写真:沢木 慎太郎
地図を見る「ミナミ」の愛称で知られる大阪・難波、心斎橋エリア。ミナミの中でも、難波の裏側にあたる場所が“裏なんば”です。そのディープな裏なんば代表するスポットの一つが、写真手前に見える「虎目横丁」。店先の赤い鳥居をくぐると、昭和レトロの屋台街が軒を連ねています。しかし、裏なんばで、もっとおすすめのディープスポットが、この後ろに建つ「味園ビル」。
写真:沢木 慎太郎
地図を見るこちらは「味園ビル」を見上げた写真。さきほどの「虎目横丁」でもちょっと入りにくい感じなのに、こちらはもっと入りずらい。「廃墟」「幽霊ビル」といった表現がぴったりの、ディープスポットファンにはたまらない聖地です。これこそが、「裏なんば」で随一の超ディープ観光スポット「味園(みその)ビル」(レジャーシティ味園ビル)。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る写真は「味園ビル」1階の入り口。1階には、フクロウとふれあえる「ふくろうカフェ」が入っています。ビルの入り口なのに、自転車が無造作に駐輪され、そこには「ナイトスポット エミ」の看板が。では、怪しすぎるディープスポット「味園ビル」に入ってみましょう。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る写真は、「味園ビル」の外に取り付けられたスロープ階段。昭和レトロを通り越して、不気味な廃墟感が漂います。しかし、この古さはたまらない風情!
写真:沢木 慎太郎
地図を見るスロープ階段で2階に上がると、そこはスナック街。壁に破れかけたポスターが貼られていますが、この古びた建物は、映画「味園ユニバース」(2015年公開、山下敦弘監督、出演・渋谷すばる、二階堂ふみ)の舞台となった場所です。関西の“サブカル宮殿”“大阪ミナミの魔窟”とも呼ばれ、大阪を埋め尽くす外国人観光客の姿もなく、大阪のアンダーグラウンドな文化が感じられる世界。
写真:沢木 慎太郎
地図を見るこちらも、さきほどご紹介した「味園ビル」。2階のスナック街は、裏なんばのシンボル「虎目横丁」とも一線を画した独自の味わい。小さいながらもライブハウスがあり、東京・歌舞伎町の新宿ゴールデン街と並ぶ、日本の超ディープスポットとなっています。
左に見えるスナック「なんば赤狼」は、壁から突き出したシカの首と赤い扉で知られる店。ジビエ料理を気軽に楽しめる店で、ワニ、シカ、ラクダ、ダチョウ、カンガルー、クマ、コオロギ、サソリなどの料理を食べることができます。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る「味園ビル」は1956年に建てられ、1980年代のバブル経済期に改装。モダンで高級感あふれるインテリアは、ミナミ・千日前の歓楽街を代表するレジャースポットでした。
5階建てで、1階には女性客も多いフクロウカフェ、2階はスナックやバー、ショップなどが入居しています。3〜4階には「ホテル味園」が入り、1泊1部屋の宿泊料金が3000円台からと超高コスパなホテル。
写真は3〜4階に入っているは「ホテル味園」ですが、今でもバブリーなたたずまいを見ることができます。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る「味園」といえば、宴会天国「味園」。バブル期には牛1頭と白菜2トンを1日で食べ尽くしたという伝説も。「食事のデパート」「味園ですき焼き食べ放題」というCMで一世を風靡(ふうび)した、超バブリーな宴会場です。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る写真は、宴会天国「味園」へ通じる“魔道”と呼べばいいでしょうか?このディープな先にあるのは、少人数から最大500人まで宴会が可能な宴会場(5階)。特上和牛すきセットや名代味園鍋セットなどを楽しむことができます。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る写真は、道に沿って味園ビルを進んだ先に見える看板。「ユニバース」という文字が見えますが、味園といえば、かつてキャバレーとしてにぎわっていた地下1階の「味園ユニバース」が有名です。
写真の奥に小さく見えるのが「黒門市場」。大阪・日本橋にある巨大な市場で、今では大勢の外国人観光客であふれています。「味園ビル」を見学し、「黒門市場」で食べ歩きを楽しむのもおすすめです。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る大勢の人々でにぎわった「味園ユニバース」。「キャバクラ」ではなく、ダンスや歌、バンドの生演奏が楽しめる「キャバレー」を象徴する夜遊び・ナイトスポットです。昭和の古き良き時代。「世界最大のダンスホール!ダンサー500名募集!」など活気に満ちた宣伝で賑わいましたが、時代の波に取り残され、2011年に営業を終了。今は貸ホールになっています。
昭和の遺物「味園ビル」。最盛期には、「明日の活力のためにサウナに入り、宴会し、カラオケスナック街で歌い、ディスコで踊り、終電車に遅れたら仮眠1000円でOK!美人マッサージ&ラウンジでお楽しみ!」というローカルなCMで人気に火が付き、大阪の総合レジャースポットとして賑わいました。
胸をはだけた女性や、ラウンジ嬢との濃厚なキスシーンなど、今では考えられないような過激なCMで人気を集めましたが、やがてキャバレーからキャバクラへと時代が移り変わり、多くの人々から忘れられ、廃墟のようにぽつんと裏なんばに建っています。多くの外国人観光客が押し寄せる大阪なんば・黒門市場ですが、裏なんば界隈はまだ外国人の姿は見られません。大阪の風情を静かに感じたい方におすすめのディープスポットです。
なお、大阪なんばの表通り「道頓堀筋」の見どころについては、「味園」とともに関連MEMOに貼り付けていますので、ご興味のある方はリンクからのぞいてみて下さい。
この記事を書いたナビゲーター
沢木 慎太郎
恋愛小説「星の流れに 風のなかに 宇宙の掌に」(※澤 慎一の名前で制作)が電子書籍化され、作家デビューしました。紀行小説「深夜恋愛特急」も、私のひそかなブーム。
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