海の恵みと寄り添う、岩手・みやこ浄土ヶ浜遊覧船

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海の恵みと寄り添う、岩手・みやこ浄土ヶ浜遊覧船

海の恵みと寄り添う、岩手・みやこ浄土ヶ浜遊覧船

更新日:2017/04/14 10:35

まさる しゃちょうのプロフィール写真 まさる しゃちょう プロダクトデザイナー、建築デザイナー、アクセサリーデザイナー

三陸復興国定公園の中心となるの浄土ヶ浜は岩手県宮古地方を中心とする景勝地で、みやこ浄土ヶ浜遊覧船は、人懐っこいうみねこをお供に巡る遊覧船。海岸の切り立つ断崖や帰岩などを巡る40分の周遊コース。景観紹介と共に東日本大震災時の様子も聞ける船上ガイドをお楽しみください。

まるで箱庭、天然の良港に停泊する遊覧船

まるで箱庭、天然の良港に停泊する遊覧船

写真:まさる しゃちょう

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岩手県宮古市の宮古港を含むこの地域は、三陸の海の要衝として400年以上の歴史があります。南部藩の時代(1615年)に港が開かれたというところで、秋は秋刀魚、冬は鮭、季節の魚が獲れる豊かな漁場を持つ漁業基地として古くから栄えていました。

みやこ浄土ヶ浜遊覧船に乗船するには、浄土ヶ浜第1駐車場を目指しましょう。この駐車場は三陸復興国立公園の施設として整備され、災害時緊急避難場所にも指定されています。片流れ屋根がダイナミックなこの木造の建物はバスの待合所。宮古市からバスでお越しの場合ここで乗降します。この写真の建物の奥に乗船券販売場と美しい入り江の遊覧船発着場があります。

まるで箱庭、天然の良港に停泊する遊覧船

写真:まさる しゃちょう

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乗船券販売所にて乗船券を購入しましょう。
時折、この売場には発券者がいない場合があります。そんな時には、出航時間を確認して直接遊覧船乗り場まで向かってください。遊覧船乗り場のスタッフに声掛けして頂くと乗船できますのでご安心を。

まるで箱庭、天然の良港に停泊する遊覧船

写真:まさる しゃちょう

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桟橋を渡り遊覧船乗り場へ向かいましょう。
実は乗船券販売所は崖の上にあり、桟橋は崖の下にあるということで、浄土ヶ浜ビジターセンターの棟内を降りることになります。棟内では3階建てに相当する高低差がありますのでエレベーターが設置されています。
エレベータを降りると、湾内を縁取るように桟橋がかかっており、ゆっくりと下るスロープを併設した桟橋ですので、車いすの方でも安心です。ゆっくりと5分ほどかけて桟橋を渡ってゆきましょう。

海の恵みと寄り添いながら、その脅威に対する教訓も伝える遊覧船

海の恵みと寄り添いながら、その脅威に対する教訓も伝える遊覧船

写真:まさる しゃちょう

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みやこ浄土ヶ浜遊覧船発着所。ここは外海から遮蔽された天然の良港ですので湾内の海の様子はとても穏やかで海水も澄み切っています。
浄土ヶ浜周遊コースの遊覧船はこの桟橋から沖合の日出島を約40分かけて一周します。ウミネコと共に三陸の海と奇岩巡りをお楽しみください。

海の恵みと寄り添いながら、その脅威に対する教訓も伝える遊覧船

写真:まさる しゃちょう

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笑顔が素敵な、遊覧船ガイドの金澤さん。
乗船中は、三陸海岸の風光明媚な様子を丁寧にガイドしてくれるのはもちろんのこと、東日本大震災の時の様子や、津波が来た時の遊覧船の避難の様子などを実体験をもとにお話してくれます。

まずは東日本大震災の当日のこの船の出来事をご紹介します。
当日は通常通りの運行を終えたところで地震が発生。海に暮らす人達は小さい頃から、地震があると津波が来ると教えられています。過去にも大きい地震があったときは、夜でも時間があれば船を沖に出したそうです。
今回の東日本大震災の時も同じで「船乗りなら、津波が来るときはその前に沖に行けっていうのは鉄則」と、昔から語り継がれており、船を沖に出したのです。ところが、出てしまったものの、いずれ港に帰らなければいけないところが、今回の津波では港が破壊されており、この遊覧船は丸2日間もの間港には戻れませんでした。そんなとき、何もない船内でこの船員さんたちを救ったのが、この遊覧船で販売されている「うみねこパン」でした。まさに命を繋いでくれたパンなのです。

ここからは、船内ガイドの様子をご紹介します。

海の恵みと寄り添いながら、その脅威に対する教訓も伝える遊覧船

写真:まさる しゃちょう

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三陸海岸とは写真の通り、北から陸奥・陸中・陸前と続き総称して三陸と呼ばれています。
岩手県宮古市から南側は入り組んでいてギザギザしており、三陸の代名詞ともいえるリアス海岸が広がっています。
一方の北側は比較的直線的です。最大200m近くの標高差がある断崖が続いており、遊覧船ではこの北側のエリアの景観をお楽しみいただきます。

