一和は今宮神社の東門に続く参道に店を構えています。外観はまるで時代劇のセットのような趣ある雰囲気!現在の建物は300年ほど前の江戸時代に建てられ、京都市の都市景観形成重要建造物に指定されています。参道に面した縁側の客席もあり、そこに腰かければ、まさに江戸時代の茶店にタイムスリップしたかのような気分!
なお、一和には京都で起きた応仁の乱の際、庶民にあぶり餅を振る舞い飢餓から救ったという話や千利休があぶり餅を茶菓子として用いたという話など、歴史的な逸話も残されています。
あぶり餅は親指の先くらいの大きさのお餅をきな粉にまぶし、それを今宮神社に奉納された斎串(いぐし)に刺して備長炭で焼き、最後に白味噌風味の甘いタレを絡めた和菓子です。
ござの上でお餅を丸めてきな粉をまぶす製法は創業時の平安時代から変わっていません!もちろんすべて手作業、そしてお店の風習により必ず女性の手で行われています。あぶり餅は雨の日も雪の日も天候に関係なく店先で焼かれ、こんがりと香ばしい香りが参道一帯に漂い食欲をそそります。
一和の客席は参道に面した縁側の席の他に、店内に座敷のフロアがあります。その座敷フロアはいかにも京都らしい純和風の落ち着いた空間で、老舗和菓子店でありながら肩肘張らずにリラックスできるアットホームな雰囲気が魅力です。
今宮神社にお参りに来た参拝客の他にもわざわざ遠方から一和のあぶり餅を求めて訪れる観光客も多く、店内はいつも賑わいをみせています。
店内には坪庭もあります。坪庭は京都の町家に多く見受けられる庭園で、町家内部に太陽の光を採り入れるなどの役目を果たしています。一和の坪庭はコンパクトながらも四季を通じて美しい表情をみせ、室町時代のものとされる手水鉢も必見!歴史を感じながらあぶり餅をいただけるのは一和の大きな魅力です。
一和のメニューは名物あぶり餅のみ!あぶり餅一筋のお店です。串の数は13本、漆塗りのお皿に盛られて提供されています。備長炭でこんがり焼いたお餅に白味噌風味の甘いタレが絶妙にマッチ!たっぷりとタレを絡めて楽しんでください。
あぶり餅に使用されているもち米は近江の羽二重、タレに使用している白味噌は京都の有名味噌店「本田味噌本店」の特上のもの、きな粉は深煎りの京きな粉といったように、一和は原材料にも徹底的にこだわっています。
持ち帰り(テイクアウト)もできますが、保存料などの添加物を一切使用せずに作られているため、その日のうちにしか食べられません。今宮神社に奉納された斎串を使用していることから、食べると無病息災のご利益が得られるとも言われています。
あぶり餅と共に出されるお茶もまたまろやかで最高のおいしさ!その秘密は使用されているお水にあります。一和の建物の中には何と1000年以上も昔から湧き続けている井戸があり、一和創業よりも前からあったとされています。
その井戸水を使用して淹れるお茶もまた注目ポイント!一和の井戸は京都最古の井戸と言われ、お店の方に一声かけると見学が可能となります。歴史的価値が高い神秘的な井戸をぜひご自身の目でご確認ください。
今宮神社の起源は正暦5年(997年)、都に蔓延していた疫病を鎮めるために創建され、現在では健康長寿のご利益があるとされ厚い信仰を集めています。また、今宮神社は八百屋の娘から徳川家将軍綱吉の生母となり出世街道を歩んだ桂昌院(お玉さん)にゆかりがあることから別名「玉の輿神社」とも呼ばれ、良縁や玉の輿にご利益がある神社としても人気!京都有数のパワースポットとして注目されています。
その今宮神社の門前にある一和は参拝客や観光客の休憩場所として欠かせない存在です。お参りの前に立ち寄るのもよし、後に立ち寄るのもよし。ぜひお参りとセットで一和のあぶり餅を楽しんでみてください。なお参道を挟んでもう一軒、同じあぶり餅を販売するお店「かざりや」があり、こちらも創業が400年近い老舗!一和とハシゴをして味比べをしてみるのも楽しいことでしょう。
一和のあぶり餅は平安時代から変わらない製法で作られています。代々伝統を受け継いでいくのは並大抵のことではなかったことでしょう。京都の今宮神社門前名物として愛されているあぶり餅には無病息災のご利益だけではなく、一和の伝統を守る思いも込められています。
1000年の時を越えて大切に受け継がれている一和のあぶり餅はわざわざ足を運ぶ価値あり!お店の方々のきめ細やかな接客も一級品です。ぜひ一和で京都の歴史と奥深い味を堪能してみてください。
この記事の関連MEMO
トラベルjpで250社の旅行をまとめて比較!
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索