写真:SHIZUKO
地図を見る白山といえば、主峰の御前峰2702メートルや大汝峰、剣ヶ峰などの山頂部分だけをさす場合がほとんどですが、実は、この山頂部から東西南北に連なる山々を含めて白山山系と呼ばれていて、今回ご紹介する別山は、その白山山系の一部。白山の南側にあります。なので「白山別山」と呼ぶ方が誤解なく正確に伝わるでしょう。日本には別山と呼ばれる山や尾根は、沢山ありますから。
白山も別山も、標高は2600メートルを超えるので、登山口にもよりますが、日帰り登山はかなりの健脚の人以外は出来ません。ロープウエイもないので自分の足でしっかりと登る必要があります。ゆえに、1泊2日の行程が必要です。
白山山中に泊まるには、白山室堂と呼ばれるビジターセンター兼山小屋と、南竜馬場にある南竜山荘があります。どちらも完全予約制です。4月1日の予約日を過ぎると、週末はすぐに満室となりますから、行くと決めたらすぐに予約されることを強くお勧めします。
写真:SHIZUKO
地図を見る別山への登山口は、白山登山のメッカでもある別当出合。整備された登山口から、吊り橋を渡ってスタート。この先、砂防新道という、砂防工事用に作られた道を登って行くのが最短コースです。この道は、登山でありがちな植林帯や樹林帯歩きではなく、眺望が開けた気持ちのいい登山道です。
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地図を見るトイレのある中飯場まで1時間。白山室堂との分岐の手前にある甚之助避難小屋まで、また1時間。焦らず一定のペースで足を進めましょう。甚之助避難小屋で左手を見上げれば、白山登山のシンボル・黒ボコ岩が見えるかもしれません。
写真:SHIZUKO
地図を見る甚之助避難小屋から30分ほど登れば、一日目の登山は終了したも同然。左手には、白山室堂へ続く道が何箇所かありますが、宿のある南竜馬場へ続く道は水平移動。息も整い、ゆったりと歩く道。気付けばお花畑の中にいます。小さな花が集まったネオンカラーのシモツケソウ。鮮やかな彩りに心もウキウキすることでしょう。アキノキリンソウや猫の尻尾のようなカライトソウ。時期によって咲いている花は違えど、心癒され、登ってきてよかったなあとしみじみ思う瞬間です。
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地図を見る行く手には、写真左から、尖がった油坂の頭、それに続く大屏風、御舎利山、そして下りのハイライトとなる長大なチブリ尾根が見えています。
写真:SHIZUKO
地図を見る目を転じれば、眼下に赤い屋根が見えてきます。こちらが南竜山荘です。暮れゆく山の空気を楽しみつつ、ゆっくりと体を休めましょう。南竜山荘は、本館の他にケビンと呼ばれるコテージもあり、山の中に広がる一大リゾート。お風呂もないし、携帯電話もつながらない都会から切り離された贅沢な夜を楽しみましょう。
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地図を見る朝食を済ませたら、しばらくは湿原の木道歩きを楽しみましょう。お花畑の中を進みます。そして、コース最大の急坂・油坂に取り掛かります。およそ40分、我慢のしどころ。ゆっくりと登り切れば、そこには素晴らしい風景が待っています。目の前には今から登る別山への道。
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地図を見る振り返れば、白山が美しい姿を見せてくれます。
写真:SHIZUKO
地図を見る気持ちのいい稜線歩きの始まり。途中には池塘と呼ばれる池が現れ、様々なお花が朝日にきらめいています。山に泊まればこそ出会える風、太陽、花、空気。いつのまにかとっても素直な心に変身している自分に気づくことでしょう。
写真:SHIZUKO
地図を見る別山のピークを極めたら、いよいよ下りの始まりです。チブリ尾根という長大な尾根下りです。前日、自分の目で見た、なだらかな長い尾根。遠目に見た時はなだらかに見えていたチブリ尾根ですが、途中とても急な部分もあり、木が生えていない場所では、バランスを取ることに集中しながら丁寧に下らなければなりません。
写真:SHIZUKO
地図を見る二時間半ほど下ると、白山山系の中でもピカイチのブナの林に。ブナの巨木がのびのびと天に向かって伸びる道は、最高の気分。豊かな自然の中を歩ける幸せ。この自然を次世代につなぎ、いつまでも守るには、入山者ひとりひとりの決意が必要です。
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地図を見る無時下山したら、お楽しみは温泉! 白峰温泉総湯へ行ってみましょう。美人の湯として名をはせる純重曹泉。お風呂上がりの肌は絹肌と呼ばれるほどしっとりすべすべになるといわれています。落ち着きのある、木造のどっしりとした建物も素敵。
写真:SHIZUKO
地図を見るお風呂上がりには、近くの食事処・食彩で名物の堅豆腐のステーキを味わってみて下さい。しっかりした豆腐は大豆の旨みがいっぱい。二日間の登山を終えたご褒美に最適です。
1年の半分以上は雪に閉ざされている白山山系。短い夏の、一瞬のきらめきを求めて7月から8月は登山者が殺到します。山小屋も、早めに予約しなければ、すぐに満室となり泊まれなくなります。混雑して大変だとわかっていても、人々を引き付ける白山。でも、別山ならちょっとは静かに登山が出来ます。可能なら週末を避けて、平日に気ままに楽しむことが出来れば最高ですね。
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(2024/3/19更新)
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