都会派登山のメッカ 高尾山で春の動植物に出合う旅へ!

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都会派登山のメッカ 高尾山で春の動植物に出合う旅へ!

都会派登山のメッカ 高尾山で春の動植物に出合う旅へ!

更新日:2017/04/13 14:48

鷹野 圭のプロフィール写真 鷹野 圭 首都圏自然ライター

八王子市の高尾山といえば、東京近郊でありながらも登山客から人気の高いスポットとしてあまりにも有名ですね。手軽にハイキングを楽しめることはもちろんですが、特筆すべきは自然の美しさ。この辺りは国定公園にも指定されており、様々な動物や昆虫、そして山野草の宝庫となっているのです。頂上まで登るだけでも、街中ではない“出合い”がたくさんです。今日は主に「生きもの」の観点から、高尾山の魅力を発掘してみましょう。

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さまざまな生きものが暮らす、東京から一番近い山!

さまざまな生きものが暮らす、東京から一番近い山!

写真:鷹野 圭

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高尾山の標高は599メートル。決して大きくない山で頂上までの道のりは厳しくなく、東京都心部からのアクセスも抜群! 日帰りで、誰でも気軽に登山を楽しめるのがメリットです。その一方で、緑豊かな自然地としても定評があり、深い雑木林に包まれ、足元に目を向ければ春〜秋にかけては様々な山野草が見られます。

標高が低いため、山頂近くまで登っても草木の種類や高さがあまり変わりません。写真のように、どこの登山道でも樹木が葉を茂らせ、厳しい日の光を和らげてくれます。登山と森林浴を同時に楽しめる山……それが高尾山なのです。

さまざまな生きものが暮らす、東京から一番近い山!

写真:鷹野 圭

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高尾山の登山道は一本道ではなく、所々で分岐があります。麓から中腹までは舗装された林道がほとんどですが、以降は薬王院を通過するルートを除くと、写真のように土のむき出しになった登山道(自然研究路と呼ばれています)が多く見られます。高い樹木の根っこが迫り出しているところもあり、歩く際には注意が必要。一方でそれほど急な坂道はなく、十分な装備を整えていれば素人でも十分踏破できる距離ですので、体力に自信があるのならぜひ一度チャレンジしてみましょう。

さまざまな生きものが暮らす、東京から一番近い山!

写真:鷹野 圭

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自然研究路 4号路の途中に架かっているつり橋。高尾山においては唯一のつり橋です。かなり高さがあるので初見時にはギョッとするかもしれませんが、ちゃんと転落防止柵がありますし、橋もしっかりした造りになっていますのでご心配なく(笑)。

この4号路は四方八方を高い樹木に囲まれ、登山道の中でも一際緑の濃いルート。暑くなってくる初夏以降は、木の葉がちょうどよい日よけになって心地よいです。

山登りの最中に遭遇する、美しい昆虫たち

山登りの最中に遭遇する、美しい昆虫たち

写真:鷹野 圭

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国定公園の一角に位置する緑豊かな高尾山は、昆虫たちにとってもパラダイスです。山頂まで深い緑に覆われているため、全域でチョウやカマキリなどに遭遇します。写真はサカハチチョウという、山岳域に見られるタテハチョウの仲間。こうした山であればかなりよく見かけるチョウなのですが、標高の低い都心ではまず遭遇することはありません。

翅の表面に「八(はち)」の形をした黄色い模様があるのが名前の由来なのですが、そこはやはり自然に生きるチョウ、こちらの希望通りには動いてくれません(汗)。花にとまって吸蜜することが多いので、狙ってみましょう。

山登りの最中に遭遇する、美しい昆虫たち

写真:鷹野 圭

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チョウの中には、春の3〜4月にかけてのみ出現するタイプの種がいます。写真のツマキチョウもその一種。一見するとモンシロチョウのように見えますが、前翅の先端が尖っていて黄色くなっており、翅の裏側には斑のような模様があります。かつては日本中の山岳域や里山などで当たり前のように見られましたが、近年は里山環境の減少などに伴ってすっかり数が少なくなってしまいました。

山登りの最中に遭遇する、美しい昆虫たち

写真:鷹野 圭

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山道を歩いていると、時折小さくてとてもきれいな昆虫が足元から飛び上がり、少し離れた先に着陸する……というシーンに遭遇します。正体はこのハンミョウ。タマムシと並ぶ日本トップ級の美しい虫です。肉食性で、アリや小バエなどの小さな昆虫を捕まえて食べます。

ツマキチョウと同様に近年首都圏では減少している昆虫。土を掘って巣を作るため、アスファルト舗装された道路ではまず見られませんが、高尾山のように土のむき出しとなった自然豊かな緑地ではまだたくましく生息しています。近くに水辺のある環境を好みますので、頂上よりも麓の小川が流れる場所などに多いようです。

大小さまざまな動物たちが暮らす、生きものの楽園です

大小さまざまな動物たちが暮らす、生きものの楽園です

写真:鷹野 圭

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木の切り株にやってきたニホントカゲ。こうして日向ぼっこしている姿をよく見かけます。爬虫類の中では比較的よく見る存在ですが、最近都心部では大分数が減ってきている模様。大切に見守りましょう。

