福島盆地は古代湖?超穴場の初詣&初日の出スポット!『鹽竈神社』と穴原温泉

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福島盆地は古代湖?超穴場の初詣&初日の出スポット!『鹽竈神社』と穴原温泉

福島盆地は古代湖?超穴場の初詣&初日の出スポット!『鹽竈神社』と穴原温泉

更新日:2014/12/26 09:56

いずみ ゆかのプロフィール写真 いずみ ゆか ライター

年末年始、東北福島県へご旅行をお考えの皆様に朗報が!お正月の混雑が苦手、そして初詣と一緒に初日の出の御来光も楽しみたいという欲張りな方の願いを一気に叶えましょう!
福島市大笹生(おおざそう)羽根山に鎮座する『鹽竈神社(しおがまじんじゃ)』は、面白い伝承が残るご利益抜群の個性派神社。地元の方にしか知られていないので、そう言った意味で超穴場です。近くの子連れでも楽しめる穴原温泉と併せてご紹介します。

初日の出はここで拝もう!かつて湖(ウミ)だったと言われる福島盆地を一望

初日の出はここで拝もう!かつて湖(ウミ)だったと言われる福島盆地を一望

写真:いずみ ゆか

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鹽竈神社(しおがまじんじゃ)と言えば、陸奥国一宮と言われる宮城県塩釜市が有名ですが、福島県福島市にも地元の方に愛されている『鹽竈神社』があます。地元の方には初日の出&初詣スポットとして知られています。しかしあまりに地元密着な神社なので、超穴場でもあるのです!

写真は神社が鎮座する羽根山頂上からの福島盆地の景色。
かつてこの福島盆地は『信夫の浦』(信夫盆地)と呼ばれ、百人一首で源融が「みちのくのしのぶもちすり、誰ゆゑに乱れそめにし我ならなくに」と詠み、歌枕で使用した様に湖(=海、うみ)、もしくは古代湖だったそうです(信達平野湖説)。

あくまで伝承なのですが。しかし、実は『鹽竈神社』には信夫の浦に関する面白い言い伝えが残されており、しかもこの地が福島誕生の地であるような意味も!?

ちなみに「浦」とは陸地が湾曲して湖海を抱えこんでいる所のこと。内陸の盆地なのに、なぜか福島市の町名には湖(海)を連想する名が多いのも、かつて古代湖だった名残かもしれません。

公共交通機関が不便な所にあるため、レンタカーなど車利用をお勧めします。(約20台の無料の駐車場あり)
■アクセス
国道5号線の大笹生信号から南に約250メートル、大きな看板あり。所要時間はJR福島駅から車で約20分。
■住所 福島県福島市大笹生字羽根山34番

穴場スポットへは、辿り着くまでに新年からちょっとした修行が必要です(笑)。

穴場スポット『鹽竈神社』へ!用意すると便利な物と道中を楽しむポイント

穴場スポット『鹽竈神社』へ!用意すると便利な物と道中を楽しむポイント

写真:いずみ ゆか

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実は、穴場スポットへは新年早々ちょっとした登山をしなければならないのです。とは言っても本格的な山では無く小山ですが、足場が悪く、石段もガタガタな山道です。(所要時間は大人の足で片道約15分)
そこで、訪れる前にご用意して頂きたい物リストをご紹介します。

■滑りにくく歩きやすい靴
ガタガタの石段が霜や雪で非常に滑りやすいのでご注意を。怪我をしないよう歩きやすく滑らない靴で必ずお越し下さい。(新年早々滑るのは縁起が良くないですから)
■懐中電灯
初日の出を見るには薄暗い中、山道を歩くため。
■暖かい衣類とカイロ
小山ではありますが、冗談抜きで寒いです。ダウンを着るなど暖かい恰好をし、カイロを持参しましょう。
■温かい飲み物を入れた水筒
付近に自動販売機はありません。初日の出を待つ間、体が凍えてしまうので、新年早々風邪を引かないためにも身体が温まる飲み物を!
■お賽銭
絶対に忘れてはならないものですよね!(笑)
■カメラ
古代湖かもしれない!?信夫の浦(信夫盆地)より昇る初日の出を是非、撮って下さい。

この山道を楽しむポイントは、道中に氏子の方々が奉納した一風変わった奉納品の数々。かなり面白いので、新年早々「クスッ」と初笑いが出る事間違い無し!

