ここで聴く・観る!音楽の都・ウィーンの音楽施設ガイド

ここで聴く・観る!音楽の都・ウィーンの音楽施設ガイド

更新日:2018/07/31 14:15

ゐさ よりこのプロフィール写真 ゐさ よりこ 舞台芸術ライター
音楽の都、ウィーン。旧市街地とその周辺では日々、いくつもの劇場・シアターで、クラシックをはじめ様々なジャンルの音楽が流れています。世界に美しい音色と名を響かせる「ウィーン・フィル」は、どこで聴けるかご存知ですか?ウィーンの街にあふれる音楽を聴く場所を、音楽のジャンル別にご案内いたします。

オペラはやはり、ウィーン国立歌劇場で

オペラはやはり、ウィーン国立歌劇場で

写真:ゐさ よりこ

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ウィーン旧市街の代表的なシアターと言えば、やはり「ウィーン国立歌劇場(Staatsoper)」。世界各国に「国立歌劇場」はありますが、オーストリアのそれはちょっと格上扱いの特別な場所。世界中のクラシック愛好家を招き入れる歌劇場では、ほぼ毎日、オペラまたは歌劇場専属のバレエ団による公演、クラシックコンサートが上演されています。

ちなみに、世界最高峰のオーケストラとしてその名と音を世界中で響かせる「ウィーンフィル」ことウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(Wiener Philharmoniker)は、この国立歌劇場付のオーケストラ「ウィーン国立歌劇場管弦楽団」から選ばれた人だけで構成される楽団です。国立歌劇場でオペラを観れば、ウィーンフィルを聴いたも同然、というわけですね。

オペラはやはり、ウィーン国立歌劇場で

提供元:Wiener Staatsoper/Michael Poehn

http://www.wiener-staatsoper.at/地図を見る

チケットは、公式HPから予約を入れて取ることも、劇場前のチケットセンターで直接購入することも出来ます。料金は演目によって変動し、人気の演目だと高額なうえにすぐ予約で埋まってしまうこともあります。

オペラはやはり、ウィーン国立歌劇場で

提供元:Wiener Staatsoper/Michael Poehn

http://www.wiener-staatsoper.at/地図を見る

気になるのが、服装。ひと昔前は、立見席といえどもジーンズにTシャツ姿の人は追い返されるほど厳しかったそうですが、今はかなりユルくなってきています。通常の席でもスーツまたはオフィスカジュアルくらいの服装であれば、全く問題ありません。勿論、従来通りに、華やかな装いで鑑賞する人も、良い席に行けば行くほど増えます。
きちんとした服装は、演奏者に敬意を示すことにあたります。格上の劇場でオペラを見る気持ちを彩る意味でも、せっかくですからおしゃれして入ってはいかがでしょう。

オペレッタは、「大衆オペラ」こと「フォルクスオーパー」で

オペレッタは、「大衆オペラ」こと「フォルクスオーパー」で

提供元:Dimo Dimov/Volksoper Wien

https://www.volksoper.at/地図を見る

国立歌劇場は半ば観光地と化していますが、地元の人が気軽にオペラを楽しむ場所で観るのであれば、旧市街地の北西部にある「フォルクスオーパー(Volksoper)」へ。国立歌劇場と並ぶオペラハウスですが、こちらはオペラのほかに、オペレッタ(喜歌劇)がメイン。同様に専属のバレエ団がおり、バレエ公演も開催しています。

こちらも、服装は国立歌劇場と同様に、ややカジュアルな人もいれば、正装に近い装いで来る人もいます。演目にもよりますが、やはり、せっかくだからちょっとおしゃれして入りたいところですね。

クラシック音楽の殿堂、楽友協会

クラシック音楽の殿堂、楽友協会

写真:ゐさ よりこ

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音楽の都に来たなら、クラシック音楽は外せません。

ウィーンフィルは、旧市街の中にある「楽友協会(Musikverein)」を本拠地としています。
ライトアップされる夜の姿も美しいこの建物は、クラシックコンサート専門の施設で、ウィーンフィル以外にも「ウィーン交響楽団(Wiener Symphoniker)」などがクラシック音楽の演奏会を開いています。ウィーンフィルのチケットは会員制であったり抽選制であったりと滅多に取れないのですが、ウィーン交響楽団は比較的取りやすく、立見席もBOXオフィスで指定して購入できます。

豪華絢爛な内装の大ホールで席を取るならば、国立歌劇場同様におしゃれして行きたいところですが、立見席なら皆カジュアル。ジーンズにTシャツも全く問題ありません。ただし、2時間ほど立ちっぱなしになるので、耐えられる人限定で。

ウィーンではミュージカルもコンサートもおすすめ!

ウィーンではミュージカルもコンサートもおすすめ!

写真:ゐさ よりこ

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クラシックとオペラの印象が強いウィーンですが、実は、ミュージカルも盛んに上演されていることをご存じですか。上演するたびに「プラチナチケット」になる、宝塚歌劇団および帝国劇場の大人気演目「エリザベート」は、ウィーン発祥のミュージカルです。ウィーンにはミュージカル専用の劇場もあります。代表的なものは、「ライムント劇場(Raimund Theater)」。年間を通して、人気の演目が上演されています。
ミュージカルの観劇は、カジュアルな服装で問題なし。気楽に入りましょう。

ウィーンではミュージカルもコンサートもおすすめ!

写真:ゐさ よりこ

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「ウィーンではポップスを聴く人はいないの?」という疑問が湧く人もいらっしゃるでしょうか。勿論、そんなことはありません。街中ではカジュアルな店に入れば、ポップスにジャズ、クラシック以外のいろいろな音楽がBGMです。日本と同じですね。
ウィーンでは主に、「シュタットハレ(Stadthalle)」が、ロックコンサートなど大掛かりなイベントのメイン会場として使われます。ウィーン西駅から地下鉄「U6」でひと駅の距離にある、公園の中のイベントホールです。

あらゆるジャンルのMusikがある「音楽の都」ウィーン

ウィーンは言わずと知れた「音楽の都(Stadt der Musik)」。世界中から音楽を愛する人が訪れます。その「Musik(音楽)」は、クラシックに限りません。
クラシックなら歴史と権威のある劇場で優雅に、ポップスなら近代的なホールでダイナミックに。伝統音楽から現代音楽まで、あらゆるジャンルの音楽を、それぞれに合わせた場で堪能できるのも、ウィーンの魅力のひとつです。もしかしたら、あなたが今聴いている音楽も、ウィーンのどこかのシアターで上演されるかもしれませんよ。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/02/07−2017/02/09 訪問

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