写真:平川 いく世
地図を見るスイスの北東部に位置するバーゼルは、街の中心がフランスとドイツの国境からほんの2〜3km。バーゼル空港はフランスのミュールーズ、ドイツのフライブルクと共用していて、その名も「ユーロエアポート」。空港の敷地はフランス国内にあります。
空港からバーゼルに行くには、スイス側出口から出て50番のバスに乗ります。すぐに国境を越え、スイスに入国。約15分で、バーゼル駅(Basel SBB)に到着です。
写真:平川 いく世
地図を見るフランスもドイツも、国鉄はバーゼルまで乗り入れ。バーゼル市内に「フランス国鉄のバーゼル駅」と「ドイツ国鉄のバーゼル駅」があり、フランスとドイツから毎朝3万人以上が、高賃金のスイスに通勤して来ます。
フランス国鉄の駅は、バーゼル駅構内に。2017年より工事に入っており、2021年の完成後は新しいショッピングモールも登場する予定です。そしてドイツ駅はもう少しドイツ寄り、メッセ会場のすぐ近く。
写真:平川 いく世
地図を見るバーゼルのホテルに宿泊すると、チェックインの際に「バーゼルカード」がもらえます。これで滞在中は、バーゼルの交通機関に乗り放題!
ただし、フランスやドイツでは無効なので、ご注意ください。
写真:平川 いく世
地図を見るスイスと比べ、ドイツの物価は、だいたい半額〜3分の1以下!おみやげの大量買いなら、ドイツがお得。習い事や歯医者、郵便も安いので、バーゼル人は日常的にドイツに行くのです。
バーゼルを訪れるなら、トラムやバスで気軽に国境を越えられるので、ぜひバーゼル人と同じ体験をしてみましょう。スイスからドイツに行くには、例えばトラム8番が、大きなショッピングセンターまで連れていってくれます。バーゼル駅前から乗車すれば、22分。途中、バーゼル観光のハイライトである市庁舎の前も通ります。
この国境から徒歩3分、ライン川を越えてドイツからフランスへ渡る橋は「3国国境の橋」。3国が実際に交わる地点はライン川の中ですが、3国国境のモニュメント(Dreilaendereck)も橋の上から見えます!
ほかにも、バス38番・55番が同じくドイツまで乗り入れ。55番は、そのままヴィトラ・デザインミュージアムまで行けます。
写真:平川 いく世
地図を見るこの辺の国境はライン川に沿っているのですが、一部だけはドイツに突き出る形でスイスがあります。このエリアの先端は、まるで手のような形なので「アイゼルネハント(鉄の手)」と呼ばれ、野生動物が飛び回る、自然豊かなエリア。この付近を訪れたなら、ぜひ散策をおすすめします。
写真:平川 いく世
地図を見るスイスにももちろん、おいしいものがたくさん!……しかし、お隣のフランスにはかないませんね。という訳で、フランスまで行ってみましょう。トラム3番に乗れば、そのままフランスのサンルイ駅まで連れていってくれます。
スイスでありながら山がないバーゼルですが、スイスで最も傾斜したトラム路線というのが実はこの3番トラム。バーフューサー広場(Barfuesserplatz)と音楽学校の間のコーレンベルクという坂道、なんと最大4,5℃の勾配なのです!
写真:平川 いく世
地図を見るトラム3番は、フランス国境の税関のとなりに停車駅があり、2本に1本がそのまま越境します。下車して歩き始めるとすぐ、道端の表示がフランス語に変わり、人々の挨拶もボンジュール!に変わっています。
またはトラム11番が国境手前まで行くので、そこから徒歩で越境できます。ここサンルイは小さな街ですが、お買い物には充分。スイスやドイツではお目にかかれない魚介類や、おいしいパン、ケーキが手に入ります。
写真:平川 いく世
地図を見る特筆すべきは、トラム10番。途中で越境してフランスのライメン(Leymen)を通り、またスイスに戻ってくるという変わったルートです。全長約26km、実はヨーロッパで最も長いトラム路線。バーゼルラント州、バーゼルシュタット州を抜けてソロトゥン州まで行くのですが、いずれもバーゼルの通勤圏です。
ライメンには古いお城や教会があり、気軽に行けるフランスとして、スイス人には人気のスポットです!
