「職人の聖地」田原本町(奈良)で仕事と趣味の技能向上祈願

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「職人の聖地」田原本町(奈良)で仕事と趣味の技能向上祈願

「職人の聖地」田原本町(奈良)で仕事と趣味の技能向上祈願

更新日:2017/03/29 17:02

岡本 真紀のプロフィール写真 岡本 真紀

田原本町は、古事記ゆかりの土地。というのも、古事記を編纂した太安万侶の誕生地で、各豪族がこの町に建立した古事記の神々を祀った寺社が沢山存在する場所だからです。その中でも、日本が誇れる製造技術のルーツとなる場所が複数あり、「職人の聖地」あるいは「技術者のパワースポット」として注目されています。
今回は、技能向上を目指す方必見のパワースポットを紹介します。

弥生時代のエリート職人がいた場所(唐古・鍵遺跡)

弥生時代のエリート職人がいた場所(唐古・鍵遺跡)

写真:岡本 真紀

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田原本町の唐古・鍵地域の溜池にそびえ立つ独特デザインの木製楼閣。楼閣の上部には、鳥の形状と渦巻型の装飾が付いています。この楼閣は弥生時代の祭祀に使用されたもので、当時の発掘物をもとに復元されています。

この唐古・鍵地域では、当時の土器だけでなく青銅の鋳物の石型や鉄を溶かした炉の跡が発掘されていることから、すでに金物製品を製造する設備があり、多くの職人がいたことがわかります。特に、神仏への祈祷に必要な物を作るエリート職人が仕事をしていた地域なので、「職人の聖地」と言えるでしょう。

弥生時代のエリート職人がいた場所(唐古・鍵遺跡)

写真:岡本 真紀

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田原本町は奈良盆地の中央部に位置しており、四方を見渡すと北東が若草山、南東側には古事記で有名な天香久山、そして北西側に生駒山、南西側に葛城山見えます。特に、東側に流れる奈良の大きな河川大和川が流れているので、農耕文化だけでなく工業も古代から発展してきた地域です。盆地特有の安定した気候で大雨も少ないことから、遺跡近くに作られた広い公園で歴史探訪を兼ねたピクニックはおススメです。

近鉄橿原線石見駅から徒歩30分

鏡製造の神が鎮座する職人の聖地(鏡作坐天照御魂神社)

鏡製造の神が鎮座する職人の聖地(鏡作坐天照御魂神社)

写真:岡本 真紀

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天照大御神が岩戸に隠れた時に、石凝姥命が自ら作った八咫鏡で岩戸の中の天照大御神の姿を映し出し、岩戸から誘い出したという古事記の神話があります。この石凝姥命が鎮座しているのが鏡作神社。
ここが鏡製造技術の発祥の地となり、鏡・ガラスを製造する有名企業が技術向上の祈願に訪れ、各企業の玉垣が奉納されています。また、鏡を使用する技術者の美容業界、化粧品業界の守神としても祀られています。

鏡製造の神が鎮座する職人の聖地(鏡作坐天照御魂神社)

写真:岡本 真紀

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守神石凝姥命は女神で、女神の作る鏡は美しさを象徴。その理由から女性の良縁祈願にもご利益があります。
拝殿横では、唐古・鍵遺跡からも出土された勾玉形のお守りを引くことができます。箱から袋を選ぶと、黄色、桃色、水色、緑色の何れかの勾玉が入っており、お金、恋愛、健康などの縁を引き寄せてくれます。女神の神社で、この土地特有のお守りをゲットするのもおススメです。

鏡製造の神が鎮座する職人の聖地(鏡作坐天照御魂神社)

写真:岡本 真紀

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鏡製造技術については、唐古・鍵古墳での発掘結果から、溶かした鉄を流込んで成型する鋳造は、弥生時代から始められていることがわかっています。祈祷にも使われた鏡の製造は、鏡作部と呼ばれる技術集団が携わり、鏡の表面を輝くように研磨する工程は、この地で鏡作部によって技術が磨かれました。

鏡作部が使用したとされる研磨石が境内に祀られており、その背景には作業に使われた鏡池があります。この古代の道具も今の日本の製造業界が技術進歩のきっかけとなった重要な証となる貴重なもの。じっくり見学してみて下さい。

近鉄橿原線石見駅から徒歩15分

石凝姥命の父である研磨職人の神が鎮座(鏡作麻気神社)

石凝姥命の父である研磨職人の神が鎮座(鏡作麻気神社)

写真:岡本 真紀

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鏡作坐天照御魂神社から約200m東へ歩くと、鏡作麻気神社があります。この神社の守神は、石凝姥命の父である天糠戸命。天糠戸命は、鏡製造工程で板状になった鉄を磨く研磨に携わっていた神です。
拝殿内には立派な絵馬が飾られていて、古代から現在にかけて大事に守られてきた拝殿であることがわかります。拝殿は普段でも覗けるようになっています。

石凝姥命の父である研磨職人の神が鎮座(鏡作麻気神社)

写真:岡本 真紀

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鏡作坐天照御魂神社と同様に、この神社にも鏡池があります。水は鋳造、鍛造、研磨などの金属加工のどの工程でも必要です。この池も古代からの鏡製造の一つの設備で、職人のいた聖地です。

平安時代からの公の神社として認定(鏡作伊多神社)

平安時代からの公の神社として認定(鏡作伊多神社)

写真:岡本 真紀

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守り神は、鏡作坐天照御魂神社と同じく石凝姥命。「伊多」の語源は「板」からきており、鏡作りの鉄を板状に延ばすために鍛える、鍛造の神様が祀られています。

平安時代からの公の神社として認定(鏡作伊多神社)

写真:岡本 真紀

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鏡作伊多神社は、平安時代に編纂された律令集の延喜式で内社(官社)として指定された神社の一つ。古くから重要とされた神社であります。鏡作坐天照御魂神社と比べると規模の小さい神社ですが、昔から官社として認定された職人のための神社です。

近鉄橿原線田原本駅、もしくは近鉄田原本線西田原本駅から徒歩20分

鏡作坐天照御魂神社の分社(石見鏡作神社)

鏡作坐天照御魂神社の分社(石見鏡作神社)

写真:岡本 真紀

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こちらの神社も鏡作伊多神社と同様に氏神は石凝姥命。特に、溶かした鉄を石型に流し込んで成型する鋳造技術の神が祀られています。
この神社は、古代からの条里制(土地区画制)の森に位置していますので、整備されたとてもわかり易い場所にあります。職人の神様が鎮座するだけでなく、古代の森からもパワーがもらえる場所です。

近鉄橿原線石見駅から徒歩5分

技術向上を目指す人が集まった町

田原本町には、今でも場所に根付いた金物製造業や鋳造工場が沢山あります。昔ながらの職人の町に近代化した工場はなく、金属を加工する騒々しい音が聞こえ、工場奥では溶接の火花の光と人が作業する影が見えます。
まさに、職人の町。そして、古代から続く「メイド イン ジャパン」の製品が生まれる町。職人達は、ここに祀られる守り神を頼りにして、今の日本の技術が育っています。仕事あるいは趣味で技能向上を目指される方は、この「職人の聖地」を巡ってみてはいかがでしょうか。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/03/25 訪問

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