瀬戸内の絶景と小路を堪能!倉敷・廃線跡から始まる極上回遊ハイキング

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瀬戸内の絶景と小路を堪能!倉敷・廃線跡から始まる極上回遊ハイキング

瀬戸内の絶景と小路を堪能!倉敷・廃線跡から始まる極上回遊ハイキング

更新日:2017/04/13 18:29

春野 公比呂のプロフィール写真 春野 公比呂 学芸員資格

岡山県倉敷市と言えば美観地区が有名ですが、南端の児島地区には瀬戸大橋関連公園や施設等がある他、瀬戸大橋や瀬戸内海のパノラマが広がる展望スポットがたくさんあります。今回ご紹介するのは、風を感じながら歴史に触れ、瀬戸内海の雄大な風景を堪能できるという倉敷ならではのハイキングルート。下津井電鉄廃線跡から水路管理道、近世の城道、ミニ霊場参拝道等を次々に辿る大回遊ルートで、極上のハイキングをお楽しみ下さい。

陸軍の壕から瀬戸大橋を見下ろす駅跡へ

陸軍の壕から瀬戸大橋を見下ろす駅跡へ

写真:春野 公比呂

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回遊コースの基点は下津井電鉄廃線跡基点の下津井駅跡ですが、車で訪れる場合、駅跡周辺は駐車禁止になっているため、南西の木里神社から南の道路沿いにでも駐車するしかありません。その山際には陸軍暁部隊の舟艇格納壕がいくつか残されています。この部隊は米軍が上陸した際、背後から舟艇で逆上陸して攻撃する決死の部隊です。

陸軍の壕から瀬戸大橋を見下ろす駅跡へ

写真:春野 公比呂

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下津井電鉄は大正3年(1914)に全線が開通しました。しかしマイカーブームの影響で昭和47年、北半分の区間が廃線。更に平成2年年末、全線が廃線となったのです。が、その後、展望の良さから平成になって廃線になった6.3kmの区間が、自転車・歩行者専用道「風の道」となって蘇ったのです。駅名板も新たに建て直されました。
写真は基点駅・下津井駅の次の駅、東下津井駅跡。島型ホームも残っています。写真奥に見えるような車道陸橋をいくつも越えて行きます。

陸軍の壕から瀬戸大橋を見下ろす駅跡へ

写真:春野 公比呂

東下津井駅跡の先、県道393号を横断すると廃線跡は一旦アスファルト舗装道になります。次は鷲羽山駅跡ですが、ここから鷲羽山にかけて遊歩道を整備したのは下津井電鉄。昭和6年に鷲羽山一帯が国立公園に指定されたため、観光開発の一環として行ったのです。遊歩道沿いからは様々な角度で瀬戸大橋の景色を楽しむことができます。

絶景また絶景

絶景また絶景

写真:春野 公比呂

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遊歩道は鷲羽山トンネル上を通過すると二手に分かれますが、往路は直進します。やがて二本の道が合流すると鷲羽山古墳群が現れ、この付近からは、瀬戸内海から切り立つ鷲羽山の荒々しい岩肌が見られます。その先のY字路を左折した先が屈指の絶景地である鷲羽山展望所(標高120m)。観光客もハイカーもここからの景色を見ると感嘆の声をあげます。
尚、グーグルマップで「鷲羽山」と表記されている所は三角点(112.8m)のある地点で、ベンチはありますが、展望はありません。

絶景また絶景

写真:春野 公比呂

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尾根道を先に進むと三差路があり、角に第一展望台を擁すビジターセンターがありますが、この周辺からは瀬戸大橋を中心とした景色が広がり、鷲羽山展望所とはまた違った趣があります。三差路は南東に下る道を進んだ方が、パノラマが続きます。
下りついた所には市営のレストハウスや第二展望台があり、更に階段を下って行くと遊覧船乗り場に達します。名勝の鷲羽山を海上から仰ぐのも、また違った絶景。

絶景また絶景

写真:春野 公比呂

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帰路は三角点直下の道を登り、古墳群から先は尾根道を直進します。この北西のピークは鐘秀峰と呼ばれる展望所で、瀬戸大橋を真下に見下ろすことができます。

