富士山の北側に当たる河口湖。ここでは湖の北岸からの富士山が、逆さ富士を一緒に眺望できます。その中でもこの戸沢センターキャンプ場は湖面が近く、かつ、葦の群生も無いので、「富士山」、「向こう岸」そして「湖面」がクリアーに写ります。そして駐車場からそのまま撮影が可能ですので、大型の撮影機材をお持ちの方も必要な道具だけ持って撮影可能です。実はここから500mほど西にいった大石公園は、よく紹介され、多くの人が訪れるビューポイントですが、私はこちらの戸沢センターキャンプ場の方をお勧めします。
時間も考えると、ここへのアクセスは車以外は難しいのがつらいところです。写真の様な赤い富士を撮るには、夜明け前に現地に着いて、撮影機材をセットしてシャッターチャンスを待つ位の余裕が欲しいですね。冬だと朝6時までには到着したいところです。まさに早起きは三文の得という諺がぴったりです(笑)
朝方の冷え切った時間帯、陸上よりも暖かい湖面が冷たい外気に触れて、水蒸気が立ち上ります。そしてここに強い日差しが入ると、オレンジ色の「けあらし」が現れます。この状態の時の富士山がまた美しいのです。このけあらしの情景は見る位置が湖面に近い程派手に見えますので、湖の水が手で触れられる位の岸辺まで車が入れるポイントで見るのがお勧めです。このポイントが西湖の北岸「観岳園キャンプ場」近くにあります。アクセスは河口湖の戸沢センターキャンプ場から西湖、精進湖方面に8.6kmほど西に行った所になります。
この辺りは温泉地区でも有り、水温がやや高いので、「けあらし」も出やすい場所です。ただ朝方は逆光になるので、撮影条件は厳しいです。一概に詳しい撮影条件を示せませんが、かなりアンダー露出のほうが上手く撮れます。
また、すこし話題は外れますが、このビューポイントの近くに「いずみの湯」という温泉があります。朝の富士山見物で冷えた体を温めるには絶好の場所です。ご利用されるのも一考かと思います。
西側から見る富士山は稜線がほぼ左右対称、山頂が平らで稜線と山頂の交点に「角(つの)」が見える、いわゆる画に描いたような富士山を眺望できるのです。西側の眺望ポイントは、湖面を絡めた富士宮市の田貫湖からの眺望が有名ですが、今回は比較的アクセスの良い、国道139号線沿いにあるビューポイントご紹介します。
まず、同じ富士宮市にある「道の駅 朝霧高原」を目指します。ここで車を止めて、撮影機材を持って、駐車場脇の「富士見展望台」に向かうと、西面の富士山が臨めます。もちろんここはお勧めポイントの一つなのですが、ここからの眺望は手前の森がやや深めで、中腹より上しか稜線が見えないんです。そこでもっと良いビューポイントをご紹介しましょう。
そこは、この道の駅から国道139号線を500-600m位、北に上がった位置で、山梨県と静岡県との県境付近です。午前中の早い時間帯での、ここからの眺めは、写真の様に稜線がかなり下まで伸びて、麓は幻想的な朝靄に包まれ、中腹より上が太陽に照らされ、山頂の左右の「角(つの)」がクッキリわかる雄大な富士山が臨めます。ただ快晴の午前中は富士山の右上に強烈な太陽がありますから、撮影条件はかなり困難を極めます。そこで朝靄にこだわらなければ、午後からのほうが無難に撮れます(笑)
さて、富士山の南側にはちょうど愛鷹山(1,504m)があって、沼津などから見ると、愛鷹山によって、裾野部分がかなり隠されてしまいます。 そこで、今回はこの愛鷹山を避けるポイントをご紹介しましょう。
まず、箱根ターンパイクを走って「大観山ドライブイン」を目指します。大きな駐車場とレストハウスがあるので、すぐ見つかります。実はこのポイントでも芦ノ湖越しの富士山が拝めるのですが、芦ノ湖が左にずれて、右側の二子山がやや眺望の邪魔をします。そこでこの大観山ドライブインより、箱根町方向(西方向)に1kmほど移動すると、富士見峠という小さな駐車場があります。この位置が芦ノ湖を正面に控え、その真後ろに富士山が見える絶好のポイントなのです。
南側眺望なので、午前中の陽が昇った時間帯が正面から太陽に照らされて、山頂の雪が輝く光景が見られます。順光なので、撮影も容易です。ただ、地勢的には雲が出やすい位置のため、快晴で北風が吹く、寒い日の見物がお勧めです(寒〜)
さて、箱根、富士見峠の眺望より少し東寄りの位置になりますが、箱根の山々を飛び越え、裾野の平野部と共に長い稜線がクッキリと見える場所、それが御殿場の乙女峠です。ここは東名高速御殿場ICを降りて、国道138号線を箱根方面に向かう途中、静岡―神奈川の県境になっている峠です。乙女峠自体はトンネルで抜けるので、実際にはトンネルの手前、「ふじみ茶屋」の駐車場からの眺めとなります。見学は快晴の北風の強い、寒い日のお昼頃の時間帯がお勧めで、眼下に御殿場の街が見えて、そのまま山腹、山頂まで広大な山肌の広がった姿が臨めます。まさに富士山の東南側半分が全部が見えるっていう感覚で思わず掌を合わせたくなりますよ!
また雪に反射する山頂が順光の太陽に輝いています。順光で見られるので撮影条件も良く、比較的簡単にカメラに収まります。
アクセスは車が一番便利ですが、ふじみ茶屋の駐車場はそれほど広くないので、見学の時間帯を考えると、御殿場市内からバスという選択肢もあります。
今回は、富士山のビューポイントを5つほど紹介しましたが、まだまだお勧めのポイントはたくさんあります。ただ、いずれも天候に大きく左右されます。空気が乾燥し、北風の吹く冬の明け方から、正午頃までが、雲も出にくく、富士山が最高の顔を見せてくれる時間帯です。さあ、色んな顔の富士山に出会ってみませんか? この記事が皆様の富士山ツアーの参考になれば幸いです。
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