これだけは絶対に押さえたい!伊「パラティーナ美術館」で見るべき絵画4選

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これだけは絶対に押さえたい!伊「パラティーナ美術館」で見るべき絵画4選

これだけは絶対に押さえたい!伊「パラティーナ美術館」で見るべき絵画4選

更新日:2017/06/07 18:53

藍色 しっぽのプロフィール写真 藍色 しっぽ

イタリアのフィレンツェ・アルノ川の西岸に位置するピッティ宮殿。約一万点の作品所蔵数を誇る宮殿内の6つの美術館・博物館のうち、絵画を中心とした展示を行っているのがパラティーナ美術館です。足掛け四世紀の膨大な所蔵数を誇る美術館だけに、「いったいどれを観ればよいの?」と思う方もいらっしゃることでしょう。今回は、パラティーナ美術館に来たらぜひ観ておきたい主要な作品4点をご紹介します。

優しい聖母の姿が印象的!ラファエロ作「小椅子の聖母」

優しい聖母の姿が印象的!ラファエロ作「小椅子の聖母」

写真:藍色 しっぽ

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フィレンツェで活躍した芸術家の中でも特に有名なラファエロ・サンティ。愛くるしい天使の姿を描くことなどから、日本でも人気の高いルネサンス期の画家です。
パラティーナ美術館ではラファエロの作品を多数所蔵しており、中でも世界的に有名なのがこちらの「小椅子の聖母」です。

優しいまなざしの聖母や人物の丸みを帯びた体つき、幼いキリストの愛らしい表情はラファエロならではの表現で、聖母子の奥には洗礼者ヨハネが描かれています。
本作品はルネサンス期にフィレンツェで実権を握っていたメディチ家が所有していましたが、のちにパラティーナ美術館に所蔵されることとなりました。日本の展覧会には一度も来た経験がなく、他館に貸し出される機会も少ない作品ですので、ぜひ観ておきましょう。

ドラマチックな人物描写が圧巻!ティツィアーノ作「悔悛するマグダラのマリア」

ドラマチックな人物描写が圧巻!ティツィアーノ作「悔悛するマグダラのマリア」

写真:藍色 しっぽ

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ラファエロと同じく、ルネサンス期にヴェネツィアで活躍した画家にティツィアーノ・ヴェチェリオがいます。15世紀後半、レオナルド・ダ・ヴィンチなどの画家に代表される、形態やデッサンを重視する「フィレンツェ派」とは対照的に、色を重視して感覚的に描く「ヴェネツィア派」が現れましたが、ティツィアーノはその中で最も重要な画家でした。

ティツィアーノの下塗りしたキャンバスの上に直接絵具を乗せて描く油絵技法は、のちの西洋画家に大きな影響を与えたといわれます。彼の代表作の一つとされるのが、この「悔悛するマグダラのマリア」であり、娼婦であったマグダラのマリアがキリストとの出会いにより悔悛する姿が描かれています。

ティツィアーノは生涯でマグダラのマリアを数多く描いていますが、本作はウルビーノのヴィーナスを描いた頃と同時期の1530年代の作品です。キリスト教の聖人を描いた作品でありながらも、官能性の高い表現が印象的。それまでの厳格な宗教画の伝統を一新させた、西洋美術史上においてとても重要な絵画の一つです。

ルーベンスの政治画といえばこれ!「戦争の惨禍」

ルーベンスの政治画といえばこれ!「戦争の惨禍」

写真:藍色 しっぽ

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上記にてご紹介した、ラファエロとティツィアーノの影響を受けたのがバロック時代の代表的画家ルーベンスです。「画家の王」とも呼ばれたルーベンスは、ルネサンス芸術の古典的表現を基礎としながらもそこにとどまらない劇的な構図や激しい動きの人体表現を得意とし、生涯で1000点余りの作品を制作しました。

そのルーベンスの政治的寓意画の最高傑作とされるのがこちらの「戦争の惨禍」です。当時のトスカーナ大公のために制作された本作品には、当時度重なる戦争で悪化をたどっていたヨーロッパの国際情勢が色濃く反映されています。作品中央の軍神マルスがヴィーナスの制止を振り切り、復讐の女神アレクトやおどろおどろしい怪物の方へ向かう姿に、当時の悲惨な状況が見て取れるようです。

前述の通り、ルーベンスはヴェネツィア派の画家ティツィアーノから影響を受けており、本作品にはティツィアーノを思い起こさせる劇的な身振りの女性像が描かれています。「改悛するマグダラのマリア」と比べて、ルーベンスがどのように自身の作品を発展させたのかに着目するのも面白いかもしれません。

あのボッティチェリが師事した画家!フィリッポ・リッピ「聖母子と聖アンナの生涯」

あのボッティチェリが師事した画家!フィリッポ・リッピ「聖母子と聖アンナの生涯」

写真:藍色 しっぽ

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ラファエロやミケランジェロ、レオナルド・ダ・ヴィンチなどが誕生する少し前、イタリアで活躍していたのがフラ・フィリッポ・リッピです。日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、ラファエロを含む後のフィレンツェの芸術家たちに先がけ成功のきっかけを作った画家であり、我が国で人気のあるボッティチェリが師事していたことでも知られています。

カルメル会の修道士であったフィリッポ・リッピ。同時代の画家には同じく修道士であったフラ・アンジェリコがいますが、信仰心の厚かったアンジェリコとは対照的に、リッピの人生は実にスキャンダラスなものでした。この「聖母子と聖アンナの生涯」の聖母は、リッピが50歳ごろに駆け落ちした女性ルクレツィアがモデルであるとされています。

作品の前景には幼子イエスと聖母マリア、背景にはマリアの誕生を含む諸場面が描かれています。憂いを帯びた聖母子の繊細な表現、奥行きのある空間構成はリッピならではのものです。彼の築いた様式は息子のフィリッピーノ・リッピやボッティチェリによって受け継がれていくこととなります。パラティーナ美術館にはこの二人の作品も所蔵されているので、合わせてみておくのもよいかもしれません。

気になる作品をきっかけに、未知の作品の鑑賞も

今回は、パラティーナ美術館で特に観ておきたい作品4点をご紹介しました。ここまで読み進められて、西洋美術は制作時期に数百年の違いがあっても、影響関係などのつながりが大変に深いことにお気づきの方もいらっしゃるかと思います。
ラファエロとルーベンスの作品を見比べる、ボッティチェリの作品からフィリッポ・リッピの作品をたどる、などといった贅沢な見方ができるのも、膨大な所蔵点数と作品の質を誇るここパラティーナ美術館ならでは。興味のある作品をきっかけとして、ぜひ色々な作品をご覧になっていただければと願っています。

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掲載内容は執筆時点のものです。

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