アラスカ州最大の都市であるアンカレッジは、「フライト・シーイング」―つまり、セスナ機やヘリコプターに乗り、上空からさまざまな景色を見るアクティビティが非常に盛んです。冬場は雪に覆われ、鉄道網などがアメリカの他の地域と比べて十分とは言えないアラスカでは、空路を使った人や物資の移動も日常的なものなのです。
アンカレッジ発の遊覧飛行としてはデナリを廻るコースのほか、野生動物が多くみられるデナリ国立公園の上空を周遊するフライトが人気。氷河の上や、氷河湖の近くに着陸するコースもあります。
今回紹介するのは、デナリと、その付近の氷河湖を廻る3時間ほどのコースです(料金は、2017年現在425ドル)。
数人乗りのセスナ機は大型旅客機と比べてはるかに小型であるため、機体が飛び上がる感覚を生々しく感じることができます。「壁一枚隔てた向こう側は地上数1000メートル」という確かな実感がある、何ともスリル満点の体験です!
機内ではこの写真のように、全員がヘッドフォンをつけてコミュニケーションすることが求められます。そうでないと、機体のあまりの爆音でお互いの声も聞き取れないのです。
アンカレッジを飛び立つと、セスナはデナリを目指して北へ向かいます。上から見ると、アンカレッジはかなりの都会であることが分かりますが、町並みが途切れた後は、クック入江、針葉樹林、平原など、すぐに大自然の風景が広がります。
「アラスカの風景は、どこを見てもスケールが大きい」とはよく言われますが、セスナでの遊覧飛行ではそのことを改めて強く実感できます。視界いっぱいに広がるアラスカの大平原は、まさに「絶景」です。
アンカレッジを発ってしばらく飛行すると、頂に雪を抱いた荘厳なデナリが行く手に見えてきます。
これまで幾多の人を魅了し、また飲み込んできた山。登山家の植村直己氏も、1984年にこの山に登頂した後、下山中に行方不明になりました。圧倒的に美しい風景ですが、同時に非常に深淵な気持ちにもさせられます。
デナリを廻った後、セスナは氷河を目指します。眼下に広がる、目を見張るような巨大な氷河。その名のとおり、氷が川のように流れを作っているのが上空からはっきりと分かります。
大きな岩山のそびえる地点を通過します。手に取るような近さで、刃物のように鋭く削られた山肌が見えます。
岩山と岩山の間からは、大きな氷河が流れ出ていて、別の氷河と合流しています。距離感もうまくつかめませんが、自分がおそろしく大きな氷河の上を飛んでいるということだけは実感できます。
その後、セスナは山に囲まれた氷河湖に着陸。休憩もかねて、少しあたりを歩き回ることができます。場所によっては、氷河の近くに行き、間近で見ることも。氷河をよく見ると、中に細かな泡の粒が見えることもありますが、それは数1000年以上前の太古の空気。
人の生活を感じさせるものが何もない静寂の地で、しばしさまざまな思索にふけることができます。
氷河湖でのしばしの休息の後、セスナは再びアンカレッジを目指します。帰路は往路と異なるルートを通るので、行きで見てきたものとはまったく異なるさまざまな風景を、新鮮な気持ちで見ることができます。
実に豊かな表情を見せるアラスカの大自然。それが満喫できる、非常に魅力的なフライトです。
いかがだったでしょうか?
大自然のスケールの大きさを確かに感じることができるのが、アラスカへの旅の醍醐味です。その一つの道として、この遊覧飛行は非常に魅力的なものであること間違いなし。一度見たら絶対に忘れることのできない、圧倒的な風景の数々を見ることができます。
遊覧飛行の申し込みは、主に各旅行会社やツアー会社のホームページから、電話やメールで可能です(多くは日本語可)。
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(2024/10/3更新)
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