写真:井伊 たびを
地図を見る千葉県印西市結縁寺にある「結縁寺(けちえんじ)」は、真言宗豊山派の寺で、山号は晴天山(せいてんざん)である。ご本尊は、重要文化財「銅造不動明王立像」で、聖武天皇の代である「神亀(じんき)年間(724年〜729年)」に、行基の開山によって創建されたと伝えられている。また、源頼政の家臣が頼政の戦死後、その首をこの地に葬って一寺を建立したとも伝えられる。
写真:井伊 たびを
地図を見る結縁寺の前には「弁天池」があり、背後は趣のある小山である。こちらの地区には、田や畔や斜面林のほか、ため池などの水辺環境も、いまだに昔のまま健全だ。だれもの心を癒す、そんな景観が、「にほんの里100選」に選ばれたのだろう。
ところで、「にほんの里100選」とは、朝日新聞創刊130周年記念事業の一環として、また森林文化協会創立30周年記念も兼ね、平成21年(2009年)全国からの応募4,474件の中から「人の営みが育んだすこやかで美しい里」を100ヵ所選んだものだ。
写真:井伊 たびを
地図を見るさらに、「結縁寺の彼岸花」は、「新・印西八景」のひとつにも選ばれている。秋、参道に咲き誇る彼岸花に導かれながら、この地を訪れるのが特にオススメだが、境内付近には「ハスの花」「ヒガンバナ」「コスモス」と、それぞれの季節ごとの花々が楽しめ、年間通じていつ訪れてもいい、自然が豊かなところだ。
写真:井伊 たびを
地図を見る朱雀天皇(すじやくてんのう)のころ、真言僧がこの寺に住み、結縁潅頂(けちえんかんちょう)を行ったのが「結縁寺」の名の起こりとされている。ちなみに、「結縁潅頂」とは、一般の人に仏縁を結ばせる儀式のことである。
写真:井伊 たびを
地図を見る当寺の山号である「晴天山」は、よく晴れた天気の良い日に、井戸をのぞくと水面に、きれいな白蓮の花が咲いているのが見えたところから名づけられた。その井戸は「花井戸」と呼ばれていた。その井戸が、平成19年(2007年)復元されている。
写真:井伊 たびを
地図を見るこちらの本堂には、大正3年(1914年)に、国の重要文化財に指定された「銅造不動明王立像」が安置されている。よって、地元の人たちから「お不動様」と親しまれ、毎年9月28日にご開 帳されている。
ところで、当山は大正年間に火災に遭い、什宝や縁起が多く焼失したが、「お不動さま」は、その難から免れたという。ちなみに、こちらの本堂は、平成17年(2005年)に新築されたものである。
そのありがたい「銅造不動明王立像」を、特別に拝観希望されるなら、事前に印西市教育委員会へ申請の上、結縁寺世話人会の承認を受ける必要がある。
写真:井伊 たびを
地図を見る境内には「六地蔵」が、祀られている。「六地蔵」とは、六道において衆生の苦しみを救うという六種の地蔵菩薩。すなわち、地獄道を救う檀陀(だんだ)、餓鬼道を救う宝珠(ほうじゅ)、畜生道を救う宝印、修羅道を救う持地(じじ)、人道を救う除蓋障(じょがいしょう)、天道を救う日光の各地蔵の総称であるとされてはいる。
写真:井伊 たびを
地図を見る当寺は、「印西大師」の四十八番札所でもある。「印西大師」とは、江戸時代に庶民の間で「西国三十三観音」「秩父三十四観音」「四国八十八ヶ所」などの巡礼や、伊勢、熊野、金比羅、出羽三山、善光寺参りなどが流行った。そのうちの「四国八十八ヶ所遍路」を模して作られたのが「印西大師八十八ヶ所巡礼」である。
当寺には、駐車場がないため、電車とバスを乗り継いで訪れることになる。北総鉄道北総線の「千葉ニュータウン中央駅」から、バス「高花行」に乗り換えて、「高花団地入口」で下車、バス停から徒歩約10分である。
現在、当寺は無住で、「松虫寺」(印西市)と、地区住民の手により、本堂やご本尊など寺宝が守られている。また、お時間に余裕があれば、その「松虫寺」や、季節ごとにそれぞれ趣のある「新・印西八景」などとあわせて巡られることをお薦めする。
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(2024/4/19更新)
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