こんぴらを上回る1400の階段と断崖岩屋の仏堂〜高知県・梶ヶ森〜

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こんぴらを上回る1400の階段と断崖岩屋の仏堂〜高知県・梶ヶ森〜

こんぴらを上回る1400の階段と断崖岩屋の仏堂〜高知県・梶ヶ森〜

更新日:2017/04/19 12:08

春野 公比呂のプロフィール写真 春野 公比呂 歴史研究家、郷土文筆家、郷土登山家

高知県大豊町の名峰・梶ヶ森(1400m)は、各種ツツジやシャクナゲ等の花々の咲く大平原の山ですが、香川県の金刀比羅宮奥社の石段数を上回る、標高数値と同じ1400段もの階段が設置された山。そして山中には、鳥取県の国宝・投入堂に似た、断崖絶壁の岩屋に建つ堂宇や、複数の滝もあります。
山頂まで車道化されており、天文台やキャンプ場もあり、老若男女が楽しめる絶景の山岳観光地としてハイキングが楽しめます。

ハートの岩から滝が

ハートの岩から滝が

写真:春野 公比呂

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梶ヶ森は車道化されてもハイカーや登山客の数は減りません。それは各滝や花々を巡るハイキングコースが素晴らしいため。登山道は北麓のJR土讃線の二つの駅からもありますが、登頂に3時間以上要すため、利用する者はあまりいません。

一番利用者が多いのは、「日本の滝百選」に選ばれている「龍王の滝」上り口にある駐車場からのコース。最初は樹林帯の中を進みますが、京都・鞍馬山登山道にある「木の根道」のような、路面に木の根が浮き出た区間もあります。

ハートの岩から滝が

写真:春野 公比呂

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駐車場から徒歩15分ほどで龍王の滝。落差こそ20mほどですが、滝百選に選ばれているだけあり、水量は多く、轟音を轟かせています。写真の滝落ち口左上の岩は、見る角度によって上部がハート型に見えることから、ここを訪れた者は恋が成就すると言います。

尚、滝は標高960m辺りの谷にあります。グーグルマップは滝の位置を実際より手前に表記しているのでご注意を。

ハートの岩から滝が

写真:春野 公比呂

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定福寺(じょうふくじ)奥の院護摩堂が近づくと石段になりますが、石段はごく一部で、階段の過半数は丸木階段。護摩堂の本尊は弘法大師作の十一面観音像ですが、この像が京都の寺にあった頃、かの源頼光が大江山の酒呑童子退治のため、この観音に願文を捧げ、見事退治しています。像がここに移されたのは明治14年。

春には、この辺りから登山道沿いにミツバツツジが現れ始めます。この山のツツジの主流はこの種。

ミツバツツジの群落と山容に登頂欲は倍増

ミツバツツジの群落と山容に登頂欲は倍増

写真:春野 公比呂

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護摩堂を過ぎるとやがて道は谷の西側に移りますが、それが再び谷に出ると、不動明王の石像が祭られている落差12mの「真名井の滝」が現れます。この滝も岩の隙間から落下しているように見えますが、滝の天辺近くに上がることができます。

ミツバツツジの群落と山容に登頂欲は倍増

写真:春野 公比呂

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「シャクナゲの森」の分岐(トイレあり)は南西に折れますが、シャクナゲの開花時期はミツバツツジより二週間ほど後。ここから急登になり、延々と丸木階段が続きます。それでも周囲は明るいので、あまり苦にはなりません。

標高が上がってくると高木がなくなり、空が開け、東方の「ふたりの丘(1290m)」斜面に群生するミツバツツジも窺うことができます。

ミツバツツジの群落と山容に登頂欲は倍増

写真:春野 公比呂

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南側が断崖となった1320mピークは「天狗の鼻」と呼ばれ、石仏が建立されています。ここからは360度のパノラマが広がっており、前方に荒々しい岩肌を擁す山頂部が見えています。この山容を見ると登頂欲が倍増するはず。尚、この辺りのグーグルマップの等高線の高度は不正確です。

