奥浜名湖のソウルスイーツ・名物「みそまん」食べ歩き!

奥浜名湖のソウルスイーツ・名物「みそまん」食べ歩き!

更新日:2019/03/05 17:25

麻生 のりこのプロフィール写真 麻生 のりこ 元観光バスガイド、ご当地マンホーラー
浜名湖の北側・奥浜名湖エリアには"みそまん"の愛称で親しまれている名物饅頭があります。今回はこのエリア内の和菓子店10店舗が製造販売し、それぞれの店舗ごとに味はもちろん色や食感も異なる素朴な"みそまん"をご紹介。

龍潭寺など禅宗寺院が多く、その発展とともに地域に根付いた"みそまん"。直虎で注目を集める奥浜名湖エリアで、気軽に食べ歩いてみませんか。

"みそまん"とは!?

"みそまん"とは!?

提供元:和洋菓子司 入河屋

http://www.irikawaya.co.jp/

奥山方広寺や井伊家の菩提寺として知られる龍潭寺など、禅宗寺院が多い奥浜名湖。寺院の発展とともに茶請けの1つとして、茶饅頭が重用されるようになりました。
この茶饅頭が"みそまん"と呼ばれるようになったのは昭和に入ってからのこと。静岡県外からの訪問客が、その皮の色から「味噌が入っているようだ」「味噌饅頭に似ている」と言いだしたのがきっかけのようです。

この皮の色は黒糖によるところが大きく、店舗によっては味噌を使っていないモノも。黒糖や黒砂糖をベースに味噌や醤油などが用いられ、中には隠し味として驚きの食材を使っている店もあります。
名物の"みそまん"を作っている和菓子店は、奥浜名湖エリアの細江、引佐、三ヶ日地区にそれぞれ3〜4店舗ずつ点在。殆どの店舗では1つずつでも購入可能なので、旅行の途中で気軽に食べ歩きできます。

地域の人々が愛してやまない"みそまん"。店ごとに異なる味や食感、見た目なども楽しんでくださいね。大河ドラマ『おんな城主直虎』で、南渓和尚や農民たちが度々手にしている茶色のお饅頭が、「どことなく"みそまん"に似ている」と地元では囁かれています。

細江地区…天竜浜名湖鉄道「気賀駅」から徒歩圏内!

細江地区…天竜浜名湖鉄道「気賀駅」から徒歩圏内!

写真:麻生 のりこ

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浜名湖の入り江の1つ、奥浜名湖(引佐細江湖とも)に面した細江地区では、天竜浜名湖鉄道の気賀駅から半径1キロ以内に4店舗あります。その中の3店舗は気賀四ツ角交差点付近に集中。
龍潭寺へ向かう国道362号線沿いに「外山本店」、姫街道沿いに「福月堂製菓」、そして県道49号線沿いに「お菓子のとやま(外山製菓)」がそれぞれ店を構えています。

こちらの"みそまん"は「お菓子のとやま」のもの。北海道十勝産の小豆から作られる贅沢な餡を包む皮は、黒糖をベースに味噌と醤油も用い、しっとりと柔らかいお饅頭です。
実は10店舗中、味噌を使っているのは半数ほど。その味わいに多くの人々から好評を得ています。

<お菓子のとやま基本情報>
住所:静岡県浜松市北区細江町気賀129-1
電話番号:053-522-0321

細江地区…天竜浜名湖鉄道「気賀駅」から徒歩圏内!

写真:麻生 のりこ

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気賀の野菜直売所「田空旬菜市」から北西方向へおよそ350メートル。国道362号線沿いに建つ「かじや菓子店」の"みそまん"は、つなぎとして大和芋の粉末を使用しています。そのためふっくらと柔らかいお饅頭に。素朴で優しい甘さは地域の人々に愛されている味わいです。

店舗の近くには戦国乱世の凄絶さを伝える獄門畷や気賀宿の本陣跡が。"みそまん"片手に歴史散策も楽しめそうですね。

<かじや菓子店の基本情報>
住所:静岡県浜松市北区細江町気賀1081 
電話番号:053-522-0186

引佐地区…井伊家ゆかりの井伊谷と奥山氏ゆかりの地で営業中

引佐地区…井伊家ゆかりの井伊谷と奥山氏ゆかりの地で営業中

写真:麻生 のりこ

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井伊谷城跡や龍潭寺など直虎ゆかりの地が多い引佐町井伊谷地区。ここは「ヤマタ内山製菓」「すぎや」の2店舗が同じ通り沿いで"みそまん"を販売中。
かつては僅か360メートルの間に、2018年末をもって閉店した「紅屋」を含む3店舗があったため「みそまん通り」と呼んでいる人も。まさに食べ歩きにもってこい!

