写真:乾口 達司
地図を見る葛城一言主神社(かつらぎひとことぬしじんじゃ)は、奈良県御所市にある神社。葛城山の山麓に位置しており、地元では「いちごんさん」の呼び名で崇敬されています。祭神は葛城之一言主大神(かつらぎのひとことぬしのおおかみ)と幼武尊(わかたけるのみこと)。前者はさまざまな事柄を一言でいい放つ神さまとされており、そこからも葛城之一言主大神の神威がいかに強いかがうかがえるでしょう。
一方の幼武尊は第21代・雄略天皇のこと。『古事記』や『日本書紀』をひもとくと、狩りに興じていた雄略天皇が葛城山の山中で葛城之一言主神と遭遇するといったエピソードが収録されています。葛城之一言主大神が雄略天皇と同じ姿をしていたと記されているところからは、葛城之一言主神が天皇と同格あるいはそれ以上の存在であったことがうかがえます。
葛城之一言主神が、大王家と数代にわたって姻戚関係を結び、古代ヤマト王権内で絶大な力を持っていた古代豪族・葛城氏の本拠地にあることから推察すると、あるいは葛城一言主神とは、本来、葛城氏のまつっていた神様であったかも知れませんね。
写真:乾口 達司
地図を見る葛城一言主神社はやはり『古事記』や『日本書紀』に登場する「土蜘蛛」とも深いかかわりを持っています。「土蜘蛛」とは、古代ヤマト王権によって征服されていった土着の民のこと。その名称の意味するところは、土蜘蛛のように、彼らが洞窟などで暮らす穴居民にちなんでいるのではないかなど、諸説ありますが、こういった土蜘蛛をまつる塚があることからも、葛城一言主神社の有する歴史の深さがうかがえるでしょう。
「土蜘蛛」をまつった塚は拝殿の横と参道脇の2箇所にあります。写真は拝殿横の土蜘蛛塚。こちらの塚の脇には、土蜘蛛に題材をとった謡曲『土蜘蛛』について解説した案内板も設置されているため、あわせて目を通しましょう。
写真:乾口 達司
地図を見る写真は参道脇にある土蜘蛛塚。参拝者用の駐車場の向かいにあるため、お車でお越しの方にとっては良く目につくはず。しかし、境内に土蜘蛛の塚が2箇所もあるとは驚きます。
写真:乾口 達司
地図を見る葛城一言主神社に参拝すると、拝殿の斜め前に見上げるほど大きなイチョウを目にするでしょう。これは「乳銀杏」と呼ばれている神木。秋になると、葉が黄色く色づき、その様子を遠くからでも眺められます。
写真:乾口 達司
地図を見るなかでも、注目したいのは幹の部分。その名のとおり、樹皮が乳房のように垂れ下がっていることに気がつくでしょう。その形状から、産後にお乳がたくさん出ることを願ったり、安産を祈願したりする女性からもあつく崇敬されています。文字通りの御神木といえますね。
写真:乾口 達司
地図を見る社務所では、葛城一言主神社ならではの授与品も求めましょう。最近はその神威力から受験生の参拝も多く、それに応じた御守りもあります。旅の記念にどうぞ。
葛城一言主神社ならではの御守りといえば、さまざまな事柄に御利益があるとされる「一陽来復」(いちようらいふく)の御札を挙げないわけにはまいりません。「一陽来復」は冬至の二日前から節分までの期間しか授与していただけない貴重なもの。詳しくは社務所でお訊ね下さい。
写真:乾口 達司
地図を見る写真は参道。見上げるような高い並木が遠くからでも葛城一言主神社の位置を教えてくれます。この並木を歩いて参拝するだけでも、独特の雰囲気がありますよ。
葛城一言主神社の特徴と魅力、おわかりいただけたでしょうか。古代以来の豊かな歴史と強い神威が参拝者に強い印象を与えるはず。雄略天皇と対等にわたりあったという神様をまつった葛城一言主神社に参拝し、古代に思いを馳せてみてください。
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(2024/3/29更新)
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