境内の閻魔堂には、こんにゃくの山があります。これは、参詣者が眼病治癒を願うお供え物。江戸時代中期の宝暦年代(1751年〜1764年)頃、閻魔大王に眼病治癒を祈願した老婆が、閻魔大王の片目をもらい眼病治癒、それ以降閻魔大王の右目が盲目になったという言い伝えによるものです。老婆は感謝のしるしとして好物のこんにゃくを供えました。閻魔大王像の右目は割れて濁っています。
このことから、今日に至るまで眼病治癒の「こんにゃくえんま」として信仰され続けています。
こんにゃくは境内では販売していませんから、近くのスーパーやコンビニで購入していきましょう。
源覚寺の創建は、江戸時代初期の寛永元年(1624年)で、ご本尊は阿弥陀三尊。夏目漱石の『こころ』、樋口一葉の『にごりえ』、落語の噺にも登場している「こんにゃくえんま」の通称の方が有名です。閻魔大王像は、鎌倉時代の運慶派の仏師作とされ、文京区指定有形文化財。閻魔様は、亡くなった人の生前の罪業を裁断する十王の一人ですが、地蔵菩薩の化身として各地で信仰されています。
境内には、小石川七福神の毘沙門天が祀られており、七月には、ほおずき市が催され、近隣の伝通院の朝顔市と並び称されています。
閻魔堂の横に、塩地蔵があります。このお地蔵さまの体に、塩を自分の病気のある部分につけると、病気治癒にご利益があると信仰されています。このため、2体で1組のお地蔵様ですが、あらゆる病気の治癒を願ってつけられた塩で、お地蔵様は真っ白。元のお姿が分からないほどで、特に歯痛にご利益あると言われているそうです。「塩」のつながりから、お相撲さんの参詣が多いようです。塩も境内では販売してませんから、購入してからお参りしましょう。
眼病だけでなく、いろいろな病にご利益がある病気治癒のパワースポットです。
源覚寺の釣り鐘は、よく見ると表面に弾痕跡や擦り傷がたくさんあります。元禄時代に鋳造されましたが、昭和12年(1937年)に当時日本領のサイパンの南洋寺に送られました。
太平洋戦争中に戦場となったサイパンで傷跡がつき、行方不明に。その後、アメリカのテキサスで発見され、昭和49年(1974年)に戻ってきました。今では「汎太平洋の鐘」として平和のシンボルとなっています。
釣り鐘の前には、南洋群島物故者慰霊の菩薩像があり、太平洋戦争でサイパンなど南洋群島の犠牲者を追悼。菩薩像の足元には、南洋の海を象徴するたくさんの貝殻が置かれています。
源覚寺「こんにゃくえんま」は、東京ドームに近く、足をのばせば、小石川後楽園もすぐです。
江戸時代と同じように、眼を酷使する現代においても眼病治癒は切実な願いです。境内には、太平洋戦争に巻き込まれた釣り鐘「汎太平洋の鐘」もあり、平和のシンボルとなっています。
広い境内ではありませんが、いろいろと歴史・伝承を感じることができるお寺ですから、訪れてみましょう。
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(2024/4/20更新)
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