写真:井伊 たびを
地図を見る表門を過ぎれば、秋元本家。当時の店先の雰囲気で、出迎えてくれる。秋元家は、18世紀から戦前まで手広くみりん等の醸造販売を行っており、昭和10年代に、安政期に建築した「新座敷」と呼ぶ建物を現在地に移築し、増改築して庭園も整え、住まいにしていた。今、秋元本家の二階は、展示室になっている。
奥に進めば、双樹亭と一茶庵と枯山水の庭園の佇まいである。茶房一茶庵で、お茶でも嗜めば、少しは一茶に近づけるかも。
双樹亭は木造平屋建、数寄屋造瓦葺。その室内の釘かくしは、江戸時代に縁起物といわれた「つる、かめ、なすび」のうち「つる」のデザインが使われている。これは、押さえておくべきポイントだろう。
写真:井伊 たびを
地図を見る縁側に腰を下ろし、野鳥のさえずりを聞きながら、枯山水の庭園を眺める。しばし、双樹亭の主になったような気分。春夏秋冬の移り変わる庭園の情景に、思いを馳せて、俳句の一句でも、ひねってみようか。
写真:井伊 たびを
地図を見る庭園内のこの句碑は、一茶が生まれ育った長野県上水内郡信濃町柏原の黒姫山のものが用いられている。そして、この句碑は柏原から見守られている方向に建っているのだ。
一茶が流山で詠んだ句は実に多い。そんな中の一句が、ここに書かれている。旧暦、ある年の九月に流山は洪水に見舞われた。荒れ狂った洪水が、夕方しばらくおさまり、空には淡い夕月がかかっている。どこかの物陰で、生き残りのきりぎりすが鳴き始めた。
「夕月や 流残りの きりぎりす」
自然の驚異にさらされながらも、健気に生きる小さき命に、人の生きる儚さを投影でもしたのだろうか?静まりかえった夕暮れが、浮かび上がってくる心に染みいる一句だ。
写真:井伊 たびを
地図を見る万華鏡ギャラリー・寺田園茶舗「見世蔵」は、一茶双樹記念館より、歩いて10分ほどのところにある。明治22年建築された見世蔵は、平成22年夏に「万華鏡ギャラリー」として、再び生命を吹き込まれた。そして、平成23年に「国登録有形文化財(建造物)」に登録されている。
ここでは、流山市在住で、世界的に活躍中の万華鏡作家・中里保子さんをはじめ、多くの作家さんの万華鏡作品が展示されている。もちろん!手にとって、あの幻想的な万華鏡の素晴らしい世界に、入り込める。さらには、購入もできる。
オススメは、参加型万華鏡だ!映った人や物が、大型万華鏡の映像になる。それを持参したカメラでパチリ!自慢できる記念撮影になるだろう。さらには、不思議な万華鏡の仕組みも学べるのがウレシイ!
写真:井伊 たびを
地図を見る杜のアトリエ黎明は、一茶双樹記念館の斜め向かいにある。こちらで散歩の疲れを癒すには、バッチリなスポットだ。コーヒーにしますか?紅茶にしますか?それともハーブティー?すべてクッキー付きで有料。幸運にも、ギャラリーで、お気に入りの絵画に出逢えるかも?
流鉄流山線の流山駅から、徒歩5分で「見世蔵」に着く。そこで、万華鏡の世界を堪能したら、江戸川の堤沿いに南へ歩くこと10分。一茶双樹記念館に辿り着く。小林一茶のココロを学べば、向かいの杜のアトリエ黎明で、お茶にする。お一人様のブラリ散歩にも、イチ押しだ!
また「見世蔵」の近くに「新選組流山本陣跡」がある。ご存じ新選組局長・近藤勇と副長・土方歳三との離別の地である。時間に余裕があれば、是非押さえておきたいポイントのひとつだろう。
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この記事を書いたナビゲーター
井伊 たびを
人は、なぜ旅にでるのでしょう?日常という名の時空から飛び出して、本当の自分を取りもどすためでしょうか?旅先でのあらゆる出逢いが、新しい自分を創り出してくれたからでしょうか?旅することが、明日への糧とな…
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(2025/1/18更新)
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