こちらは「ヤマタ内山製菓」のもの。黒糖と一緒に皮に練り込まれた愛知県岡崎市特産の八丁味噌が、独特の風味を生み出しています。山芋も使用していて、ずっしりとした仕上がりです。

<ヤマタ内山製菓の基本情報>
住所:静岡県浜松市北区引佐町井伊谷670-1 
電話番号:053-542-0152

引佐地区…井伊家ゆかりの井伊谷と奥山氏ゆかりの地で営業中

写真:麻生 のりこ

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内山製菓から西へ140メートルほど歩くと、戦後間もなくから続く老舗「御菓子司すぎや」が店を構えています。
こちらの"みそまん"は黒糖はもちろん、味噌と醤油、さらに水飴や葛粉なども使用。葛粉を入れることにより皮のモチモチ感が生み出され、甘すぎない餡も人気の秘訣と言えるでしょう。

幕末の大老・井伊直弼にちなんだカステラまんじゅう「いいさま」は龍潭寺御用達の銘菓。小豆の漉し餡をカステラで包んだハイカラな逸品です。

引佐地区のもう1店舗「野沢製菓」は、奥山氏ゆかりの寺院・奥山方広寺(奥山半僧坊)の門前に建つ赤い庇が目印の和菓子店。同店の名物は「大あんまき」ですが、"みそまん"も人気商品。10店舗の中では一番大きく1つ約60グラム。奥山訪問の際にはぜひご賞味ください。

<御菓子司すぎやの基本情報>
住所:静岡県浜松市北区引佐町井伊谷657-4 
電話番号:053-542-0104

三ヶ日地区…天浜線沿線付近に点在

三ヶ日地区…天浜線沿線付近に点在

写真:麻生 のりこ

浜名湖の西側から北部に位置する三ヶ日地区。ここでは現在「パティシエみつわ」「入河屋」「三ヶ日製菓」の3店舗が"みそまん"を提供しています。

こちらは隠し味として納豆を使っている入河屋のもの。納豆と言っても粘り気のない地元産の大福寺納豆で、味噌寄りの風味を持っています。
この納豆独特の風味は徳川家康が「浜名の納豆はまだか!」と待ちわびたほど。皮に練り込まれた大福寺納豆の塩っぱさが餡と見事に調和し、上品な味わいとなっています。「お饅頭の材料に納豆」。一度ご賞味あれ!

実はこの奥浜名湖エリアで最初に"みそまん"を商品として販売したのは、かつて三ヶ日地区で和菓子店を営み、2016年7月に惜しまれつつも閉店した「中根屋」でした。同店が奥浜名湖エリアの"みそまん"を商品として生み出した功績は大きいと言えるでしょう。

<入河屋の基本情報>
住所:静岡県浜松市北区三ヶ日町下尾奈83-1
電話番号:053-525-0902

一度に10種類の"みそまん"が味わえる特別企画「みそまん物語」!

一度に10種類の"みそまん"が味わえる特別企画「みそまん物語」!

写真:麻生 のりこ

各店舗ごとに異なる餡の甘さ、皮の生地配合に隠し味…。「気になるので一度に全店舗分、食べたい!」という方には"奥浜名湖みそまん物語(ストーリー)"がお勧め。
これは10店舗のタイミングが合わないと実現しない企画で、田空旬彩市や奥浜名湖エリアで開催されるイベント時に販売されます。

"みそまん"を各店舗から集めパック詰めするのは奥浜名湖観光協会の職員2名。全て手作業なんですよ。製造数との兼ね合いもあり、1回に販売できる数に限りがあるので、購入希望の方はお早めに!(写真は11店舗時代の頃のもの)

この記事の下欄にある【関連MEMO】から奥浜名湖観光協会の公式サイトに、"みそまん物語"の販売情報等が掲載されます。

"みそまん"片手に奥浜名湖エリアを楽しもう!

大河ドラマ『おんな城主直虎』ゆかりの地・奥浜名湖エリア。エリア内には直虎ゆかりの地以外にも、東海地区最大級の鍾乳洞・竜ヶ岩洞など観光スポットがあります。

旅行中、気軽に食べ歩きできる"みそまん"は、疲れた身体の糖分補給にも。各店舗ごとに異なる味わいを、ぜひ一度食べ比べてくださいね。賞味期限ですが夏場は2日間、冬場は3日間です。
※引佐地区の「紅屋」は2018年12月末で営業終了

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/01/28−2017/03/31 訪問

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