なぜここに!?「敵に塩を送る」で有名な上杉謙信ゆかりの奉納品と『天地人』直江兼続の弟とは?

なぜここに!?「敵に塩を送る」で有名な上杉謙信ゆかりの奉納品と『天地人』直江兼続の弟とは?

写真:いずみ ゆか

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ここで初笑いに関する奉納品の一部とちょっとした歴史小話をご紹介します。
神社入り口にある最初の急な階段を登ると、左右に非常に大きな『大塩瓶』と『大釜』が一対で奉納されています。

上杉謙信が武田信玄と甲斐の国の民に『敵に塩を送る』話は有名ですが、『大塩瓶』はその時代に実際使用された塩貯蔵用の大瓶なのだそう。対の『大釜』は天文二年の銘があり、約400年前、あの上杉謙信が家来の炊出用に使用したものなのだそうです。どちらも上杉家縁のものとして一対で宮城県から入手し奉納されたとの事です。

「えぇ〜嘘だ〜!」と思われた皆様、「クスッ」と初笑いのついでにこの福島市の『鹽竈神社』が実は上杉家と縁が深い神社である秘密を。
神社には「樋口秀兼」とその子孫の墓があります。「樋口秀兼」とは誰ぞや?と思われた方、2009年のHNK大河ドラマ『天地人』の直江兼続の弟と言えばお分かりでしょうか?

豊臣時代、越後藩の上杉景勝(直江兼続の主君)が会津120万石に転封され、福島県中通り以西地域を治めました。この信夫の地(福島市)は一時、上杉氏の所領だったのです。
直江兼続は上杉家の家臣・樋口兼豊の長男でしたが、直江家の養子になったため、樋口家は三男の樋口秀兼が相続。後に福島に移り住み、領地内の見回りに励んだと言われています
この『鹽竈神社』が鎮座する羽根山は、かつて樋口家が城主だった羽根山城跡でもあるのです。

ちなみに樋口家のご先祖様は木曾義仲(源義仲)の平家討伐の参加した中原兼遠なのだそう。更に遡ると、実在したかどうか不明と言われていますが、第三代安寧天皇(=磯城津彦玉手看尊(しきつひこたまてみのみこと))が源流の古代豪族だという説があるそうです。

初詣&初日の出を楽しみながら、更に古代から中世・戦国に至るまでの歴史ロマンも感じてみて下さい。

「福島が誕生した地」!?でパワーとご利益を頂こう!

「福島が誕生した地」!?でパワーとご利益を頂こう!

写真:いずみ ゆか

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御本殿の御祭神は全国の「鹽竈神社」と同じく、「経津主命(ふつぬしのみこと)」と「武甕槌命(たけみかづちのみこと)」「塩土老翁命(しおつちのおじ)」です。

お参りの後、忘れずにご覧頂きたい場所が2カ所あります。

■神社の由来が書かれた板碑
<概要>
「天孫・瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)の命を受け、経津主命と武甕槌命は国を平定するため塩土老翁を道案内としてこの地に来た。信達平野(しんたつへいや=福島盆地の事)は水溜りのような湖水だった。人が住むために塩が必要と、塩を炊くため湖水の渚から孤島を見つけ塩土老翁が塩作りの業を伝えた。その記念として祠が建てられた。一行は帰還し、鎮護の役として鹿島と香取に鎮座した。樋口家の氏神であったとされる。(樋口家古文書による)」

経津主命と武甕槌命は対で扱われる事が多く、塩土老翁(塩筒老翁)と共に日本書紀の神武東征に登場します。神社の由来は神武東征の内容と似ているのです。

■「御神馬 蹄の跡」の説明&その神馬の蹄跡が残る岩
古来の製塩方法では「玉藻」と呼ばれる海草のホンダワラを使用したのですが、玉藻は別名「神馬藻」とも言います。板碑の「塩土老翁の塩作りの業」と何か関係がありそうで意味深です。

