篠山城下町ホテルNIPPONIAは、城下町が一つのホテル

篠山城下町ホテルNIPPONIAは、城下町が一つのホテル

更新日:2018/01/30 14:02

風祭 哲哉のプロフィール写真 風祭 哲哉 B級スポットライター、物語ツーリズムライター、青春18きっぷ伝道師
約400年の歴史を持つ城下町、兵庫・丹波の篠山市。この篠山城下の町全体を「ひとつのホテル」と見立て、築100年を超える古民家群を宿泊施設に改装し、まるでここで暮らすように過ごすことを可能にしたのが「篠山城下町ホテルNIPPONIA」。

今も数多く残る史跡や文化財、地元カフェや雑貨店、和菓子店もここではホテルの敷地のひとつ。今回は、城下町全体がホテル、という日本で初めての旅の楽しみ方を紹介します。

「篠山城下町ホテルNIPPONIA」のコンセプト

「篠山城下町ホテルNIPPONIA」のコンセプト

写真:風祭 哲哉

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篠山城下町ホテルNIPPONIAの「NIPPONIA」とは、日本を象徴する鳥と呼ばれるトキの学名「ニッポニア・ニッポン」が由来。トキと同様、日本の伝統的な古民家やまち並みも、大切に守り育てていかなければならない宝物です。
その歴史的なまち並みや暮らしをホテルとして生かし、未来へとつなげたい。「NIPPONIA」とは、そんな想いを込めて名付けられているのです。

「篠山城下町ホテルNIPPONIA」のコンセプト

写真:風祭 哲哉

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「NIPPONIA」とは、日本各地に残されている古民家を、その歴史性を尊重しつつ、宿泊施設や飲食店などにリノベーションし、その土地の文化や歴史を肌で感じられる複合宿泊施設として再生していく取組みのこと。
現在はこの丹波篠山のほか、天空の城で名高い兵庫・但馬の竹田城下町の古民家を改築したホテルや、同じく但馬の豊岡に国登録有形文化財であった銀行の建物を改装したオーベルジュなどがあります。

「篠山城下町ホテルNIPPONIA」のコンセプト

写真:風祭 哲哉

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この篠山城下町ホテルNIPPONIAは、篠山の城下町に5つの宿泊棟が点在しています。ONAE(オナエ)、SAWASIRO(サワシロ)、NOZI(ノジ)、SION(シオン)と、古くから篠山と関わりが深い「菊」の名称がつけられている4つの棟と、日本を代表するプロダクトデザイナー喜多俊之氏プロデュースにより新しく加わったSYOUZI-AN(障子庵)。 

フロントとレストランはONAE(オナエ)棟にあり、宿泊者はONAE棟でチェックインを終えると、地元のお店が並ぶ城下町の空気に触れながらそれぞれの宿泊棟へと向かいます。

「篠山城下町ホテルNIPPONIA」のリノベーション

「篠山城下町ホテルNIPPONIA」のリノベーション

写真:風祭 哲哉

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篠山城下町ホテルNIPPONIAの玄関であり、メインロビーとなるONAE(オナエ)棟は、明治期に建てられ、かつては元銀行経営者の住居だった古民家。現在では、主屋、離れ、土蔵、庭園が残っており、フロントやレストランのほか、5つの客室が設けられています。

「篠山城下町ホテルNIPPONIA」のリノベーション

写真:風祭 哲哉

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篠山城下町ホテルNIPPONIAのリノベーションコンセプトは、その建物が最も輝いていた時代の趣や風情を残しつつ、上質な空間として生まれ変わらせること。あえて便利さを追求しすぎず、当時の暮らしを等身大に感じられるようにしつつも、現代の感性と快適性も両立できるよう工夫されています。
(写真はONAE棟 103号室の2階寝室)

「篠山城下町ホテルNIPPONIA」のリノベーション

写真:風祭 哲哉

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篠山城下町ホテルNIPPONIAとなっているのは、かつての名家の邸宅や蔵、離れなど。それぞれの棟や部屋によって趣が異なるため、一つとして同じ部屋はありません。
けれどもすべての客室に共通しているのは、テレビや時計が置いてないこと。もちろんそれは日常の喧騒を離れ、城下町でのひと時をゆっくりと過ごしていただくためなのです。

