写真:鮎川 キオラ
地図を見る日本の暮らしに寄り添ってきた藍染。藍染には、抗菌力、保湿効果、防虫効果など効能に優れていることから、武士の間では「勝利の色」として重宝されたそうです。一説ではマムシを寄せつけない効果もあるのだとか。藍とは、なんとも神秘的な染料ですね。
阿波の国(現徳島)の藍が特産物として最も盛んになったのは、江戸時代。藍大尽と呼ばれる富豪を生み出すほど繁盛したそうです。今でも徳島でつくられる藍は「阿波藍」と呼ばれ、美しい色合いに定評があります。
今話題の「藍」の世界について、日本一の産地・徳島で藍染の世界をのぞいてみませんか。
写真:鮎川 キオラ
地図を見る徳島県内には、専門家の指導のもと藍染体験ができる工房がいくつもあります。今回は徳島市藍染工芸館のハンカチ染めをご紹介します。ハンカチ染は、藍染体験初心者におすすめです。所要時間は40分から1時間ほど。取り扱いも簡単で素敵に染め上げることができます。
まずは、デザインを決定。輪ゴムで絞った箇所が白くなります。想像力を働かせて、自分好みの模様を考えてみましょう。参考となるデザイン例もあるので、迷ってしまったらそれにならって輪ゴム止めをするのもいいでしょう。
写真:鮎川 キオラ
地図を見る輪ゴム止めした形はひとそれぞれ。実際にどんな模様になるかは、染めてみてからのお楽しみ。何通りもの模様があり、その日の気候や温度で発色が異なる自然の染料だからこそ、世界にたった一つだけでオリジナルハンカチをつくることができます。
写真:鮎川 キオラ
地図を見る染液に真っ白なハンカチを浸し、染めていきます。藍は、空気に触れることにより青色に発色します。染液に約1分ほど浸し、揉みこみ、一度上にあげて空気に触れさせまた浸すを繰り返します。
藍はとっても繊細でまるで生きもののよう。藍染の原料となる藍はダテ科の一年草。徳島の藍染は、阿波藍の葉を細かく切り、乾燥させてから水をうち発酵させて「スクモ」をつくります。スクモに灰汁や糖分などに溶かし染液をつくります。染液は、工房ごとに独自の配合で灰汁や糖を溶かして作られているため、染め上げ後の色合いは工房によって異なるそうです。
写真:鮎川 キオラ
地図を見る藍染は、染液に浸ける毎にだんだんと色が濃くなっていきます。その色合いは「かめのぞき」「水色」「あかぎ」「藍色」「群青色」と色の呼び名が変わります。本格的な濃紺にするまでには、約50回以上繰り返すそうです。
体験では、5回〜6回ほど浸します。おもしろいことに季節によっても同じ回数浸した時の発色は異なるそうです。
写真:鮎川 キオラ
地図を見る染色体験の工程をすべて終えて、輪ゴムを外す時はドキドキワクワクです。味わい深い模様が浮かびあがります。絞り染はひとつとして同じ模様にならないのが魅力ですね。
染めたハンカチは、旅の思い出に当日お持ち帰りいただけます。武士の間で「勝利の色」として重宝された藍染。藍染のハンカチをバックに入れて持ち歩けば縁起がよさそうですね。
写真:鮎川 キオラ
地図を見る藍は、染料としてだけでなく薬用としても古くから人々の暮らしに寄り添ってきたそうです。「藍職人は病気知らず」と言い伝えられるほど、その栄養価と機能性は高いのだとか。最近では生活習慣病に効果があるスーパーフードとして注目されているそうです。
徳島では、食用藍を使用したハーブティーやビスコッティーなどがお土産として販売されています。食用としての藍の世界ものぞいてみましょう。
※写真のハーブティーは徳島空港内のお店で取り扱いがございます。
徳島県内の藍染工房では、ハンカチだけでなく、スカーフやTシャツなどの染物持ち込みOKのところもあります。自ら染めた小物は愛着も深まります。手軽に楽しめて、思い出にもなる藍染体験はおすすめです。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて注目が集まる日本の伝統色でもある藍色。「藍」の世界をのぞきに、日本一の藍の産地・徳島県を訪れてみてはいかがでしょうか。
この記事を書いたナビゲーター
鮎川 キオラ
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