南方熊楠
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和歌山が生んだ知の巨星・南方熊楠(みなかた くまぐす)氏は、戦前日本を代表する世界的博物学者。学者としての活動は菌類や粘菌を生涯にわたり採取した生物学者、柳田國男氏に多大な影響を与えた民俗学者と多岐にわたり、"神社合祀反対運動" を皮切りとした環境保護(エコロジー)の活動家としても知られています。

南紀白浜の岬に展開する "番所山公園" の高台に建つ「南方熊楠記念館」は、南方氏の生涯にわたる業績や所持品を展示する施設として1965年に開館しました。生誕150周年を記念した新館建設のため、記念館は2015年秋から長期休館していましたが、2017年3月19日に新館を携えてリニューアルオープンとなりました。

リニューアルの目玉は、オシャレで美しい純白の新館

リニューアルの目玉は、オシャレで美しい純白の新館
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今回のリニューアルオープンの目玉となるのが、以前からあった本館の手前に新築された新館です。広場手前の階段をのぼるとすぐ目の前に飛び込んでくる純白仕上げの外観、全体的に丸みを帯びた美しいデザインが特徴。地上階をピロティ(半野外空間)に、外壁をガラス張りにすることで、記念館を訪れた人々をやさしく出迎えてくれます。

リニューアルの目玉は、オシャレで美しい純白の新館
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この新館は「千葉市立打瀬小学校」や「宇土市立宇土小学校」など、数々の学校建築での建築賞受賞暦をもつ "シーラカンス アンド アソシエイツ(C+A)" が手掛けた現代建築。丸みを帯びた外観は、南方氏が生涯にわたって研究された "粘菌" をモチーフにしています。

加えて、所々をカーブさせることで番所山の自然の過度な伐採を防ぎ、環境保護活動家であった南方氏への敬意(リスペクト)を表現。ピロティから外を見渡すと番所山の自然が目の前に広がり、建物が自然に寄り添っているのが感じられるのが素晴らしいです。

リニューアルの目玉は、オシャレで美しい純白の新館
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館内に入ると、筒状にくり貫かれた吹き抜けから吊られた緑の巨大ランタンがお出迎え。天井窓からの太陽に照らされながら、上部でボウっと明るくなるランタンはとても幻想的です。館内空間も外観と同じく純白で丸みのあるデザインに。エレベーターが新しく設置されたため、車椅子の方や足腰の弱い方でも安心してご利用いただけます。

常設展示室では南方氏の生涯を時系列的に紹介

常設展示室では南方氏の生涯を時系列的に紹介

提供元:公益財団法人 南方熊楠記念館

http://www.minakatakumagusu-kinenkan.jp/

常設展示室は白さが特徴的だった空間から一変して黒一色の空間に。常設展示では南方氏の幼少期から海外時代、学者としての活動から晩年までを5つのテーマで時系列的に紹介しています。展示物だけでなく実際に粘菌を鑑賞できるコーナーも設けられており、南方氏が生涯にわたって研究した粘菌の世界に触れることができます。

常設展示室では南方氏の生涯を時系列的に紹介
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南方氏の凄さを示す資料は常設展示室以外にもあります。展示室手前の2階小ホールには、南方植物研究所設立の資金集めのために執筆した 長さ約8mにも及ぶ履歴書が展示されています。出生から執筆時にいたるまで詳細に記された約58,000字に及ぶ履歴書は、現在でも "世界最長の履歴書" といわれています。

屋上デッキは太平洋・田辺湾を見渡せる絶景スポット

屋上デッキは太平洋・田辺湾を見渡せる絶景スポット
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館内空間や展示室を見終わった後は、階段をのぼって屋上の展望デッキに行きましょう。既存の本館よりも高い場所に設けられた新館の屋上からは、3方を海に囲まれた岬の高台からの絶景オーシャンビューを望むことができます。南に向けば水平線が果てなく続く太平洋・白浜のシンボル "円月島" を見渡すことができます。

屋上デッキは太平洋・田辺湾を見渡せる絶景スポット
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デッキから北東を見渡すとそこは田辺湾。湾内には南方氏が環境保全運動に尽力し、昭和天皇陛下が南紀行幸を賜られた "神島(かしま)" があり、南方氏は神島近くに停泊したお召し艦 "長門" の中でご進講を行いました。さらに奥には半世となる37年間を過ごした田辺市街地や紀伊の山々が連なり、世界的博物学者が過ごした田辺の風景を一望できるのもポイントです。

新しくなった「南方熊楠記念館」を見にぜひ白浜へ!

生誕150周年の節目としてリニューアルされた「南方熊楠記念館」は、南紀白浜で最もアツいカルチャースポットになること間違いナシです。ぜひこちらの記念館を訪問しに南紀白浜へお越しください。

記念館の観覧料金は大人500円、小・中学生は300円(※2017年3月現在)。公共交通をご利用の場合はJR白浜駅より明光バスで臨海(円月島)バス停下車で徒歩8分です。番所山公園のみならず、付近には「京都大学白浜水族館」や「臨海海水浴場」といったレジャースポットが充実していますので、ぜひそちらもセットでご検討ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/03/19 訪問

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