写真:沢木 慎太郎
地図を見る外国人観光客にも人気の観光スポット、京都の嵐山。渡月橋を越えた嵯峨野よりも、ずっと奥に、奥嵯峨野があります。嵯峨野の「竹林の道」を過ぎ、嵐山から3キロほど奥に入ったところにある最初の念仏寺が、「化野念仏寺(あだしのねんぶつじ)」。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る紅葉シーズンでも早い時間帯や夕方では、訪れる人は少なく、ひっそりした古都の静けさに浸ることができます。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る祇園や東山、河原町といった、華やかな雰囲気とは違い、静寂に満ちた奥嵯峨野。平安時代から無数の石仏や石塔が並ぶ小さなお寺が「化野念仏寺」です。ここは、紅葉の穴場スポット。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る「あだし」には、“はかない”“むなしい”という意味があります。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る奥嵯峨野は遠い昔、京都の風葬地でした。生活の余裕はなく、お墓を建てることができない庶民が、愛する人の永遠の別れを悲しんだ場所です。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る野ざらしになっていた亡骸を憐れんで、化野の地にお寺を建てたのが、平安時代の僧侶、空海です。化野念仏寺にある約8000体の石仏や石塔。これらは、かつて化野で亡くなった人たちのお墓です。
写真:沢木 慎太郎
地図を見るいちめんの石仏や石塔。真ん中には、釈迦坐像と十三重の石塔が置かれています。化野の「化」とは、再びこの世に生まれ変わることや、極楽浄土に往生する願いが込められています。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る西行も吉田兼好も、「あだし野の露」に、人生や愛の無常さを感じました。しかし、「人生も人の心も、無常だからこそ良いのだ」と、いにしえの日本の歌人たちは思います。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る紅葉の時期はひと際美しく、静寂に満ちた世界。数千体の無縁仏にロウソクを灯して供養する「千灯供養」(8月23日、24日午後6時〜)が行われますが、秋の美しさと同じように、千灯供養も幽玄の美しさがあります。
【化野念仏寺】
■アクセス/京都バス「鳥居本バス停」(京都駅から72号系統、三条京阪から62号系統)
■拝観時間/9時〜16時30分(季節によって変動あり)
写真:沢木 慎太郎
地図を見る続いて、もう一つの念仏寺は、「愛宕念仏寺(おたぎねんぶつじ)」。「化野念仏寺」から緩やかな坂道を600メートルほど進んだ場所にあります。「平野屋」という茶店がある三差路を右へ進み、「愛宕寺前(おたぎでらまえ)」のバス停前に、赤い門が見えます。ここが「愛宕念仏寺」。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る「愛宕念仏寺」があるのは、奥嵯峨野の最深部。ここまで訪れる人は少なく、このお寺も紅葉の穴場スポットです。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る山の斜面に沿ったお寺には、ユニークなお顔の石仏がぎっしり。そのお顔は安らかで微笑ましく、楽しい気分になることができます。約1200体の石仏。一つひとつの表情やポーズがそれぞれ違っています。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る「ふれ愛観音堂」(写真)のまわりも、たくさんの石仏。紅葉も味わい深く、古都らしい風情が感じられます。ふれ愛観音さまは、手に触れることで、身体も心の痛みも和らげてくれる仏さま。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る「愛宕念仏寺」の創建は8世紀。洪水などで長い間、廃寺となっていました。その後、昭和時代に復興することに。阿羅漢 (あらかん)像を彫って奉納することを呼びかけたところ、なんと1200人もの方々が自らの手で阿羅漢さんを彫ることに。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る一般の方々が心を込めて彫った阿羅漢さまは自由でのびのび。石の阿羅漢さまの頭に散り紅葉がつもり、ほっくりした気持ちになることができます。人生や愛には終わりがあるから、いつまでも幸せに微笑んでいたいのでしょう。
【愛宕念仏寺】
■アクセス/京都バス「愛宕念寺前」(阪急嵐山駅発、JR京都駅発、三条京阪発など)
■拝観時間/8時〜17時
匂い立つような美しい花も、やがては散ってしまう。空を流れゆく雲も、波の形も海の色も、ずっと同じ姿のままではない。そんな無常を感じた時、自然や古都の静けさに出会いに、奥嵯峨野の2つの念仏寺を訪ねてみてはいかがでしょうか?
なお、嵐山・嵯峨野周辺の観光スポットや京都の紅葉名所については別途、記事にまとめていますので、ご興味のある方は関連MEMOに貼り付けたリンクからのぞいてみて下さい。
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(2024/9/16更新)
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