写真:平川 いく世
地図を見るさて、2020年はバーゼルの乗り物好きがさらに興奮するニュースが!BVB(バーゼル交通社)の創立125周年を記念して、トラム車庫の一角に小さなミュージアムが誕生したのです。このトラムミュージアム、グループで申し込めば英語でガイドもしてくれます。
※2020年9月に予定されていた125周年記念の特別イベントは中止となりました。
写真:平川 いく世
地図を見る展示では、125年の歴史を誇るバーゼルトラムの歴史が、写真と共に解説されています。
1881年、馬トラムと呼ばれた馬車が、バーゼル初の公共交通機関としてお目見え。1895年、BVB社の創立により、モーターつき路面電車が登場。1900年には、すでに国境を越えてドイツまで乗り入れ。現在はフランス領であるサンルイが、当時はドイツ領だったためザンクト・ルドヴィークという名で、初の越境トラムの停車駅となりました。
その後、トラム路線は拡張の一途でしたが、1900年代後半、マイカーブームに押され、いったん縮小。2000年代になると、環境に優しいことからトラムが見直され、現在は再び発展を続けています。
写真:平川 いく世
地図を見る展示はほかにも、旧型のトラムが外国へ売られ、広告もそのままで現在も運行されている写真、かつての券売係の制服、古い定期券、運転手の帽子、車体の断面など。トラム運転のシミュレーション体験も!
車庫に並ぶトラムたちはガラス越しに眺められますが、車庫に入って案内してもらうことも可能です。特に、古き良き時代のレトロなトラム「オールドタイマー」は、貸し切りイベントに大人気!
ミュージアムの入場者は、このオールドタイマーが無料で体験乗車できます!(ミュージアム前の乗り場より、13:45より30分ごとに発車、16:45まで運行)。
<トラムミュージアム・バーゼルの基本情報>
住所:Muenchensteinerstrasse 101, 4052 Basel
連絡先:+41-61-685-28-57
2020年の開館日:9月20日、10月18日、11月15日(いずれも日曜日)
開館時間:13:30-17:30
料金:無料
アクセス:トラム10番「MParc」下車、徒歩1分
写真:平川 いく世
地図を見る乗り物好きなら、バーゼルにある「最も危険なターミナル」もチェックしておきましょう。写真撮影の際は注意が必要ですが、一見の価値ありです。
まずは、バーゼル駅(Basel SBB)前のターミナル。トラムが5本、バスが4本乗り入れていますが、踏切は一切なく、四方八方に線路がむき出しの状態。トラムとバスが縦横無尽に行き交う中、警笛は鳴るのですが、毎年ケガ人が出ています。が、運転手は慎重に徐行していますので、周囲をよく見ていればまず大丈夫。
写真:平川 いく世
地図を見るまたバーフューサー広場は、人通りの激しいにぎやかな広場に、トラム8本がひしめき合っています。
乗車ホームは、踏み切りなしで線路を横断できるため、特に小さいお子さんは要注意!
写真:平川 いく世
地図を見るこのためBVBは、2019年まで大規模な改良工事を決行。しかし利用者たちの混乱を招いたため、2020年は工事を当面減らすと宣言しました。
なので2021年は、静かにバーゼルの乗り物を楽しめるはず!
バスの運転手たちは、時刻表よりも乗客を大事にしています。慌てて走ってくる人や、切符を買えずにもたもたしている高齢者などが乗ったのを確認してから発車。さらに車内の乗客が開閉ボタンを押しておいてくれることも。しかもバスは歩行者のために、横断歩道の前で停車するのです!
ベビーカーや車椅子の人は、バスの車体中央から乗りましょう。専用スペースに、ベルトで固定できます(トラムは各車両に設置)。畳む必要はありません。さらに運転手は、ベビーカーが乗車しやすいよう、バスの車体を傾けてくれます!車椅子の場合は、運転手が降りてきてバスの床の一部をはがすので、それを傾斜台にして乗車できます。
トラムは、新型ならバリアフリーで段差がありません。旧型でも、周囲の乗客に必ず助けてもらえます。
※2020年9月現在、バーゼルの交通機関ではマスク着用が義務づけられていますのでご注意ください。
いかがでしたか。ライン川や大聖堂など、バーゼルの見どころは数多くあります。が、乗り物マニアにもぜひ訪れてほしい、ユニークな街なのです!
2020年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2025/1/14更新)
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