また諸説あるのですが、『福島』の地名の由来で

「信夫郡は昔、見渡す限りの湖で真ん中に信夫山があった。信夫山に吾妻おろしが吹きつけていたため、吹島(ふくしま)と呼ばれるようになった。長い歳月を経て、湖が干上がり陸地ができ、集落が生まれた。吹島は風が吹きつけることを嫌って「吹」を「福」とし、福島と呼ぶようになった。( 伊達風土記より)」

という説があり、神社板碑にある湖の話と重なるので、初日の出と一緒に見た風景は、福島誕生ゆかりの地かもしれない!?なんて想像するとワクワクしませんか?

しかし、福島盆地が浅海であった時代は、人類誕生以前の約1500万年〜1600万年前の地層だと地質調査により確認されたとのこと。県名の由来になる様な福島盆地が古代湖だった伝承は地理学的にはありえないのだそうです。(湖底だったはずの場所から縄文・弥生期以降の史跡が発掘されているため)

ではなぜ福島市の『鹽竈神社』に古代湖だった伝承が残されているのでしょう?新年早々、謎が謎を呼びますね!  

御祭神「塩土老翁」は、その名の通り「塩の神」・「製塩の神」。
塩は古来より穢れを払うので神聖視され、無病息災のご利益と繋がったとのこと。潮の満ち引きが人の生死に関係している事もあって、延命長寿、安産祈願、子供の守護、家内安全のご利益があります。また「塩土老翁」は水先案内人的役割や製塩技術を伝えた事から、交通安全や産業開発のご利益もあるそうです。

穴場の温泉!?「穴原(あなばら)温泉」!家族みんなでぽっかぽか

穴場の温泉!?「穴原(あなばら)温泉」!家族みんなでぽっかぽか

写真:いずみ ゆか

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近くには、日本三大不動といわれ、開山800余年の歴史がある『中野不動尊』があり、厄除けで大変有名です。(福島では有名な初詣スポットなので混雑が予想されます)折角なので、併せて訪れても良いでしょう。
その後で、凍えた体を温泉へ温めに行きませんか?『鹽竈神社』や『中野不動尊』から車で更に約15分。(JR福島駅から車で約30分)天保十二年創業の老舗温泉宿『穴原温泉(奥飯坂・飯坂温泉)吉川屋』があります。小さなお子様連れに優しいサービスが多いお宿なので、家族連れは是非、宿泊を!年末年始を家族でのんびりするのにお勧めです。

穴原温泉は、福島市の奥座敷で奥州三名湯の一つ「飯坂温泉郷」の更に奥にあるので、実は穴場の温泉。泉質は弱アルカリ性の単純温泉。鎮静効果があるので神経痛・筋肉痛・関節痛などに効果があります。また疲労回復、冷え症、美肌効果も。

吉川屋は日帰り温泉入浴が可能。大浴場と露天風呂が利用出来ます。(貸切風呂あり)
〈利用時間〉 11:30〜15:00(入浴の最終受付時間は14:00)
〈利用料金〉 大人1,000円 / 小学生700円 / 3歳以上500円
〈お問い合わせ〉 TEL 024-542-2226
※状況により急きょ利用時間が変更になったり、利用をお断りする場合があるそうなので、訪れる前に必ずお電話で確認して下さい。

更に冬休み期間(春休み・夏休み・GW期間も)は、温水プール「アフロス」も利用可能です。
<利用時間>11:00〜18:00※外来利用可能で15:00(最終受付14:00まで)

※写真は3室限定の露天風呂付客室のお風呂。予約がすぐ一杯になる人気のお部屋なのでご注意下さい。

たまにはこんな初詣も面白い!

内陸なのに古代湖伝説の謎に溢れ、更に歴史ロマンもあるなんて。”今までとは違う福島”をまさかの初日の出&初詣で楽しめます。年末年始に是非、福島市の『鹽竈神社』を訪れてみませんか?

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/09/23 訪問

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