函館・滅多に入れない造船所にも入れてしまう「進水式」へ行こう!!

函館・滅多に入れない造船所にも入れてしまう「進水式」へ行こう!!

更新日:2013/12/18 10:13

皆さんは造った船を、初めて海面に浮かべるイベント「進水式」をご存知でしょうか?函館には全国でも屈指の大手造船メーカー「函館どつく株式会社」があり、構内では連絡船や護衛船などの大型船の製造や修理を行っているのですが、「進水式」の日だけは造船所内を一般公開してくれています。通常関係者以外は入れない場所で見る貴重な光景。壮大なイベント「進水式」を今回はご紹介します。

予約・整理券など一切ナシ。当日行けばOK!

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函館市電5系統函館どつく行き・終点「函館どつく」停留所で降車。

停留所前方に見える労働会館を右手に、まんぷく食堂を左手にしてまっすぐ行きます。すると右手に函館どつく株式会社の看板が見えるので、そこで右折。直進すると今回「進水式」を一般公開してくださる会場・函館どつく株式会社の正門が見えます。

「函館どつく」は117年前に創業し、最盛期には貨物船以外にも青森―函館間を運行していた連絡船も造船・修理していましたが、連絡船が無くなった現在は国内外問わず貨物船やフェリー、石油などを運ぶタンカーや客船を造船・修繕する所となりました。

10:00。潮風が吹きつける冷たい中、函館どつく正面入口・正門前で待っていると開門。いよいよ造船所へ入ります。本来10:30の進水式開始に間に合えば良いのですが、普段見る事の出来ない造船所内を見られるせっかくのチャンス!施設内をゆっくり見学しながら観覧したい方は10:00までに来るとよいでしょう。

【取材日の進水式の船舶情報】
船種:貨物船 
船籍:中華民国(台湾)籍
全長:175.5m
載貨重量(貨物+船舶の重さ): 31,600トン
速力:14.4ノット(26km/h) ※1ノット=1.85km/h

安全の為にも造船所地図を確認!

安全の為にも造船所地図を確認!
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安全の為にも進水式会場を造船所入ってすぐ右にある地図で確認します。

今回は5番6番の間にある第1号船台にて進水式が行われます。地図上では距離が短く見えますが地方の造船所とはいえやはり造船所。広いです。結構な距離を歩くことになります。

会場までいくつもの工場や倉庫を右へ左へクネクネと職員さんの誘導に従い、施設内を写真撮影しながら歩き進んでいきます。基本的に造船所施設内は撮影OKですが、中には機密情報も含まれている作業をしている場合もあるので職員の方に尋ねてから撮影しましょう。

しかも造船に使われるであろう大きくて太い鉄筋や部品などそこかしこに置いてあります。地図には施設内が分かりやすいよう番号を振ってありますが、せっかくの進水式で怪我をすれば悲しい思い出となってしまうので職員の指示を守って歩くよう心がけましょう。

会場に到着。しばし施設内見学。

会場に到着。しばし施設内見学。
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職員さんの誘導の元歩いていくと、ついに本日の進水式の会場・第1号船台に到着です。巨大な船体とクレーン車にまず圧倒されて目が奪われます。「うわぁ‥」としか言葉は出てこず、ずっと上をむいたまましばし呆然。そしてつぎに隣の工場から聞こえる造船作業中の金属音に耳が奪われます。

前述申し上げた通り写真撮影禁止の部署である造船作業倉庫内を、「遠目に」という事を条件に撮影許可が下りました。肉眼で見ると、庫内では機械を使うのはほんの一部でほとんどの造船作業が人の手によるもの。鉄板を溶接している時の光や叩いている音が聞こえ、ヘルメットをかぶった職員の方が一生懸命造船されている姿がかっこよいです。

船舶と言うものは小型・大型関係なく人の手で作り、それをブロックの様に組み立てて溶接し一つの大きな船を何カ月もかけて丁寧に作り上げるそうです。まさに技術者の方の地道な努力の結晶の品なのです。

10:30。ついに進水式開始

10:30。ついに進水式開始
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10:30。開始時間になると一気に沢山の観客やどつく関係者が岸壁に集まり、職員によるアナウンスとファンファーレで進水式開幕です!スポンサーや函館どつく株式会社幹部の方々は船の断面で作られたステージで挨拶。

そして両国の国歌が流れ国旗掲揚。観客も関係者も皆起立。次に船名発表へ。発表と同時に漢字名の下の紅白の幕が剥がされ拍手喝さい。初めて進水式を見る人も、何度も通い続ける人も、徐々に船が進水する時間がせまり緊張でドキドキわくわく♪進水はまだかまだかと待ちわびます。

ついに進水!大迫力満点の姿に感動!!

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船の誕生を祝い、ステージから延びる赤い一本のロープを斧でカットします!シャンパンが割れ次にくす玉が割れると、大きなサイレン、歓声と華やかな曲と共に船が海へとゆっくりと後進します。この瞬間は迫力満点!あの巨大船がスルスルーっとなめらかに波風を立てながら入水していきます。

観客もカメラや携帯電話を持ちながら船と一緒に移動。でもドック内は苔や機材が多くあるので転ばないよう無理しない範囲で追いかけましょう。

ちなみにシャンパンを割るのは、元々航海の神様に捧げるいけにえ(奴隷)だったのがキリスト教で血を意味する赤ワインにかわり、現在では白ワインやシャンパン、日本酒に変わったとのこと。形は変われど航海の安全を祈願する気持ちには変わりがないのですね。

家族、友達同士、デートにもオススメ

日中は進水式と函館市内観光を楽しみ、夜はイルミネーションで輝く元町散策と函館山からの夜景を見る、というプランはいかがでしょうか?

進水式観覧時は勿論ですが夏でも津軽海峡の潮風がとても冷たく吹きつけて来ます。特に冬はひとしおです。念には念をでがっちり着込んで行きましょう。特に首元と手の指先は冷たくなるのでマフラーと手袋は準備して来て下さいね^^


【函館どつく進水式】
開催日:2カ月に1度。詳しい日時は下記HPでご確認願います。
入場料:無料(当日会社正面入り口に来ればOK)
駐車場:無。函館市電を利用すると良いです。
問い合わせ:TEL(0138)22-3111まで。

撮影協力:函館どつく株式会社職員の方々

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/12/06 訪問

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