写真:Saito Junso
地図を見るバングラデシュには、首都ダッカから終点クルトまでを26時間以上かけて進むちょっと珍しい船があります。その名は「ロケットスティーマー」。名前だけ聞くととても速そうな船に思いますが、実はこれ世界でも非常に珍しい定期航路の外輪船なんです。外輪船とはその名の通り外側に付けられた外輪を回すことで進む船。テーマパークなどでアトラクション用としては存在しますが、実際に人々の足として使われている外輪船は今では他にほとんど残っていないと言われています。
写真:Saito Junso
地図を見るロケットスティーマーの魅力のひとつにその船の歴史もあります。船を運営している国営水運会社BIWTCが所有する外輪船は全部で4隻。そのほとんどが英国の統治時代から活躍するもので1世紀近い歴史を持ちます。実際に1990年代にカルカッタでディーゼル式に改造されるまでは、本当に蒸気機関のみで航行されていたと言うから驚きです。歴史と趣がある老船、それがロケットスティーマーです。
写真:Saito Junso
地図を見るロケットスティーマーでの船旅は、喧騒と騒音で満ち溢れるダッカとは打って変わり静寂が包む旅です。「川の国」と呼ばれるバングラデシュの大河をゆっくりと時間をかけて進みます。移動が目的ならば鉄道や他のフェリーをお勧めしますが、このロケットスティーマーはゆっくりと老船とと共に移動すること自体が旅の楽しみとなるでしょう。
海の船旅とは違って川の船旅は、その場その場の人々の生活を垣間見ることが出来ます。小さな小舟で漁をする人、川辺で洗濯をする人、川で遊ぶ子供たち。普段旅の中では見落としてしまいそうな当り前の生活がそこにはあります。見ていて飽きることはないでしょう。バングラデシュを静かに流れると時と大河。ゆっくりとしたリズムに合わせて旅をするのもいいですね。
写真:Saito Junso
地図を見るロケットスティーマーの客室は値段によって3つのクラスに分けられます。1等が個室のエアコン付き、2等も個室(相部屋)のファン、そして3等はデッキで雑魚寝です。船賃をどうしても節約したい型は3等でも構いませんが、やはり2等以上に乗りたいです。2等以上では専用の展望デッキや食堂が利用できます。
それにどこに行ってもまだ注目されてしまう外国人旅行者が、数少ないゆっくりと過ごせる空間がこのロケットスティーマーの特等席。ゆっくりとした川旅を楽しむ為にも2等以上を利用をお勧めします。
写真:Saito Junso
地図を見る船内には一応売店なども有ります。と言ってもスナック類や飲み物が売られている程度の簡易的なものです。1泊2日の船旅ですので必要なものは事前に買っておいた方がよいのですが、どうしても必要になった場合は売店を利用しましょう。
食事は船内にある食堂を利用します。もちろん朝昼晩と利用でき、メニューも洋食やバングラデシュの物まで選ぶことが出来ます。決して豪華とはいえませんが、船上で頂く料理は格別なものですね。
写真:Saito Junso
地図を見るロケットスティーマーが立ち寄る街には世界遺産を訪れることが出来る場所もあります。途中で立ち寄るモングラの街からは船で「シュンドルボン」へ行くことが出来ます。「美しい森」を意味するシュンドルボンはインドの西ベンガル州とバングラデシュにまたがる大森林地帯で、世界最大のマングローブの天然林です。多くの川が交り合い、ベンガルタイガー等の野生動物が生息している自然の宝庫です。
終着点のクルナからはバスでイスラムの遺産「バゲルハット」へ行くことが可能です。15世紀前半、当時の王であったカン・ジャハンが造った建造群はカン・ジャハン様式と呼ばれる独特のもので、現在も遺跡と言うよりは皆の信仰の場とされています。
写真:Saito Junso
地図を見るバングラデシュにある外輪船「ロケットスティーマー」。定期航路で現役で活躍している大変貴重な外輪船です。ここバングラデシュでは、このロケットスティーマーに乗ること自体が我々外国人旅行者にとっては大きな観光であると言ってもいいでしょう。それほど魅力ある船です。
しかしながらこの外輪船もすでに船齢が100歳に迫るものもあります。市民の足として利用されていますが、いつ廃船になってもおかしくない状況です。それまでにはぜひ乗っておきたい貴重な船ですね。
バングラデシュは日本人にとってはまだまだ未知な国。それでも温厚な国民や貴重な船など訪れるべき価値のある場所です。バングラデシュでゆっくりとした船旅。とてもいい思い出になりますよ。
会社:BIWTC
住所:24,Kazi Nazrul Islam Avenue Banglamotor,Shahbag,Dhaka-1000
電話番号:+88-2-9555249
※乗船には港ではなく市内にあるBIWTCでのチケット事前購入が必要です。
乗船場所:ショドル・ガット
アクセス:ダッカ市内、オールドダッカ南のブリゴンガ川のショドル・ガット。
2018年1月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/3/19更新)
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