桜と奇勝の渓谷を同時に堪能!松山市「湧ヶ淵」

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桜と奇勝の渓谷を同時に堪能!松山市「湧ヶ淵」

桜と奇勝の渓谷を同時に堪能!松山市「湧ヶ淵」

更新日:2017/03/31 17:19

春野 公比呂のプロフィール写真 春野 公比呂 歴史研究家、郷土文筆家、郷土登山家

愛媛県松山市の四国霊場・石手寺の宝物館には、藩政時代初期に退治された体長10mをはるかに超える大蛇の下アゴ骨の一部が奉納されています。その大蛇が棲息していたのが、石手川上流の奥道後の湧ヶ淵なのです。ここは四国一の渓谷・面河渓の関門を彷彿させる峡谷となっているのですが、断崖に素掘りの水路隧道が貫け、滝となる奇勝もあります。周辺には約3万本の桜が咲き、奥道後温泉郷では花見料理をいただくこともできます。

ヤマザクラと展望の湧ヶ渕自然公園

ヤマザクラと展望の湧ヶ渕自然公園

写真:春野 公比呂

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湧ヶ淵(わきがふち)沿いに咲く桜は大半がソメイヨシノですが、淵北方の「湧ヶ渕自然公園(湧ヶ淵公園)」には、多くのヤマザクラが咲きます。この自然公園は昭和43〜49年度にかけて、29ヘクタールの市有林を整備したもので、約180種の自生植物に加え、4.8kmの遊歩道沿いにヤマザクラの他、ヤマツツジ、ツバキ、ヤマモモ等、40種、約1万本が植樹されています。

ヤマザクラと展望の湧ヶ渕自然公園

写真:春野 公比呂

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この自然公園のヤマザクラは、麓のソメイヨシノより若干開花期が早いので、ソメイヨシノの満開時には、散り始めているものも見られます。

ヤマザクラと展望の湧ヶ渕自然公園

写真:春野 公比呂

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自然公園内には舗装された遊歩道(一般車両通行禁止の車道)が4.8kmあり、山頂の湧ヶ渕公園展望台まで通じています。この道沿いにヤマザクラやヤマツツジが植樹されているのですが、本来、開花期が桜より遅いヤマツツジが何本か咲いていることもあります。

二つの展望所

二つの展望所

写真:春野 公比呂

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展望台からは正面に、かつて奥道後温泉からロープウェイが通じていた杉立山を望むことができます。写真のように、ロープウェイ沿いの斜面もソメイヨシノで埋まっています。

二つの展望所

写真:春野 公比呂

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展望台からは松山市街地も遠望することができますが、四国最大の都市だけに、クッキリと見渡せるケースはあまり多くありません。

二つの展望所

写真:春野 公比呂

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展望台からは尾根道が整備されており、中世の奥之城跡のある城山(じょうのやま・419.9m)まで縦走することができます。本丸跡の山頂には、城主・河野六郎通存(みちまさ)を祀る奥之城神社が建ち、直下の貯水槽からは勝岡山方面の展望が望めます。

桜に包まれて

桜に包まれて

写真:春野 公比呂

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城山からは鉄塔北東の三差路まで戻り、鉄塔巡視路を辿って国道へ下り、湧ヶ淵の渓谷遊歩道入口のある奥道後温泉郷へと向かいます。温泉郷周辺からも、杉立山のロープウェイ跡斜面に咲き誇る桜を望むことができます。

桜に包まれて

写真:春野 公比呂

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温泉郷周囲はソメイヨシノで埋め尽くされており、その桜越しに石手川沿いの山の桜を写すと、ちょっと変わったアングルに。奥道後は昔、「湯山七湯」と呼ばれ、各所に温泉が湧いていましたが、昭和39年、170万平方メートルが開発されて「松山の奥座敷」奥道後温泉郷となったのです。

桜に包まれて

写真:春野 公比呂

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石手川沿いの桜は、道のやや下に咲いていますが、撮影するにはいい距離かもしれません。その道の終点には廃止されたロープウェイがありますが、花見料理会場のある広場にはかつて各種施設があり、「奥道後遊園地」と呼ばれており、“西の金閣”こと「錦晴殿」なるものもありました。今は案内板等の写真で偲ぶことしかできません。

本当にここは松山か!?

本当にここは松山か!?

写真:春野 公比呂

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園内の道標から階段を上り、渓谷遊歩道を歩いて行きます。途中の祠のある分岐から下って行った先には、目を疑う光景が・・・。いきなり轟音が轟き、岩門の如く切り立った両岸が現れ、激流が連続する甌穴群を削るように流れているのです。

本当にここは松山か!?

写真:春野 公比呂

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甌穴群のある反対側の岩盤には巨大な水路隧道が開口し、不動滝が勢いよく、落下しています。まさにこれは自然と人工物が融合した奇勝。この滝が流れ出る隧道内を遊歩道が通っているのです。但し、上流のダムの放流時は通行禁止措置が取られます。

本当にここは松山か!?

写真:春野 公比呂

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隧道へは見返り橋を渡って行きますが、対岸の遊歩道は断崖を走っています。

隧道を抜けて滝の天辺へ

隧道を抜けて滝の天辺へ

写真:春野 公比呂

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この隧道は内部に遊歩道を通しているだけあり、普通の水路隧道より一回り大きく、全長もそこそこ長い割に、懐中電灯なしでも何とか歩くことができます。

隧道を抜けて滝の天辺へ

写真:春野 公比呂

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隧道出口は滝の天辺でもあり、そのすぐ側から滝を見下ろすことができます。

隧道を抜けて滝の天辺へ

写真:春野 公比呂

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元々の渓谷が写真奥の流れで、不動滝の落下している箇所がかなり深く、広い淵となっているので、ここに大蛇が棲んでいたのでしょう。その大蛇は雌雄二匹で、雄の方は石手寺住職に宝剣で退治され、雌の方は菊ヶ森城主三好長門守秀吉の長男、蔵人三郎秀勝に鉄砲で退治されたと、寺の縁起や「三好家記」等に記されています。

「静けさ」こそ、最高の贅沢

奥道後温泉には西日本最大級、浴槽の敷地面積約1,508平米の大露天風呂やジャングル風呂、寝湯等、多種多様な風呂があります。また「奥道後劇場」ではイケメン俳優による時代劇等も楽しめます。

花ではツツジも30万株、アジサイは8万株植栽されている他、長い藤棚や紫陽花、しゃくなげも咲き、夏は館内でさつき展、秋は菊花展と紅葉、早春はツバキに彩られる等、年間を通して花々を楽しむことができます。

それに比べて渓谷遊歩道は、東方の複数の入口が封鎖され、錦晴殿跡北方の崩落した遊歩道橋も復旧されないため、回遊ができず、整備もあまり行われておらず、花見シーズンでも閑散とした状態。が、逆にその「静けさ」が峡谷の総合的景観を引き立てることになるでしょう。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/04/02 訪問

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