懐かしい車両が一堂に!乗って触れて楽しい 群馬「碓氷峠鉄道文化むら」

懐かしい車両が一堂に!乗って触れて楽しい 群馬「碓氷峠鉄道文化むら」

更新日:2017/04/24 17:09

高橋 しゅうのプロフィール写真 高橋 しゅう 総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者
碓氷峠鉄道文化むらは、信越本線の横川と軽井沢間廃止に伴い、平成11年に群馬県横川駅に隣接して開業した鉄道博物館です。園内には、旧国鉄時代の貴重な30以上の車両が展示され、特に中高年世代に懐かしい車両が並びます。主に機関車や碓氷峠に関する鉄道資料が展示され、更に運転席に座ることができる車両もあります。また遊覧鉄道に乗車や、運転シュミレーター体験もできますので、世代を問わず楽しめる施設となっています。

かつて大活躍した懐かしい車両との再会

かつて大活躍した懐かしい車両との再会

写真:高橋 しゅう

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園内に入ってまず目に入って来る車両が、かつてこの地を走っていた代表的な特急あさま号の車両です。あさま号は信越本線を経由して上野駅と長野駅及び直江津駅を結んでいた特急電車で、北陸新幹線の長野開業まで在来線で活躍していました。

ここ鉄道文化むらのある横川と軽井沢間の碓氷峠の区間では、そのあさま号の電車が、電気機関車の補助を受けて勾配区間を行き来していたことが知られています。

そして今や全国的にも有名な名物駅弁「峠の釜めし」は、その電気機関車の連結作業時間に横川駅で販売され、乗客がこぞって買い求めていた光景は横川駅の風物詩でもありました。

かつて大活躍した懐かしい車両との再会

写真:高橋 しゅう

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園内には、他にもたくさんの車両が展示されていますが、かつて各地で活躍したローカル線の車両や、昔の客車に再会できるのもここの魅力の一つです。

以前は当たり前のように各地を走っていた車両も、今や引退して乗る機会も無くなりましたが、ここでは再びその姿に出会えます。その車両の数々は、鉄道好きならずとも特に中高年の世代の方々には懐かしく思えるのではないでしょうか。

車内で出会える懐かしい情景。当時に思いを馳せる

車内で出会える懐かしい情景。当時に思いを馳せる

写真:高橋 しゅう

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ここには昭和の時代に活躍した寝台車も展示され、実際に車内に入ることもできます。かつては全国を縦横に寝台列車が運行されていました寝台列車も近年次々と姿を消して行き、今や定期列車は東京駅発着のサンライズ号のみとなってしまいました。

この列車は、その懐かしい寝台車の一つで、旧型の車内には蚕棚の様な寝台が3段に並んでいます。近年誕生した豪華周遊寝台車とは異なり、ただ寝るスペースのシンプルな狭い寝台ですが、かつてはこれが標準のスタイルでした。

今となっては往時を知る世代にとっては懐かしい雰囲気の車両です。

車内で出会える懐かしい情景。当時に思いを馳せる

写真:高橋 しゅう

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こちらは、座席に備え付けてあった栓抜きや灰皿。昭和40〜50年代の頃には標準的な車両の設備でした。今や時代の変化とともに、鉄道はほぼ全席禁煙が主流となり座席の灰皿も不要となり、栓抜きが必要な飲み物が駅で売られることもなくなりました。

現代の車両にはどちらも見ることのない過去の代物ですが、こちらも中高年世代の方々には懐かしい光景で、若い世代の方には新鮮に感じるのではないでしょうか。

実車の運転台に座って運転手の気分に

実車の運転台に座って運転手の気分に

写真:高橋 しゅう

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園内の車両には、嬉しいことに多くの車両で客室のみならず運転台も開放されていて実際の運転台の機器に触れることができます。

写真は前段で紹介しました特急あさま号の運転台です。高い位置の運転台ですので前方の見晴らしも格別で、普段見ることのできない眺めと、珍しい計器類に誰もがワクワクします。

