写真:浦賀 太一郎
地図を見る世界遺産・五箇山の合掌集落は、菅沼集落と相倉集落の二ヶ所があり、「民宿 長ヨ門(ちょうよもん)」は相倉合掌集落内に位置しています。宿名の由来は、元々は長右衛門であったのが、いつしか訛って長ヨ門と言うようになったからだそうです。
集落内への車の乗り入れは、住人や関係者以外は禁止ですが、集落内の宿に泊まる人は、入口に立つ係員の人にその旨告げれば通してもらうことができます。
写真:浦賀 太一郎
地図を見る優しい奥さんに迎え入れてもらうと、お部屋に荷物を置いてホッと一息している間に、居間でお茶を入れ、お菓子を用意してくれています。居間は、五箇山では「オエ」と言うそうです。オエには囲炉裏があり、夜ご飯になるであろう岩魚が焼かれています。
外には緑豊かな相倉集落の風景が、まるで絵画の一編のように鮮やかに広がっています。BGMはカエルの合唱。蝉の鳴き声すら山あいに遠く、不思議とうるさくありません。囲炉裏を囲んでお茶をすすれば、奥さんや居合わせた他の宿泊客と、自然と会話が弾みます。
写真:浦賀 太一郎
地図を見る部屋は風情ある和室です。夏でもクーラーは必要ありません。五箇山に熱帯夜は無く、窓を開けて寝ると、真夏でも日によっては少し冷えるくらいかもしれません。
共同のトイレ(ウォシュレット付き)や浴場は清潔に保たれ、古民家にありがちな不快感は皆無です。内装は全般的には昭和ナイズされていますが、やはりオエの雰囲気や、窓の外の田んぼの風景は、本当に素敵ですよ!
写真:浦賀 太一郎
地図を見るお待ちかねの夕食は、五箇山の郷土料理づくし。食材のほとんどは、自家製か、集落内で採れたものばかり。山菜は、テレビで紹介されブームになったものではなく、本当に美味しいと思えるものを吟味して出してくれます。
鯉の洗い(写真手前)は、鯉独特の臭みといったものが全くありません。綺麗な水で育ち、洗われた鯉の、本当の美味しさを実感できることでしょう。
自家栽培のお米は、それこそお米だけで食べられるくらいに甘く、どの食材にもぴったり合います。奥さん曰く「美味しい美味しくないは別として、自分の所で作ったお米を出したいんですよ」。強い思いで育てられたお米は、本当に美味しいですよ。
写真:浦賀 太一郎
地図を見る五箇山の食文化で代表的なものが、夕食でも食べられる「五箇山とうふ(写真)」。豆腐は奈良時代に中国から日本に伝わり、やがて今のように柔らかいイメージの食べ物になりましたが、昔はすべて「堅豆腐」でした。江戸初期から豆腐造りが始まった五箇山では、オリジナルの堅豆腐が受け継がれ、縄で縛って持ち運ぶという、五箇山とうふの伝統的風景が誕生したのです。
また、オエには五箇山の伝統的な楽器である「こきりこ」が飾られており、奥さんがこきりこを使いながら「日本最古の民謡」と云われる「こきりこ節」を謡ってくれたりもします。
「マドのサンサはデデレコデン ハレのサンサもデデレコデン」のお囃子から始まるこきりこ節。すっかり静まり返った相倉の集落に、奥さんのこきりこ節だけが、響いているようです。
写真:浦賀 太一郎
地図を見る近年では、白川郷でも五箇山でも、夜のライトアップが人気ですが、人が住む集落という事もあり、時期が限られています。ですが、大掛かりなライトアップではなくても、窓明かりを灯してくれる日もあり、闇夜に浮かび上がる合掌造りの民家が素敵です。
静かな相倉集落の夜。幾つかの民宿では楽し気な声が聞こえてきたりもしますが、少し離れると、その音も蛙の鳴き声に消し去られ、それすら遠くに感じられ、自分たちの歩く足音だけが、やけに大きく聞こえます。
暗く、静かな世界遺産の夜の姿は、走り去るように通り過ぎていく普段の観光では得ることができません。ずっと忘れることのない、大切な思い出になることでしょう。
写真:浦賀 太一郎
地図を見る朝はお散歩をしてみましょう。集落内は、夕方以降から早朝までは観光客は入ることができませんが、宿泊客はマナーを守って散策することができます。集落内のマナーに関しては、下記MEMOリンクの「相倉合掌造り保存財団」HP、観光情報→ようこそ相倉へをご確認ください。
写真は、集落を一望できる展望所から。第一駐車場の近くの棚田から登ることができます。他にも集落を守ってきた地主神社。五箇山街道の名残など、至る所に五箇山らしい風景を見ることができます。
写真:浦賀 太一郎
地図を見る集落の真ん中付近にある「茶店 まつや」も日中は観光客で賑いますが、8:00から開店しているので、早い時間ならば五箇山の水で淹れたコーヒーをゆったり満喫できますよ。
伝統的な合掌造りの民家で、昔ながらの食事や伝統を楽しむことができる「民宿 長ヨ門」。今回は紹介しきれませんでしたが、オエ(居間)には囲炉裏やこきりこの他にも、五箇山や集落の人々の暮らしや文化を垣間見ることができる貴重な記憶の欠片がちりばめられています。
ぜひ「民宿 長ヨ門」に泊まって、普段の観光や、資料館などでも知ることのできない、五箇山の真の魅力に触れてみて下さいね!
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(2024/4/19更新)
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