「篠山城下町ホテルNIPPONIA」の本格フレンチ

「篠山城下町ホテルNIPPONIA」の本格フレンチ

写真:風祭 哲哉

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篠山城下町ホテルNIPPONIAのディナーは、意外にも本格フレンチ。
丹波篠山は、全国的にも名高い特産品も多く、まさにブランド食材の宝庫。丹波の黒大豆を筆頭に栗や松茸、イノシシや鹿などのジビエ、丹後・但馬の鮮魚や蟹といった海のもの、そして但馬牛。
こうした滋味豊かな地元の食材を、関西フレンチの巨匠と呼ばれる石井之悠さんが本格的なフレンチとして提供しています。

「篠山城下町ホテルNIPPONIA」の本格フレンチ

写真:風祭 哲哉

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朝夕の食事は、ONAE棟の美しい中庭に面したダイニングで提供されます。ONAE棟以外に宿泊する方には、もちろん往復の送迎も用意されています。
室内の照明も暗めで落ち着いていて、日常から離れ、ゆったりとした時間を味わえる心地よい空間です。

一方、朝は新鮮な地元食材を使った栄養たっぷりの和朝食。特に炊き立ての篠山デカンショ米のご飯に黒豆味噌のお味噌汁、肉厚でふわふわした卵焼きが特徴です。

「篠山城下町ホテルNIPPONIA」その他の宿泊施設

「篠山城下町ホテルNIPPONIA」その他の宿泊施設

写真:風祭 哲哉

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篠山城下町ホテルNIPPONIAは、代表棟であるONAE棟のほかに、篠山の城下町に4つの宿泊施設を展開しています。

ONAE棟のすぐそば、歩いても1分ほどの場所にあるのが、SAWASIRO(サワシロ)。これは江戸後期に建築された茶屋の店舗兼住宅で、篠山城下町ホテルNIPPONIAの建物の中でも最も古い建物とされています。開放感のある吹き抜けが特徴的な土間が共用スペースとなっていて、メゾネットタイプや離れ土間付の部屋など、3つの客室があります。

「篠山城下町ホテルNIPPONIA」その他の宿泊施設

写真:風祭 哲哉

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ONAE棟からは約2キロ、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定された河原町の一角にあるのがNOZI(ノジ)。明治初期に創建された母屋からは、格子越しに街道の情景が映り、また扉を開ければすぐ目の前には趣ある妻入商家群の町並みが。
この建物には客室が2つ。客室の入り口もそれぞれ別に設けられていて、プレイベート感あふれる大人の隠れ家的なつくりになっています。

「篠山城下町ホテルNIPPONIA」その他の宿泊施設

写真:風祭 哲哉

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ONAE棟から約1.5キロ、河原町の妻入商家群の通りから少し横道に入り、王地山の麓にあるのがSION(シオン)。ここは古き良き日本の家を一棟貸し切りにできるのが最大の特徴。改装されてやや現代風になってはいますが、広々とした日本家屋が一棟丸々使えるため、グループや三世代など大人数の旅行に最適です。

このほか、プロダクトデザイナーの喜多俊之氏が客室内のインテリアをプロデュースし、クリエイティブな客室として生まれ変わったSYOUZI-AN(障子庵)が、篠山のメインストリートである二階町通りのギャラリーの2階にオープンし、篠山城下町ホテルNIPPONIAのラインナップとして新たに加わりました。

城下町に暮らすように泊まれる「篠山城下町ホテルNIPPONIA」

城下町全体がひとつのホテル、という日本で初めてのコンセプトにより生まれた篠山城下町ホテルNIPPONIA。宿泊棟を分散させ、フロントやレストランを敢えて1か所にしか設けないのは、城下町をのんびりと歩き、そこにある歴史や文化、地元のお店や人々と触れ合う体験すべてをホテルの滞在の一部としてほしいから。

「歩く速度だからこそ発見できる素敵な出会い」
篠山城下町ホテルNIPPONIAのパンフレットにはそんな言葉が書かれています。

どこからか車でスっとやって来て、ガイドブックで人気の観光地だけをちょこっと見て、すぐに次の観光地へと走り去る―
これだけでは日本の大切な宝物を守り育てていくことはできません。
だからこそ「NIPPONIA」は、そのまち並みや暮らし全体を未来へとつなげることを目指しているのです。

ぜひこの新しい滞在の形を体験し、日本の伝統文化をいつまでも残していけるよう、応援してみませんか?

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/03/25−2017/03/26 訪問

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