本物の車両の運転席に座れば、大人も子供も誰もが運転手気分、他ではなかなか体験できない運転台。この機会に満喫してみて下さい。

実車の運転台に座って運転手の気分に

写真:高橋 しゅう

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運転台に座って、計器に触れるだけでは物足りない方には、別途有料で運転シュミレーターも体験できます。しかもここで凄いのは、運転席が模型ではなく実物車両の運転台を利用したシュミレーターとなっていることです。

実際の機器を動かしながらの映像シュミレーションは、また格別な体験です。更に本物志向を目指す方には、何と実物の電気機関車を自分の手で運転できる体験コースも用意されています。尚、こちらは講義と実技を体験する本格コースで有料の事前予約制となります。詳細は、関連MEMO欄にも記載しております鉄道文化むらのホームページ内よりご確認下さい。

各地で活躍した機関車や珍しい車両も一堂に

各地で活躍した機関車や珍しい車両も一堂に

写真:高橋 しゅう

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園内には旧国鉄時代に活躍した各種車両が展示されていますが、特に電気機関車やディーゼル機関車等の機関車車両の展示が充実しています。

かつて碓氷峠で峠のシェルパとして活躍した電気機関車や、関門海峡で活躍した銀色の車体が異彩を放つステンレス製の機関車、かつては名列車を牽引した電気機関車等、貴重な機関車をここでは目にすることができます。

各地で活躍した機関車や珍しい車両も一堂に

写真:高橋 しゅう

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機関車の他にも、豪雪地帯を走ったラッセル車や、橋桁架設用の巨大なクレーン車等、普段の目にすることの無い、特殊な鉄道車両も展示され、その独特な形が見学者の目を惹いています。

このような珍しい車両に出会えることも、ここの魅力です。

鉄道模型の演出運転や遊覧鉄道等のアトラクションも豊富

鉄道模型の演出運転や遊覧鉄道等のアトラクションも豊富

写真:高橋 しゅう

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園内の鉄道資料館では、碓氷峠を再現した「碓氷峠ジオラマ」の鉄道模型実演運転も見逃せません。信越本線で活躍した新旧車両を中心に大きなジオラマを車両が行き交う光景は、大人も子供も思わず見入ってしまう人気のアトラクションです。

また資料館には、碓氷峠や信越本線に関する貴重な鉄道資料が展示され、歴史的背景や難所の峠を鉄道で克服する為の苦労等、興味深く碓氷峠について学ぶことができます。

鉄道模型の演出運転や遊覧鉄道等のアトラクションも豊富

写真:高橋 しゅう

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展示の他にも、遊覧鉄道あぷとくん(写真)や、手漕ぎトロッコ、小さなミニSL、更にはかつての信越本線碓氷峠区間2.6Kmを利用した本格的なトロッコ列車シェルパくん(ぶんかむら駅〜とうげの湯間)等、実際に乗車できるミニ鉄道もあり、こちらも人気となっています。
※一部冬季は運休の施設がありますので、詳細は関連MEMO欄記載のホームページよりご確認下さい。

鉄道文化むら観光とあわせて、碓氷峠の鉄道史跡めぐりもお勧め

碓井峠鉄道文化むらを訪れた際に、あわせて見ておきたいのが、碓氷峠区間の廃線跡に点在するかつての鉄道施設です。廃線跡は現在、遊歩道アプトの道として整備され、この遊歩道を使ってもハイキング気分で碓氷峠を散策できます。

峠の途中には、レンガ造りの鉄道橋めがね橋や国の重要文化財指定の旧丸山変電所、レンガ造りのトンネル等、数々の鉄道史跡が点在しています。鉄道史跡もあわせて観光すれば一日中、碓氷峠を満喫できます。

また、鉄道文化むらは、有名観光地の軽井沢や富岡製糸場からもアクセスが便利な場所にありますので、これらの観光地と一緒に観光されることもお勧めです。

鉄道好きの方はもちろん、幅広い世代で楽しめる碓井峠鉄道文化むら。懐かしい鉄道風景に会いに出かけてみませんか。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/01/27 訪問

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