眺望の駅跡から地元ハイカーも知らない小径へ

眺望の駅跡から地元ハイカーも知らない小径へ

写真:春野 公比呂

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鷲羽山駅跡の次は琴海(きんかい)駅跡ですが、この周辺からも、下方の児島競艇場から瀬戸内海の展望が広がっています。

眺望の駅跡から地元ハイカーも知らない小径へ

写真:春野 公比呂

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JR瀬戸大橋線の高架をくぐると市街地に突入し、また未舗装道になります。市街地は面白味に欠けるため、阿津駅跡の先、中央分離帯のある広い道路手前の四差路を南に折れます。道は小堂と井戸のある所で分かれますが、その井戸は「赤穂の井戸」で、赤穂浪士事件後、下津井城の普請奉行・池田長政を頼ってきた浪士らが利用していました。

小堂上の小径を上り、四差路に到ると少し引き返し、東側のヤブの中に、縦に設置された水路を探します。その水路を登ると平坦な水路管理道に出ます。道からは高架を走るJR瀬戸大橋線が望めます。

眺望の駅跡から地元ハイカーも知らない小径へ

写真:春野 公比呂

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自然の歩道からコンクリート歩道に変わるとほどなくして、石灯籠の建つ四差路に達します。ここで水路道と分かれ、右折します。この道はすぐ上の丘に建つ新庄八幡宮の参拝道で、境内からも瀬戸内海の展望が広がっています。

中世城郭とは規模が違う近世城郭跡をご覧あれ

中世城郭とは規模が違う近世城郭跡をご覧あれ

写真:春野 公比呂

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八幡宮からは南の参道を下り、扇の嵶トンネルを抜けると西に折れ、鷲羽山ハイランドを過ぎた先の、瀬戸大橋架橋記念公園内の遊歩道へ左折して下ります。往路の廃線跡上を城山跨線橋で越えると、下津井城跡です。中世の城跡とは違い、近世の城跡は城壁や郭等、規模が大きいため、見応えがあります。

この城山(89m)にいつから城が存在しているのかは記録がありませんが、家康の外孫・池田忠継が備前藩主となり、下津井城が一族の赤穂城代・池田長政に預けられると、西国大名に対する戦略拠点にすべく、現在の規模に改修されます。廃城になったのは寛永16年(1639)。写真は最初に現れる郭、西の丸。

中世城郭とは規模が違う近世城郭跡をご覧あれ

写真:春野 公比呂

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西の丸からは本丸、三の丸へと城道が続いており、道や郭からは瀬戸大橋や、架橋された四国最北端の櫃石島が望見できます。

中世城郭とは規模が違う近世城郭跡をご覧あれ

写真:春野 公比呂

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一番広い郭が本丸。三の丸からは南の道に下り、西進して行きます。道が北向きから東向きに変わる地点の四差路を左折し、少し先で、石仏が立ち並ぶミニ霊場参拝道に左折します。これを下って行くと下津井二丁目の住宅街に出ます。南下して行くと下津井港に出て、すぐ西方は廃線跡の基点です。

手ぶらで楽しめる絶景コース

今回のコースは、移り変わる瀬戸内海の景色と次々と変わる「道」を辿るため、既存のウォーキング及びハイキングコースよりもはるかに変化に富んだコースとなっています。
手ぶらで歩ける気軽さもあります。コース沿いには自販機以外にも、食堂やレストラン、焼き立てパン屋等があり、わざわざ弁当を用意する必要もありません。
トイレも鷲羽山や新庄八幡宮、下津井城跡等にあるので安心です。回遊に要する時間は休止時間も入れて5時間ほど。

公共交通機関利用時は、JR児島駅から下津井駅跡東の「下津井」バス停まで、「下津井電鉄バス(下電バス)」が運行されています。そう、下津井電鉄社は電車事業からは撤退したものの、バス事業や観光関連事業は続けているのです。
是非みなさんもこの「風の道」を歩き、風を感じながら歴史に触れ、瀬戸内海の雄大な風景をご堪能下さい。

掲載内容は執筆時点のものです。 2010/12/31 訪問

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