湧水巡りをするときに、とても頼りになるのが「まつもと水巡り」というパンフレット。主に市民記者で構成された「新まつもと物語プロジェクト」のスタッフが作り上げた地図です。松本城の近くにある観光情報センターや、松本駅から1kmほど離れた松本市美術館などで配布されていますが、「新まつもと物語」のサイト内、「まつもと水物語」のページで閲覧したり、コース毎にPDFファイルをダウンロードすることもできます。
松本駅前から延びるあがたの森通りを歩くこと約1kmで、松本市美術館にたどりつきます。そのすