世界遺産に登録されているマラッカ。王国が建国されてから、およそ600年。ポルトガル・オランダ・イギリス・旧日本軍の占領時代の影響を受けつつ、独特なプラナカン文化が形成されました。
「プラナカン」とは、マレー語で「ここで生まれた」を意味し、15世紀に中国からマレー半島に移住した中国人の子孫。現地で暮らす女性と結婚し、誕生した男性をババ、女性をニョニャと呼びます。
彼らは、英語、マレー語など複数の言語を使いこなし、主に交易を生業とし経済的に大成功を収めました。
経済の自立は、文化の自立を招き、独特のプラナカンと呼ばれる文化を残したのでしょう。
豪華絢爛などの形容詞とともに紹介されていますが、決して華美でなく「洗練された貴高さ」と「魅惑な余韻」を感じ、異質の魅力に浸れるのではないでしょうか。
それでは、プラナカンの数々をご紹介します。
型とデザインは、中国式、しかし、パステルカラーの色使いが、プラナンカ食器。印象は、フランスの女性画家マリーローランサンの作品を思い浮かべます。女性好みの色彩。
何故、女性好みかを考えると、プラナカン人は、女の人が家の中ではいちばん強かったからです。食事などで頻繁に扱う食器などを女性好みにつくりあげたのでしょう。何と、ユニークな文化でしょうか。
「かわいい」の形容詞が似合います。ピンク・イエロー・グリーンを中心にパステル調。縁起が良いとされる「牡丹」や女性の象徴である「鳳凰」などのモチーフ。
アンティーク物は、品質が素晴らしく、値段も高いのでしっかりした店を構えている骨董店等で購入することをお勧めします。
プラナカン食器は、色彩鮮やかで自己主張が強い。
渋めの日本急須・茶碗・皿等とマッチングさせると、お互いが引き立ち、独特の装飾感覚を味わうことが出来ます。
プラナカンの女性達が愛用する、繊細な女性用のシャツとサンダル。
職人熟練のシャツの刺繍は、その美しさから「着る宝石」とも称されています。手首につけた高価なブレスレッドが見えるように袖丈は短め。
サンダルは、ひとつひとつのビーズを手で縫い付け、ビーズの色で模様を描く。非常に手間のかかる手仕事で、マレーシアが誇る伝統工芸品。ジョンカーストリートでは、作る過程を見せながらこのサンダルを販売している店を見つけることが出来るでしょう。
ここで紹介するのは、日本で購入するよりも、「安価で購入」ができ、「品数が豊富」である商品を紹介します。
骨董品を扱う店が多いマラッカ。おススメは、プラナカンスタイルの「タイル」。多くの骨董店で扱っており、種類も豊富です。用途は、額に納めて飾る、新築等の際、壁や床に埋め込む、インテリアの一部等様々な用途が考えられます。規格は、およそ15pの正方形。品質が良いものでは、1枚8千円程度。
次に紹介するのは、「ピューター商品」。
マレーシアはかつて世界最大の錫産出国でした。錫を使ったピューターは、マレーシアの特産品として定着しています。加工技術も優れており、品の良いデザインが魅力でしょう。
次に紹介するのは、置いてあるだけで部屋の雰囲気を変える、プラナカン食器。土産屋さんで扱っている商品も手書きが多く、それなりの値段です。これでも十分かもしれませんが、もう少し奮発し、骨董のプラナンカ食器をお勧めします。漂う高貴さが違います。
その中には、日本から持ち込まれた焼き物もあり、改めて日本の良さを実感できるでしょう。
ニョニャ料理は、母から娘へと、それぞれの家で代々受け継がれてきた家庭料理。中華料理とマレー料理がミックスして生まれた料理です。見た目は中華料理ですが、香辛料を使ったスパイシーな料理が代表的です。
時代を経てレストランなどで食べる事が出来るようになりました。メニューは多岐に渡り、香辛料の辛さの中にある美味しさが、堪能できます。
カラフルな色を使うニョニャ料理。ココナッツライスのご飯は、着色料を使ったような青色をしており、初めて見た人は、、「あっ」と思うでしょう。しかし、この色は、天然染料である「マメ科の紫色の花びら」を使いっています。ちょっと気に留めると、あちこちで「紫の花」を見ることが出来ます。花を見た後、「青いご飯」を頂くと一味違った趣があるでしょう。
「ニョニャ・クエ」は、伝統的なお菓子。ココナッツ・もち米・パームシュガー・パンダンリーフ等の南国の作物が使われます。
プラナカン菓子は、鮮やかな色合いが特徴で日本では考えられないような色が使われていますが、その色合いは、南国の草花から取られた天然の色素を使っています。
青いご飯と同様に「食の安全」に対する姿勢を感じとれるでしょう。
異国への旅。何を「見て」「触れて」「食べて」も、日本とは、一味違います。観光地巡りの際、一つのものにこだわると、見た光景や食事、体験などが、ぐっと自分に引き寄ってくるでしょう。
例えば、今回紹介した「骨董のプラナカン食器」からは、当時のマラッカの人々の暮らし、経済状況まで見えてきます。決して、観光がおろそかになることはありません。
何か一つこだわり、その地を観光することをお勧めします。
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