西日本唯一のオンツツジ古木群落・徳島「船窪つつじ公園」

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西日本唯一のオンツツジ古木群落・徳島「船窪つつじ公園」

西日本唯一のオンツツジ古木群落・徳島「船窪つつじ公園」

更新日:2017/05/01 18:03

春野 公比呂のプロフィール写真 春野 公比呂 歴史研究家、郷土文筆家、郷土登山家

全国にツツジ名所は数多いのですが、樹齢400年以上、樹高が6mにも及ぶオンツツジが、全長500mの船形地形に1,200株も密生している箇所は類を見ません。古木だけに一株から20数本以上の主幹が出ており、実質的には3万本以上が凝縮されているのです。その徳島県吉野川市「船窪つつじ公園」はまるで「ノアのツツジ船」。そこからは阿波の修験道発祥の地、高越寺を擁す高越山までハイキングを楽しむことができます。

道路を歩くより遊歩道を

道路を歩くより遊歩道を

写真:春野 公比呂

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船窪つつじ公園は標高1060m地点にあり、一帯は船窪高原と呼ばれています。大半の行楽客は公園(自然公園)の駐車場までマイカーで行き、そこから公園まで道路を歩いて行くのですが、折角手前の山に遊歩道が整備されているので緑の中を歩いてみたいもの。その中の一つは高越寺参拝道で、道しるべも残されています。周囲の山林は植林帯なのですが、路面や道端には各種小花が咲いています。

道路を歩くより遊歩道を

写真:春野 公比呂

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参拝道から尾根道に移り、登って行くと植林帯の中、下草のようにアセビの幼木群生地があります。

道路を歩くより遊歩道を

写真:春野 公比呂

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尾根道を登り詰めた所の1120mピークは全く展望がありませんが、爽やかな風がそよいでいます。山好きな方は行楽客でごった返す公園で食事(開花期の土日は軽食コーナーあり)するより、ここで弁当を広げる方がお勧めです。
ピークから北西へ下って行くと公園の屋台エリアに出ます。その側は展望所になっており、剣山系の山々を望見できるのですが、手前の植林が伸びてきているため、視界の「展望寿命」は短いかも。

真っ赤な巨大ツツジ方舟現る!

真っ赤な巨大ツツジ方舟現る!

写真:春野 公比呂

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園内にはツツジ群生を見渡せる展望台が設置されています。群落は細長く見えますが、幅は60mあります。

真っ赤な巨大ツツジ方舟現る!

写真:春野 公比呂

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5月中旬から下旬にかけて、紅や桃色の花が咲き誇ります。’85年、国の天然記念物に指定されました。まるでオンツツジが植栽されたかのように、きれいに生えそろっています。

真っ赤な巨大ツツジ方舟現る!

写真:春野 公比呂

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展望台からは細長い方舟的ツツジの光景しか見られないのですが、道路南側の斜面に登れば、奥行のある景観を見ることができます。ある種、人のいない特等席でもあります。

燃える赤に萌える

燃える赤に萌える

写真:春野 公比呂

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ツツジの方舟周囲には遊歩道がつけられており、一巡できます。まるでこの世の天国。

燃える赤に萌える

写真:春野 公比呂

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群落内には立ち入ることができませんが、遊歩道から内部を覗くだけでも十分気分が華やぎます。

燃える赤に萌える

写真:春野 公比呂

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ここの群落は落ち花も魅力の一つ。早めに咲き終わった木の元周辺地面は、落ち花で埋め尽くされているのですが、それがレッドカーペットのようであり、また、その色が周囲の幹に反射し、全体が赤く染まって見えます。

碑の上に登れば意外な絶景が

碑の上に登れば意外な絶景が

写真:春野 公比呂

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つつじ公園から高越寺まではハイキングコースで結ばれていますが、大半が車道のため、皆、車で移動します。その途中の立石峠には、その名の由来である板碑のような立石が佇んでいます。

碑の上に登れば意外な絶景が

写真:春野 公比呂

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立石の側には自然の岩を利用した峠碑があるのですが、その上に登ると胸のすく展望が広がっています。しかし碑の上に登る行楽客はあまりいません。

碑の上に登れば意外な絶景が

写真:春野 公比呂

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景色をズームすると、徳島県屈指の大河・吉野川が蛇行する様子もうかがえます。

天狗も驚く初夏の紅葉

天狗も驚く初夏の紅葉

写真:春野 公比呂

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つつじ公園から車で5分ほどで高越山(こうつざん・1133m)手前の鞍部にある高越寺駐車場に着きますが、グーグルマップの駐車場表記位置は東にずれています。尚、地元では高越山と高越寺を親しみをこめて「おこうつぁん」と呼びます。
駐車場に建つ案内図には、三種のコースが記載されていますが、一番西の林道は寺関係者専用車道なので、車では辿ることができません。

高越山は登山愛好家が神聖視する一等三角点峰で、弘法大師ゆかりの山でもあるのでピークハンター(登頂のみを目的とする登山者)の方は、案内図には記載されていない尾根道を登ってみましょう。修験道の山らしく、至る所の岩場に石仏が祭られています。
高越寺奥の院を過ぎ、山頂に達すると延暦20年(801)、この地で修行した大師の像が建立されていますが、展望は今一つ。一等三角点はその北下にあります。三角点南から東の高越神社に下り、更に石段を下って参拝道に出ると、その南に「天狗杉」、そこより南東には「燈明杉」(写真)が天高くそびえています。いずれも幹周が何メートルもある巨木です。

天狗も驚く初夏の紅葉

写真:春野 公比呂

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参拝道を北へ行けばすぐ高越寺境内。この寺は奈良時代、役行者が創建した古刹で、各所に行場がある高越山は、奈良の大峰山の別称「東上山」に対して「西上山」とも呼ばれていました。境内にはシャクナゲやツツジが咲きますが、近年は天狗像手前に季節外れの紅葉が見られます。このように初夏や盛夏に於ける場違いの紅葉は、四国各地の山に見られる傾向があります。

天狗も驚く初夏の紅葉

写真:春野 公比呂

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そんな古刹ですが、昭和14年の火災で山門と鐘楼、御水舎を残して焼失してしまいました。残った山門は入母屋造の銅板葺、三間一戸の二重門で、阿波五大重層門の一つに数えられる貴重なもの。これを見るだけでもここに来る価値はあります。他にも昭和49年に建立された錫杖塔は内部に隙間なく木造仏が並べられ、見る者を圧倒します。
帰路は山門を出た所から南に折れると、前述の燈明杉や行場を経て、駐車場に戻りつき、回遊できます。

船窪のツツジと高越寺のシャクナゲで華やぐ心

全国に多い園芸改良品種のツツジ名所とは比べ物にならない迫力と規模の船窪つつじ公園、いかがでしたでしょうか。このような光景を見られるのは西日本ではここだけです。
高越山は大峰山ほど山深くはありませんが、前述の巨木以外にも参道沿いには大木が連なり、各所の岩場の祠や石仏には神威を感じます。つつじ公園の開花時期には高越寺境内にシャクナゲが咲き誇り、彩を添えます。展望も一部、広がる箇所があります。

尚、北麓からつつじ公園、高越寺駐車場までは全て狭い一車線で、つつじ開花期の土日午後には上りと下りの車が対向して渋滞が起きます。時間には余裕をもってお出かけ下さい。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2016/05/15 訪問

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