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地図を見る京都は三方を山に囲まれた盆地。その東側の南端に近い伏見の大岩山は、人気スポットの伏見稲荷大社から近いとはいえ、特に観光客が集まるスポットではなくハイカーが訪れる程度の小高い山。徳川家康上洛の際には乗馬の飼草を賄ったとされ、御草山と呼ばれていた由緒ある山です。
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地図を見るその大岩山の山頂付近にある大岩・小岩をご神体とする大岩神社に向けて、麓から山を縫うように参道が伸びています。大岩神社は古くから結核などの難病に霊験あらたかとされ遠方からも多くの参拝者が訪れていました。
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地図を見るその大岩神社へと向けどこか薄気味悪い、ミステリアスな雰囲気が漂うような山道の参道を山頂へ向けて歩いていきます。すると謎の建造物が姿を現すのです・・・!
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地図を見る山道を歩いていると突然姿を現すのは謎の石の門!
あまりにも周囲とミスマッチな光景に、予備知識のないままここを訪れた人はきっと驚くことでしょう。まるで東南アジアの古代遺跡のような、どこか異国的な雰囲気すらもあるこの門の出現に「何か変な所へと迷い込んでしまったのか」と思ってしまうかもしれません。
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地図を見るおそるおそる石の門をくぐってみると、その後ろには一対の狛犬が。そうなのです、この謎の門の正体は鳥居だったのです。
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地図を見る鳥居の上部を見れば「大岩大神 小岩大神」と記されています。確かにこれは大岩神社の鳥居のようです。なぜこんな所にこのような鳥居が設置されているのか、気になる方も多いことでしょう。
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地図を見る石の鳥居の周辺を探索していると石板があります。そこには「昭和三拾七年 堂本印象寄進」とあります。なんとこの鳥居は京都出身の日本画家、堂本印象によるものだったのです!
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地図を見る石の鳥居がただの鳥居に見えなかったのは芸術家の手によるものだったからなのでしょう。鳥居というよりは作品、オブジェとして見た方がスッキリする感があります。鳥居の柱には毘沙門天らしき像が彫られており、もう一方の柱には地蔵菩薩が彫られています。また前述の鳥居上部には女神や動物が描かれていますので細部まで眺めてみましょう。
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地図を見るそして堂本印象の石鳥居はなんともう1本存在しています。先ほどの鳥居よりはやや小ぶりな二の鳥居が社殿の近くに建っています。そもそもなぜ堂本印象がこの大岩神社へ鳥居を寄贈したのか?その経緯は堂本印象とその母が熱心な信者であり、病気が平癒したお礼に寄贈したとされています。
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地図を見るこの大岩神社を参道から訪れた人なら、境内が非常に荒れているということに気づくことでしょう。近年の台風の影響もあり、鳥居や建物が大きなダメージを受けていて、それがそのままの状態になっているのです。そんな荒廃した雰囲気が、まるで異世界への門のような堂本印象の石鳥居がにマッチしてしまっている感もあります。
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地図を見る大岩神社は社務所の建物などが立入禁止の状態になっている場所もあり、危険な箇所もあるので注意が必要です。なぜこのようなことになっているかというと、現在の大岩神社には常駐の神職の方がおらず無人の神社になっているため。有志による境内の維持活動はされているものの、それが追い付いていない現状があるのです。
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地図を見る京都には歴史のある神社が多数ありますが、後継者問題や文化財指定されていないがための改修費用問題など様々な悩みを抱える神社も多いのです。そんな事情を鑑みつつ、ご参拝をしてみてはいかがでしょうか。
住所:京都府京都市伏見区深草向ケ原町89-2
アクセス:京阪バス「深草馬谷町」バス停下車、参道入口まで徒歩約5分
車の場合は自動車道参道よりアクセス可能
2020年6月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/3/19更新)
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