今日ではバチカン市国で一般の観光客が入場できる場所は、主にサン・ピエトロ大聖堂、サン・ピエトロ広場、バチカン博物館に限られています。しかし、バチカン博物館では「庭園ツアー」を毎日開催しており、ガイド付きであれば庭園の見学をすることが出来ます!
予約の方法は、まずはこのページ下部の”この記事の関連MEMO”のバチカン博物館のホームページにアクセスします。次に、Visit the Museumsのページから入り予約手続きを進めます。ガイドツアーの言語は、英語、イタリア語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、ロシア語から選べます。入場料の決済方法はクレジットカードです。すると、すぐに登録したE-mailアドレス宛に予約確認書が送られて来ますので、当日は予約確認書とパスポートなどの身分証明書を持参し、博物館の窓口に出向きます。庭園ツアーの所要時間は大凡2時間です。
写真:バチカン市国のサン・ピエトロ大聖堂のクーポラにある展望台からは、世界一小さな国家の全体像を360度眺めることが出来ます。
バチカンに庭園の基礎が生まれたのは遥か昔の1279年、当時の教皇ニコラウス3世(在位:1277〜1280年)が居館をラテラーノからバチカンに移動した際に、少しばかりの土地を柵で囲い、噴水を一つ置いたことが始まりです。庭園が本格的に整備され始めたのは1500年代からで、この時代に今日私達が目にするベルヴェデーレの中庭やピウス4世の館(ページ最下部の写真参照)などが次々と造られました。
庭園ツアーは、バチカン博物館の中から出発します。全員が揃うと、公認ガイドさんと共に秘密の扉を通って直接領地内へ出ます!博物館のピナコテカ(絵画館)などの横を通り過ぎて、奥へ奥へと進んで行きます。
庭園内には約100の噴水がありますが、一番最初に出迎えてくれるのは、こちらの大鷲の噴水です。日本とも関係の深いパウルス5世(在位:1605〜1621)が建築家ジョヴァンニ・ヴァサンツィオにデザインをさせたものです。パウルス5世は、支倉常長が率いる慶長遣欧使節らが謁見した教皇として良く知られています。
皆さんは”庭園”と聞くとどんなイメージを持たれますか?バチカン市国の庭園は、一般的に想像する”お庭”のイメージではありません。実際に内部を歩いてみると、見事に丘あり谷ありで、高低差を利用してジョギングなどをして体を鍛える多くの聖職者や在住者の方々とすれ違いました。
特筆すべきポイントは、サン・ピエトロ大聖堂のクーポラがこれ程まで近くに見える場所が他に存在しないことです。大聖堂が面しているサン・ピエトロ広場からでさえも、ここまで綺麗には見ることが出来ないのです!
多肉植物のロックガーデンです。
造園、園芸の世界では、幾何学模様が特徴的な庭園をイタリア式庭園と呼びます。バチカン市国の中では、一部のゾーンでこのイタリア式庭園も見る事が出来ます。ツゲの木などを刈り込んで生垣で模様を作った庭園は緑一色でお花はありません。この周辺ではエメラルドグリーン色のオキナインコという大きなインコをたくさん見ることが出来ます。イタリア式庭園からも大聖堂のクーポラが近くに見えます!
その他には庭園の中には、大きなメタセコイアの木や、東南アジア原産のシナモンの木の一種も植えられていて、樟脳の香りを漂わせています。また、世界各国の代表団からプレゼントされた木々も植栽されています。
庭園ツアーの最後は、ピウス4世の館です。この庭園の宝石とも呼ばれるルネサンス時代の小さなヴィッラは、当初はピウス4世の前代のパウルス4世(在位:1555〜1559年)が、建築家ピーロ・リゴリオに命じて建てさせたものです。別荘の建物は、現在はローマ教皇庁科学アカデミーとなっています。建物は、彫刻やかわいらしいモザイクで覆われています。
今回は、バチカン市国の庭園についてご紹介しました。
日本ではバチカン市国の中に一般人も入場出来ることはほとんど知られていませんが、中心部からアクセスも簡単ですし、ローマ滞在の際には一度は訪れてみたい緑いっぱいの観光スポットです。
庭園ツアーの入場料には、庭園見学イヤホンガイドはもちろんのこと、バチカン博物館入場券(自由見学)が含まれています。ローマでひと時の静寂に包まれてみませんか?
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(2025/2/15更新)
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