“すべてに美しい”究極の名宿・修善寺温泉「柳生の庄」

“すべてに美しい”究極の名宿・修善寺温泉「柳生の庄」

更新日:2017/05/31 18:05

藤井 麻未のプロフィール写真 藤井 麻未 元秘境系海外旅行添乗員
穏やかな気候と溢れる自然が魅力的な伊豆、修善寺温泉。古くから文豪にも愛されたという温泉街はしっとりとした風情が漂う。今回はそんな修善寺温泉にあるワンランク上の名宿「柳生の庄」をご紹介しよう。里山の風情、数寄屋造りの建築美、珠玉の湯、料亭仕込みの本格割烹…“すべてに美しい”究極の名宿、柳生の庄をご覧あれ。

里山の風情

里山の風情

写真:藤井 麻未

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伊豆箱根鉄道駿豆線の修善寺駅から車で10分ほど。賑やかな温泉街の喧騒が届かない、静かな一画に柳生の庄はある。爽やかな竹林を抜け玉砂利のアプローチを進んでいくと玄関に辿り着く。少し奥まった立地は人目につきにくいが閑静な里山の情緒を感じさせる点では素晴らしいロケーションだ。

里山の風情

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数寄屋造りの建物は旅館というよりも美しい日本建築の邸宅のようで、修善寺の竹林と一体化した佇まいは凛としていて期待も高まる。修善寺のこうした里山の風景に魅せられてここに宿を造ったという初代店主のこだわりがみてとれるようだ。

おもてなしの心を感じる空間づくり

おもてなしの心を感じる空間づくり

写真:藤井 麻未

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広々とした玄関は整然と整えられ、「迎えの間」と呼ばれる部屋が広がっている。正面に置かれた兜が旅人を非日常の世界へと誘う。訪れた客を静謐な空間でお迎えする。日本のおもてなしの心を大切に、という店主の想いが感じられる素敵なスペースである。

おもてなしの心を感じる空間づくり

写真:藤井 麻未

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迎えの間の隣には「取次の間」が続いている。柳生の庄にはいくつか絵が飾られているが、いずれも日本画家、堀文子の温かみのある絵だ。取次の間に飾られているのは「群雀」と題されたものであるが、とりわけ自然や生き物の美しさに魅せられた堀文子の日本画は、修善寺の自然に溶け込むように造られた柳生の庄のナチュラルな雰囲気にマッチしている。

おもてなしの心を感じる空間づくり

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側には瑞々しい緑を眺められる縁側があり、小川のせせらぎを聞きながらしばし旅の疲れを癒すのも良い。竹材を使った和の雰囲気漂うロビーではウェルカムドリンクのお抹茶を、洋風の調度品に居心地の良いソファーや重厚感のあるカウンターが高級ホテルのバーのようなサロンではカクテルや珈琲などを頂ける。ゆったりと寛げる大人な空間が随所にあるのは嬉しい。

数寄屋造りの建築美

数寄屋造りの建築美

写真:藤井 麻未

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柳生の庄は平成21年に大規模な改修がなされ、こだわり抜かれた本数寄屋造に生まれ変わっている。茶室にみられる伝統の数寄屋造は質素でありながら洗練された究極の日本建築美を見せる。

数寄屋造りの建築美

写真:藤井 麻未

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カリスマ左官といわれる久住章氏が監修し、1カ月で延べ1300人もの技有り左官職人が携わった。全ての部屋は間取りや誂えが異なり、窓から見える景色も一つとして同じものはない。どの部屋からも絵画の様な素晴らしい眺めを楽しめ、技術の粋を極めた左官仕上げの土壁には温かみと美しさが共存する。風呂は各部屋に石組、露天、半露天、内湯のいずれかがあり、小書院が付いた部屋など伝統的でシンプルながらも趣向を凝らした造りとなっている。

至極の湯

至極の湯

写真:藤井 麻未

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元湯は美肌の湯と言われる柔らかい泉質の修善寺温泉。肌がしっとりと潤うのを実感することができる。野趣溢れる大露天風呂は「つうの湯」と「武蔵の湯」の2つ。武蔵の湯は竹林と紅葉に囲まれ、つうの湯は初夏のつつじ、夏の百日紅、冬の南天と里山の移ろいゆく自然を感じることができる。

至極の湯

写真:藤井 麻未

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のぼせたら東屋へ上がって涼むと良い。東屋には冷水が置いてあり喉を潤せるのも嬉しい。なお冷水も修善寺の温泉水であり身体の中からキレイになれる。温かな光が灯る内湯の造りも左官の技術が生かされ味わい深い。湯上りに冷たい梅酒を出してくれるなど、細やかな気配りを感じられるのも柳生の庄ならではだ。

料亭仕込みの本格割烹

料亭仕込みの本格割烹

写真:藤井 麻未

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実は、柳生の庄は昭和34年東京芝白金に開業した料亭「柳生」が前身だ。京懐石を基調とした本格割烹を原点とする柳生の料理はまさに日本料理の極み。創業店主が修善寺の美しい里山の風景に魅せられ、昭和45年に里山の風情と数寄屋造り、日本料理、一流のおもてなしが一体となって味わえる宿として「柳生の庄」が誕生した。

したがって、ここでは料理が売りのひとつ。見た目も味も最高の食事を朝と夕に味わうことができる。温石焼や胡麻豆腐など伝統の味、季節感を大切にした旬の味覚、地のものをふんだんに使った一皿一皿に、元料亭ならではのプライドが感じられる。見た目が美しいのも美味しい料理の条件である。庭園の孟宗竹を使用した一刀竹盛には地元狩野川の鮮度の高い鮎が泳ぐように飾られるなど、趣向を凝らした器や盛り付けの感度も高い。

料亭仕込みの本格割烹

写真:藤井 麻未

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朝食も夕食も部屋で落ち着いて食べることができる。朝は彩も香りも豊かな品々が並び、とりわけ部屋に設置された囲炉裏端で仕上げる味噌汁は朝食のこだわり。熱いものは熱く、冷たいものは冷たく、という基本を大切に丁寧に仕上げられた食事には身も心も満たされること間違いない。

おわりに

伊豆、修善寺の竹林に溶け込むように造られた「柳生の庄」。“美しい”とはただ見た目だけを言うのではない。静謐な里山の風情、純日本建築の美しさ、珠玉の湯、料亭仕込みの本格割烹に加え、柳生の庄のモットーでもある「温かく、気のかよう宿」というのはおもてなしの心も意味する。これらが混然一体となった時、“すべてに美しい”宿が完成するのだ。国内外のVIPも訪れるワンランク上の名宿「柳生の庄」へ、特別なひとときを過ごしに訪れてみてはいかがだろうか。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2017/04/25−2017/05/26 訪問

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