剣山系から石鎚山系まで、四国中を見渡す絶景

剣山系から石鎚山系まで、四国中を見渡す絶景

写真:春野 公比呂

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写真の左の最高所が「天狗の鼻」で、笹原を下って行った右下がキャンプ場。ここでキャンプをすると満天の星空を拝めることでしょう。

剣山系から石鎚山系まで、四国中を見渡す絶景

写真:春野 公比呂

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1250段目の丸木階段を通過。好展望の中を登っているため、疲れはあまり感じません。

剣山系から石鎚山系まで、四国中を見渡す絶景

写真:春野 公比呂

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山頂も四囲の展望が開け、嶺北地方(県中部の北側)の山並みを始め、剣山系から石鎚山系まで遠望でき、空気が澄んでいる季節には太平洋をも望むことができます。県屈指のパノラマです。

断崖絶壁から張り出した驚異の堂宇

断崖絶壁から張り出した驚異の堂宇

写真:春野 公比呂

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復路はキャンプ場南の道路を東進し、天文台東から「ふたりの丘」へ登りましょう。中腹から西側斜面の踏み跡へ分け入れば、ミツバツツジ群落内を泳ぐように散策できます。山頂には展望台があり、またもや360度のパノラマが。

断崖絶壁から張り出した驚異の堂宇

写真:春野 公比呂

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短時間でふたりの丘を往復すると、天文台横にある「山荘・梶ヶ森」西から北東に下って行きます。下る前に山荘で、登山コースが記載されたリーフレットを貰ってもいいでしょう。

道々には何ヶ所も地形図(東土居)に記載されていない分岐が現れますが、「ゴロゴロ八丁」への道標に従えば写真のような、絶壁の間を通ることができます。まるで長大な岩戸。ただ、このコースは石ころだらけのガレ場の急勾配。写真右側の岩盤から突き出した岩の下部に、投入堂的景観の堂宇「遍照院御影堂」の上り口があります。

断崖絶壁から張り出した驚異の堂宇

写真:春野 公比呂

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岩盤壁面から傾斜のついた岩の路面を登って行き、洞門風になった所を階段で抜けると、岩屋に張り付いたような仏堂が現れます。ここは弘法大師が若かりし頃、求聞持法を修し、梶ヶ森に巣くう悪鬼妖魔を調伏した所。本尊は大師の御影「神童の尊(きみ)」像。他に大師が納めた「御手判の石」や「降魔の剣」も伝わっていると言います。しかしこんな絶壁の岩屋に堂宇を建立するとは、建築する方も命がけだったことでしょう。
ゴロゴロ八丁を下って行くと、護摩堂に帰り着きます。

宿泊すると更に充実した山岳観光に

今回ご紹介した回遊コースは、復路のゴロゴロ八丁があまり整備されていないため、不安な方はもっと手前の分岐を右折し、道路に出て駐車場まで下る手もあります。記事で紹介したコースのタイムは、各所での休止や食事、写真撮影時間を含め、5時間少々です。

JR土讃線の豊永駅と大田口駅からもコースがありますが、登山に利用できる時刻の列車の便はありません。マイカー以外では、レンタカーかタクシーを利用するしかありません。

山荘は八合目にあり、食堂もあるため、昼食のみの利用もできます。山菜料理が人気です。八合目から上は至る所に「絶景」があります。

各種登山コースがあるため、登山初心者や行楽客でも山歩きを楽しめます。特に「ふたりの丘」は徒歩10分ほどで登頂できるので、幼児連れの家族でもOK。

ミツバツツジは4月下旬から5月半ばほどが開花期ですが、ツツジ類(園芸品種を除く)には「裏年」という年があり、その年は花のつき方が悪くなります。基本的に裏年が連続することはありません。

車利用時は初日、西方麓の樹齢三千年という四国一の樹高を誇る、美空ひばりゆかりの「杉の大杉」や、ハーブ園や四季折々の花の咲く「ゆとりすとパークおおとよ」等を見て回り、山荘かキャンプ場で宿泊して「星空の絶景」を堪能し、翌日、梶ヶ森のハイキングを楽しめば、充実した旅になることでしょう。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/04/30 訪問

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