沖縄に古代遺跡?!市役所とは思えない名護市庁舎がすごい。

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沖縄に古代遺跡?!市役所とは思えない名護市庁舎がすごい。

沖縄に古代遺跡?!市役所とは思えない名護市庁舎がすごい。

更新日:2017/06/03 16:14

潮 佳澄のプロフィール写真 潮 佳澄 司書

市役所や図書館など、公共の建物は事務的で味気ないイメージですよね?
名護市庁舎は、古代遺跡を思わせる見た目が印象的な名建築です。市民の憩いの場となる願いが込められた「アサギテラス」は、自然に人同士が近くなり、町に生きる人々を思わせる雰囲気があります。多くの人が訪れ、働いている職員の方もいるので見学には配慮が必要ですが、町で暮らす人々の中に入って幻想的な建物で沖縄の風を感じてほしい。

沖縄の風土と土地への想いが込められた名護市庁舎

沖縄の風土と土地への想いが込められた名護市庁舎

写真:潮 佳澄

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沖縄本島の北部、美ら海水族館から車で30分の場所に位置する海沿いに建てられた名護市庁舎。
1978年、名護市の顔となる市庁舎の建設にあたって大規模なデザインコンペが行われました。308組ものデザイン案の中からTeam Zoo(象設計集団+アトリエ・モビル)によって手がけられたのが現在の名護市庁舎です。沖縄の建物で多く使われるコンクリートブロックが2色使われることで印象的なストライプをつくりだしていて、周りには植物が生い茂っています。手入れは行き届いているのに、自然に覆われた古代遺跡を思わせるような神々しい雰囲気が不思議と感じられます。

沖縄の風土と土地への想いが込められた名護市庁舎

写真:潮 佳澄

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神々しく見えるのはこの建築に込められた”想い”が感じ取れるからかもしれません。名護市庁舎を眺めていると人を寄せつけない神々しさではなく、どことなく人々の息遣いや生活を思わせる、まさに遺跡を見た時のような気持ちを起こさせてくれます。

市庁舎の建設にあたっては、敷地の立地・気象条件を生かすことや、地場材料・地元の施工技術を使いこなすこと、施設を利用する人への配慮を行うことなど、市からの要求のもと、「市民の市庁舎」となることが目指されました。建設を求める側と作る側が沖縄の風土を理解し、土地に生きる人を想う”想い”が重なって造られた背景を見る者に感じさせます。

人が近くなる「アサギテラス」

人が近くなる「アサギテラス」

写真:潮 佳澄

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屋上からは広場を挟んで広がる住宅地が見え、心地よい風が流れてきます。町中を行く車や人の流れをぼんやりと眺める、ゆっくりとした時間を過ごしたくなります。

建物の内部は市役所なので業務を行っているカウンターなどがあります。土日祝日は建物内部に入れないというデメリットがありますが、ゆっくりと見学することができます。とは言っても、「市役所なんだしそんなに見るところないんじゃない?」と思うでしょうが、大間違い!なぜなら建物から大きく張り出したロングスロープから屋上へ上がることができますし、あちこちに探検心をくすぐる階段があります。うっかり仕事をしている事務室のテラスに出ちゃった…ということもありますが、中をぐるぐると回ってみたくなる構造をしています。

人が近くなる「アサギテラス」

写真:潮 佳澄

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訪れた日は雨模様だったのですが、どこからともなく湿気の少ない涼しい空気が流れてきました。それもそのはず、建設時に光と風と太陽と緑が意識され、いろいろな場所に日陰ができるつくりになっているようです。

そして、市民の憩いの場となる願いが込められた「アサギテラス」。
アサギとは神様が降りてくる場として沖縄の集落につくられるもので、壁はなく柱で支えらえた屋根が架けられたものです。軒が深く、風を取り入れ強い日差しから守る沖縄の建築様式の原点とも言うことができ、人々が集まる広場となるように、という願いからアサギテラスは採り入れられたとのことです。実際にその場に立ってみると、屋根の間から差す光、流れる空気が木漏れ日の下にいるようにおだやかな気持ちにさせてくれて、自然と居合わせた人と話しやすくなるような空間になっています。

ひとつとして同じ顔がない56体のシーサー

ひとつとして同じ顔がない56体のシーサー

写真:潮 佳澄

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市庁舎の南側には、それぞれに個性的な顔を持つ56頭のシーサー達がいます。56人のシーサー職人によって作られた姿はどれもかなりクセが強い!細身の子やなんか平べったい子、勇猛そうなのや魔除けなはずなのになんか泣き顔…?と思えるような子まで、情感豊かな姿を見せてくれます。どれも親しみをもって見てしまうので、お気に入りのシーサーを見つけるという楽しみがあります。シーサーを間近に見るには、南側の特徴ともいえるロングスロープから見るのがおすすめです。

名護に来たら立ち寄りたい、人の息吹と風を感じられる市庁舎

名護市庁舎は、主要観光スポットである美ら海水族館や備瀬地区からも近く、雨でも豊かな表情を見せてくれます。沖縄北部エリアを訪れるときには、沖縄の風土を体で感じることができる名建築にぜひ足を運んでみてほしい。写真と言葉だけでは語りつくせない、行かなければわからないおだやかさが名護市庁舎にはあります。人々の息遣いや土地に込められた想い、涼やかに抜ける風を感じる時間は、他では体感できない旅の時間を過ごせるでしょう。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2017/04/23 訪問

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