それにしても少々太り過ぎですね(汗)。
それだけ高尾山は、エサが豊富ということなのかもしれません。

大小さまざまな動物たちが暮らす、生きものの楽園です

写真:鷹野 圭

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山の中腹、ケーブルカーの高尾山駅付近にある「さる園」では多数のニホンザルが飼育されています。野生のものとは違って非常に大人しく当然人間にも慣れていますので、こうしてリラックスしたシーンを見かけることもしばしば。毛づくろいや居眠りなど、ほのぼのする姿をお楽しみいただけます。

ちなみに高尾山には、野生のサルも生息しています。やや警戒心が強いので、会えたらラッキーくらいに考えておきましょう。

大小さまざまな動物たちが暮らす、生きものの楽園です

写真:鷹野 圭

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おっと、山道にいきなりヘビが現れました。これはヤマカガシといい、田園地帯などでもよく見かけるますが、名前の通り山にも多く生息しているポピュラーなヘビです。毒持ちですが元来おとなしい性格で、変に驚かせない限りは噛み付いたりしないので安心しましょう。

ヘビは肉食動物なので、獲物となる小さな生きものが多い環境でないと生きられません。彼らが見られるということは、やはりそれだけで高尾山の自然度が高いことを証明しているといえます。

足元に目を向ければ、かわいらしい山野草の姿が!

足元に目を向ければ、かわいらしい山野草の姿が!

写真:鷹野 圭

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高尾山は、首都圏でも屈指のスミレの自生地。春、山頂までの林道を歩いているだけでも、道端や木の根元など、其処彼処で開花した株を見かけます。場所によっては群生しているところもあり、小さくてあまり目立たないながらも、やさしく林床を彩ります。平地でもお馴染みのタチツボスミレほか、写真のように平地ではあまりみたい色形の花が見られることも。また、高尾山で発見されたことが名前の由来である「タカオスミレ」というスミレもあります。

足元に目を向ければ、かわいらしい山野草の姿が!

写真:鷹野 圭

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うっそうとした草むらの中に生えるラショウモンカズラ。スミレよりやや小さいくらいの筒状(ラッパ状?)の花が、1つの株にたくさん開花します。高尾山は山頂付近でも中高木が多いため、しっとりとした日陰の環境が多いのが特徴です。そのため、本種をはじめとして日光が足りない場所でも育つ植物が多く、平地の野原などと比べると生えているものがガラリと異なります。

足元に目を向ければ、かわいらしい山野草の姿が!

写真:鷹野 圭

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落ち葉の積もった林床部に、時折こんなキノコのような植物が生えていることがあります。ギンリョウソウといい、実はこれでも立派な種子植物。光合成をしないで地中の菌類から養分を得て生きているため、このように緑色にならないのだとか。

写真の株は5月中旬のもので、そろそろ花期が終わって種ができそうな段階。目玉のようで少々不気味ですが、もう少し早いシーズンであれば美しい蝋細工のような花びらが見られ、神秘的な姿に目を奪われることでしょう。

※やや貴重な植物のため、具体的な場所は明記しておりません。

高尾山山頂は、山好きのための“集い”の広場

高尾山山頂は、山好きのための“集い”の広場

写真:鷹野 圭

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高尾山の山頂は大きな広場となっており、ビジターセンターあり、飲食店あり……休憩できるスポットが数多くあります。また、麓から山頂へと続くルートが複数本あり、上りと下りで別の道を歩くことが可能です。そう考えると、山頂広場は高尾山散策の中継点のような存在と言えるかもしれません。ここでゆっくりと身体を休め、リフレッシュしてから下山しましょう。

高尾山山頂は、山好きのための“集い”の広場

写真:鷹野 圭

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山頂には展望を楽しめるスポットがいくつかあり、東には東京タワーや新宿新都心、スカイツリーなどの市街地が見えます。逆に西側の展望広場からは、石砂山や陣馬山などのさらに奥地の山々が見られます。高尾山からそちらの山々に続くルートもあるのですが、ここまでの登山道と比べてかなり過酷な山道になるため、行くのであれば準備を怠らないようにしましょう。

高尾山山頂は、山好きのための“集い”の広場

写真:鷹野 圭

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高尾山山頂にはいくつかのお食事処があり、小休止はもちろん、がっつり食事をとるのにもピッタリです。写真は食事処の1つ 曙亭でいただける山菜蕎麦と山菜の盛り合わせ。お手頃価格で山らしい味覚をお楽しみいただけます。

ぜひ、早朝からたっぷりと時間を設けて山登りを!

高尾山は関東圏においても決してそこまで大きな山ではありません。登山ルートも、所々険しかったり歩きにくかったりするところもありますが、登頂&下山するだけならそれほど苦労することはないですし、時間もかからないでしょう。

だからこそ、散策しながらぜひ細部まで目を向けていただきたい。

山道で足元に目を向ければ、木々の隙間から山野草が顔を出し、昆虫や小動物の姿もあちこちに……でも、そうした小さな命の息吹って、落ち着いてじっくり目を凝らさないとなかなか見つからないものです。「東京から近い」「気軽に歩ける山」というのも確かに高尾山のメリットではありますが、あと少し時間をかけて、注意して方々に目を向けてみると、ガイドブックだけではなかなか気づかない新しい魅力が色々と見つかります。


【アクセス(登山口まで)】
京王電鉄高尾線「高尾山口駅」より徒歩7分

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/05/08 訪問

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