1メートル超の花房が薫る・静岡磐田「熊野の長藤」は幽雅な世界

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1メートル超の花房が薫る・静岡磐田「熊野の長藤」は幽雅な世界

1メートル超の花房が薫る・静岡磐田「熊野の長藤」は幽雅な世界

更新日:2017/04/18 10:57

麻生 のりこのプロフィール写真 麻生 のりこ 元観光バスガイド、マンホールの蓋愛好家

どこか東洋的なイメージを持つ藤の花。近年ではその優美さや樹勢を活かした藤棚が全国各地で大人気です。とりわけ長藤は観る者の心を惹きつけ、雅やかな世界へ誘ってくれるかのよう。

今回紹介する静岡県磐田市の「熊野の長藤」もその1つ。花見時の花房の長さは、なんと1メートル以上にも! 樹齢800年超と言われ、国の天然記念物に指定されています。平清盛の三男・宗盛の寵愛を受けた熊野御前ゆかりの長藤です。

いにしえの時代から愛されてきた「熊野の長藤」とは

いにしえの時代から愛されてきた「熊野の長藤」とは

写真:麻生 のりこ

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静岡県西部を流れる天竜川。その下流左岸、磐田市池田にひっそりと佇んでいる行興寺は、年に一度華やぎます。それは4月下旬から5月上旬にかけて。境内に植えられた長藤が開花し、多くの花見客で賑わいます。
この長藤は「熊野(ゆや)の長藤」と呼ばれ、平安時代末期に平宗盛の寵愛を受けた美女・熊野(ゆや)御前の手により、この地に植えらたとされています。

いにしえの時代から愛されてきた「熊野の長藤」とは

写真:麻生 のりこ

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池田荘の荘司を父に持つ熊野御前は、その美しさなどを平宗盛に見初められ彼に仕えて都に上がりましたが、故郷に残した病身の母を思い帰郷。その後は母に孝養を尽くし、母の死後この地に草庵を結び、十一面観音像を信仰して余生を送りました。
「藤の花をこよなく愛した彼女のお手植えの藤」と伝えられるのが、境内の北西にある「熊野の長藤」です。境内には熊野御前と母の墓が。彼女の命日と言われる5月3日には、毎年供養祭が行われます。

光り射す長藤のシャワー

光り射す長藤のシャワー

写真:麻生 のりこ

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樹齢およそ800年以上(推定樹齢850年)と言われているこの長藤の魅力は、なんといってもその花房の長さでしょう。開花後の花房は日を追うごとにどんどん伸び、満開の頃には1メートル以上に。
地元の方によると「60年ほど前は垂れ下がった花房の長さが膝丈くらいまで伸びて、子ども達がかくれんぼ遊びをしていた」とのこと。その頃と比べれば樹勢は衰えてきましたが、平成27年(2015年)には、なんと1メートル89センチを記録! 今年はどのくらいまで伸びるのか楽しみですね。

光り射す長藤のシャワー

写真:麻生 のりこ

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行興寺の境内には国指定樹のほかに、静岡県の天然記念物の指定樹が5本あります。県指定樹の樹齢はおよそ300年以上とも。根元に石碑が建っている株を中心に、今を盛りと境内に甘い香りを漂わせています。
長藤のシャワーを浴びながら、遠い昔に思いを馳せてはいかがでしょうか。

光り射す長藤のシャワー

写真:麻生 のりこ

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この長藤は花が咲き終わってから葉が繁るという性質を持っています。そのため花見時には葉に邪魔をされず、美しい花房を堪能できると好評です。
風が吹けば無数の花房が揺れ、藤棚の下がより幽雅な景色に。甘い香りに包まれた薄紫色の空間に、酔いしれてしまいそうですね。

隣接する「豊田熊野記念公園」も薄紫色に!

隣接する「豊田熊野記念公園」も薄紫色に!

写真:麻生 のりこ

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行興寺の北側に位置する「豊田熊野記念公園」内にも藤棚が広がっています。藤棚の面積は寺の境内と合わせて約1,600平方メートル! 一般的なテニスコートが6面分以上入る広さです。
 
こちらの藤は行興寺に植えられている熊野の長藤を接ぎ木したもの。長藤のDNAをしっかりと受け継ぎ、藤のカーテンを作っています。公園の東南には白藤も植えられているので、薄紫の長藤と白藤との共演も。花の下にはベンチが置かれ、自由に休むことができます。

隣接する「豊田熊野記念公園」も薄紫色に!

写真:麻生 のりこ

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公園内の藤棚には、よく見るとなにやら仕掛けが。これは花を長持ちさせるための仕掛けで、雨が降ると樹木を覆うようにビニールが出てくるのだそう。1日でも長く藤の花見が楽しめるのは嬉しいですね。

隣接する「豊田熊野記念公園」も薄紫色に!

写真:麻生 のりこ

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公園の一画には「熊野伝統芸能館」があり、屋外型の能楽堂が建っています。設営可能な客席数は350席。藤棚を借景とした本格的な能舞台で、能や薪能などが上演されます。

4月中旬から長藤まつりも開催

4月中旬から長藤まつりも開催

写真:麻生 のりこ

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長藤の開花に合わせ周辺一帯では「熊野の長藤まつり」が開催されます。2017年は4月22日(土)から30日(日)までの9:00から17:00までです。
期間中の週末は17:00から21:00まで夜間ライトアップも。ライトアップされた幻想的な長藤もぜひご覧くださいね。なお夜間は「池田交流センター駐車場(磐田市池田407-1)」の駐車場が利用できます。

まつり期間中は行興寺と豊田熊野記念公園ほかを会場とし、和太鼓演奏や池田地区に残る山車の引き廻し、磐田市観光大使をモデルにした撮影会などが行われます。詳しくは記事下欄にある【この記事の関連MEMO】から公式サイトにて確認をお願いします。

樹齢800年以上…優美で荘厳な熊野の長藤の見頃はG.W.直前頃!

謡曲『熊野』や『平家物語』に登場する孝行娘・熊野御前。彼女が愛して植えたと伝えられる藤は、時を超えて現代でも多くの人々に愛されています。
満開時の様子は優美で荘厳。行興寺境内・豊田熊野記念公園ともに入場無料なので、遠く平安時代から続く幽雅な世界をぜひ堪能してください。

車の方は、9:00から17:00までの間は寺から400メートルほど西になりますが、天竜川河川敷の臨時無料駐車場へどうぞ。まつり期間中週末の夜間ライトアップを鑑賞する方は、行興寺から東南にある池田交流センター駐車場へ(17:00から21:00)。
JR東海道線の最寄駅となるJR豊田町駅の北口からは、花の最盛期間中は無料のシャトルバスが運行されます。

掲載内容は執筆時点のものです。 2011/05/02−2016/04/26 訪問

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