実はこの遊覧船の運航は、岩手県北バス観光船事業部が運営しているのです。さすがは観光バスを運行するだけあって、ハンデのある方への気配りは行き届いています。文字も大きく、お話も分かりやすく丁寧なのです。「海の恵みと寄り添い、人に寄り添うことも忘れない」遊覧船ということで、随所に温かさを感じさせてくれます。

三陸復興国定公園の景勝地クルーズ

三陸復興国定公園の景勝地クルーズ

提供元:岩手県北バス(岩手県北自動車株式会社)

http://www.iwate-kenpokubus.co.jp/地図を見る

ゴツゴツとした男性的な岩が多い三陸海岸の中で、浄土ヶ浜は岩肌がなだらかで女性的といわれています。景観の美しさは「極楽浄土のごとし」と例えられ、「浄土ヶ浜」の由来になったという説があります。

変化に富んだ美しい海岸線をゆっくりとクルーズしますが、入り江の出口付近や岩礁のそばでは波のうねりが大きくなります、展望デッキで観覧の場合は船上の揺れにご注意を。

三陸復興国定公園の景勝地クルーズ

提供元:岩手県北バス(岩手県北自動車株式会社)

http://www.iwate-kenpokubus.co.jp/地図を見る

写真左上の縦一筋に伸びる岩がローソク岩。浄土ヶ浜の北、大沢海岸に突き出た巨大な岩でローソクのような姿です。火成岩が周囲の水成岩を突き破って形成され、岩脈部分が露出し全体がみられる大変珍しいものです。

三陸復興国定公園の景勝地クルーズ

提供元:岩手県北バス(岩手県北自動車株式会社)

http://www.iwate-kenpokubus.co.jp/地図を見る

潮吹き穴。波が打ち寄せる海水の圧力で上部の穴から海水を霧状に吹き上げ、海の荒れた日にはその高さは30mにもなります。遊覧に向いた波の穏やかな日には、吹き上げを目撃できる回数も少なくなります、波を読むガイドさんの声に耳を傾けながら、潮が吹きあがる瞬間を見逃さないようにしましょう。
その他にも、クルーズ中に通過する漁港の紹介も織り交ぜながら40分間のガイドは続きます。

「うみねこパン」は遊覧船だけの限定品!

「うみねこパン」は遊覧船だけの限定品!

写真:まさる しゃちょう

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人気の「うみねこパン」は遊覧船オリジナル。包装には「ねがいごと ひとつ ねがいごと パンにねんじて なげてみて ながいかなって ことしよいとし」記載されていますので、願いを込めてウミネコにあげてください。
このパンは、宮古市にある老舗のパン店に昔から作っていただいており、みやこ浄土ヶ浜遊覧船の特製パンとなっています。原材料にはひきこんぶやいかの粉末が使われており、ウミネコにもやさしいパンなのですが、東日本大震災で避難中(前記)にはこのパンが命を繋いでくれたのです。

「うみねこパン」は遊覧船だけの限定品!

写真:まさる しゃちょう

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遊覧船の周りにはこの「うみねこパン」を求めてウミネコの群れが眼前に迫り大迫力です。よくカモメと間違いがちですが、カモメの脚はピンク色なのです。ここで出会うウミネコは黄色い脚が特徴ですのでよく観察してみてください。(写真)

ウミネコ撮影のためのテクニックをご紹介。
ウミネコパンをかざすとすかさずウミネコはやってきますが、そううまく撮影できるものでもないですよね。確実に写せる秘訣をご紹介、遊覧船に集まるウミネコは人慣れしていますので写真のように間近に来ても鳥たちは平気です。追いかけると逃げてしまいますが、展望デッキのベンチに素知らぬ顔で座っていてください、気が付くとウミネコが手摺に留まっていたりします。慌てずゆっくりとカメラを向けると、ズームレンズを使わずとも目前で撮影可能です。是非お試しを。

岩手・みやこ浄土ヶ浜遊覧船は、海の恵みと寄り添い、人に寄り添うことも忘れない遊覧船

いかがだったでしょうか。
下船時にはこの遊覧船を運航する船員さんたちも出迎えてくれますが、皆さんとても穏やかで親しみやすい空気をお持ちです。気兼ねなく写真撮影などお願いすると、喜んで応じてくれますので、お願いしてみてはいかがでしょうか。

遊覧船の同じ湾内には「青の洞窟」と呼ばれる美しい海の洞窟もあります、サッパ船という小さな船に乗って、神秘的に青く輝く洞内の風景も合わせてお楽しみください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/04/01 訪問

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