茨城県・鹿島神宮は、713年成立の『常陸国風土記』にも記述がある、大変古い歴史を持った神社です。中臣鎌足で有名な、中臣氏の氏神でもあります。祭神は軍神である武甕槌神(タケミカヅチ)。戦国時代の剣術家・兵法家として名高い「塚原卜伝(ぼくでん)」も当社の神官に仕える家柄でした。堺雅人主演のNHKドラマ「塚原卜伝」でも、実際にロケ地として頻繁に使われました。
そんな太古のロマンを凝縮したかのような雰囲気の鹿島神宮ですが、実は東京駅から直通バス(約2時間)が出ていて、気軽に訪れる事ができます。
鹿島神宮の広大な神域の中でも、「これを見ずしては帰れない」!というほど、独特の雰囲気を湛えたスポットがあります。それが奥宮(おくのみや)です。本殿から参道を進むこと300メートルほど、距離があるために見逃す方も多いのですが、必ず訪れたいスポットです。
江戸時代初期の建築(重要文化財)であるという希少性もさることながら、奥宮周辺全体に漂う静謐な雰囲気に、まず圧倒されるでしょう。いかにも軍神を祀っているにふさわしい、素朴で武骨な男性らしいたたずまいです。本殿は、まわりをぐるり一周できるので、ぜひ歩いてみる事をおススメします。
意外な事に、すぐ目の前にお茶屋があるので、奥宮を眺めながら甘酒などを頂く事ができます。
こちらも本殿から少し離れたところにあるため、訪れる人は少ないですが、大変面白いエピソードのあるスポットです。うっそうとした森に囲まれた中にたたずむ要石(かなめいし)は、地上に直径30センチメートルほど露出している石です。
昔から、地震は地中の大鯰(おおなまず)が起こすものと考えられていました。いまでも、ナマズが暴れると地震が起きる、と言いますよね。その大鯰が暴れるのを押さえつけているのがこの石であり、地震の守り神として信仰されているのです。
おそらく皆さんが実際にご覧になると、あまりの小ささに拍子抜けするかも知れません。…が!この要石の面白いところは足元にあるのです。実は地中深くまで続いている巨岩だと伝えれており、水戸藩主・徳川光圀が7日7晩、石の周りを掘らせたが、結局根元には届かなかったといいます。いったいどれほどの巨岩なのか、想像するだけでも興味深いですよね。
境内のもっとも奥にある「御手洗池(みたらしのいけ)」は、ぜひ訪れて頂きたいスポットです。湧水は絶えることなくこんこんと湧き出ており、その透明な池を眺めているだけで、心が洗われる心地です。
池の横にはお茶屋があり、この湧水を使った蕎麦などの料理が頂けます。「みたらしのいけ」という名前の通り、その場で焼かれたみたらし団子を頂く事もできます。荘厳な雰囲気の境内の要所に、ちょっとした休憩所があるのも、肩ひじはらずに参拝できる、この神社の魅力でしょう。
境内の鹿園には、30頭ばかりのかわいらしい鹿がいます。これには理由があります。鹿島神宮の神様である武甕槌大神(タケミカヅチ)の所へ、天照大御神の命令を伝えにきたのは、天迦久神(あめのかくのかみ)です。この神様は、鹿の神様とされているところから、鹿島神宮のお使いが鹿であるとされているようです。
ちなみに、こちらの鹿は、奈良公園の春日大社の鹿とも大変深い関係があります。767年、鹿島神宮の神様を春日大社に勧請(かみさまを分霊して祀る事)しました。その際、神様は鹿島神宮から、白鹿に乗って奈良にやってきたという伝説があります。奈良公園に、あれだけたくさんの鹿が保護されているのは、それが理由なのです。茨城県と奈良県の春日大社―かなりの距離があるのに、実は深〜いつながりがあるんですね。
境内に入ってまず最初に目に入るのは、朱塗りの大変美しい楼門です。江戸時代・1634年の奉納で、国の重要文化財に指定されています。この楼門をくぐると、こそは外の世界と隔絶された太古の雰囲気。いわば、私達の普段の世界と、聖なる空間との境目となる門なのです。
東京駅から直通バスで行ける茨城県・鹿嶋神宮のおススメスポット、いかがでしたか?「鹿島アントラーズ」で名前は有名ですが、実際に行った事がない、という方も、都会の喧騒からちょっと離れて、ぜひ重厚で素朴な雰囲気に身をゆだねてみてくださいね。
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(2024/10/15更新)
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