隠れキリシタンが信仰を守り続けた地 天草市「大江天主堂」

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隠れキリシタンが信仰を守り続けた地 天草市「大江天主堂」

隠れキリシタンが信仰を守り続けた地 天草市「大江天主堂」

更新日:2017/05/23 17:12

肥後 球磨門のプロフィール写真 肥後 球磨門

熊本県の天草諸島はキリスト教が禁教だった時代に多くの隠れキリシタンが信仰を守った土地です。天草市大江はキリスト教が解禁された後、天草で初めて教会ができた場所で、明治25年、フランス人宣教師ガルニエ神父が赴任してきました。パアテルさんと信者から親しまれたガルニエ神父は生涯を天草で過ごし、私財を投じて天主堂を建設しました。青空の下で白く浮かび上がる白亜の大江天主堂を紹介します。

農村風景に溶け込む大江天主堂

農村風景に溶け込む大江天主堂

写真:肥後 球磨門

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天草市天草町大江は、九州自動車道松橋ICからおよそ120km離れた場所にあり、熊本市内からだとおよそ3時間のドライブになります。国道389号線を天草市中心部から60分ほど南下すると、右手の丘の上に見えてくるのが大江天主堂です。

農村の景色の中に溶け込むように佇む教会を見ると、キリスト教が禁教の時代、熊本中心部から遠く離れた土地が、隠れて信仰を続けていくのに都合が良かったのだろうと想像できます。農村に建つ教会を見て、教会はなく宣教師もいなかった時代から、明治になって禁教が解けるまでの間、天草の隠れキリシタンが過ごした苦難の日々に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

鉄川与助が設計した青い空に映える白亜の大江天主堂

鉄川与助が設計した青い空に映える白亜の大江天主堂

写真:肥後 球磨門

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キリスト教が解禁されたあと、天草で最も早く活動を開始した教会が大江教会です。現在の大江天主堂は、明治25年(1892年)、大江教会に赴任してきたフランス人宣教師ガルニエ神父が私財を投じて建てたもので、昭和8年(1933年)に完成しました。

ロマネスク様式の天主堂を設計したのは当時の教会建築の一人者で、長崎の原爆で倒壊した浦上天主堂の建造にもかかわった鉄川与助です。数多くのカトリック教会の建築を手がけ、「教会建築の父」と呼ばれた鉄川与助が設計した大江天主堂は、青い空と白亜の白のコントラストが本当に美しい教会です。

天主堂内部は自由に拝観できますが、見学のときは静粛に、そして内部の撮影は禁止となっているので注意してください。拝観時間は午前9時から午後5時までで、毎週月曜日が閉館日になっています。

一度も帰国することなく大江で過ごしたガルニエ神父

一度も帰国することなく大江で過ごしたガルニエ神父

写真:肥後 球磨門

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大江にキリスト教会が復活して数年後、200年を超える禁教の時代に代々信仰を守ってきた信者と供に暮らしたいと自ら志願して、フランス人宣教師のガルニエ神父が赴任してきました。ガルニエ神父は生活費を節約し、祖国フランスから送られてくる一時帰国費用も蓄え、全ての財産を天主堂の建設に投じキリスト教伝道のために尽くしました。

一度も帰国することなく大江で過ごしたガルニエ神父

写真:肥後 球磨門

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地元民からフランス語で神父を意味する「パアテルさん」と親しみをこめて呼ばれたガルニエ神父は、昭和16年(1941年)に82歳で亡くなるまで一度も帰国することなく天草の地で生涯を終えました。神父の墓は天主堂を見守るように建っています。

地元の信者のために質素な暮らしを続け、人生の半分以上を天草での布教活動に費やしたパアテルさん。神父の像の前に立ち、異国の地で人生を終えたパアテルさんについて思いをめぐらせてみてはいかがでしょうか。

パアテルさんに会うためにやってきた若者5人「五足の靴」

パアテルさんに会うためにやってきた若者5人「五足の靴」

写真:肥後 球磨門

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大江天主堂の敷地内に「白秋と ともに泊りし 天草の大江の宿は 伴天連の宿」と書かれた詩人吉井勇の歌碑が建っています。明治40年(1907年)、都会で暮らす5人の若者が、遠く離れた天草の大江で布教活動を続ける「パアテルさん」に会うためにやってきます。それが与謝野鉄幹と、まだ学生だった北原白秋、木下杢太郎(太田正雄)、平野万里、吉井勇、の4人で、のちに「五足の靴」と呼ばれる若者達です。

パアテルさんとの出会いは、彼らにとって新鮮な驚きと感動そのもので、その体験がのちに異国情緒と浪漫溢れる「南蛮文学」と呼ばれる新しい日本文学を展開することになりました。大江天主堂を来訪し、五足の靴一行とパアテルさんの衝撃的な対面がどのようなものだったか想像してみてはいかがでしょうか。

パアテルさんに会うためにやってきた若者5人「五足の靴」

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天草の隠れキリシタンの歴史を知る「天草ロザリオ館」

天草の隠れキリシタンの歴史を知る「天草ロザリオ館」

写真:肥後 球磨門

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天主堂がある丘の下に、隠れキリシタンの貴重な遺物などを展示した「天草ロザリオ館」があります。キリスト教の伝来から禁教、そして弾圧を受けた時代の歴史や、信者たちが聖母子像に見立てて礼拝したマリヤ観音などの資料が展示されています。

入館して、まず初めに隠れキリシタンについて解説された3D映像を観ることをおススメします。この映像を観れば館内の展示品について理解を深めることができます。隠れキリシタンが祈りを捧げるために造った「かくれ部屋」は信者が唱えていたオラショ(祈りの声)とともに再現されているので、禁教時代の深い信仰心を肌で感じることができます。

大江天主堂見学の折に立ち寄って、隠れキリシタンの歴史と文化に触れ、弾圧された当時の信者達の声に耳を傾けてみてはいかがでしょうか。

熊本県天草の白亜の天主堂を訪問しませんか?

白亜の教会「大江天主堂」は、天草キリシタンの信仰とガルニエ神父の功績を知ることができるおススメの場所です。天主堂から車で10分ほどのところにある崎津漁港には、「海の教会」と呼ばれる崎津天主堂があり、ここでも天草キリシタンの文化に触れることができます

熊本市内から車で3時間近く離れた場所なので、慌しく日帰りをせず、大江天主堂近くにある下田温泉で一泊してはいかがでしょう、東シナ海に沈む夕日が絶景のおススメの温泉地です。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2017/05/04 訪問

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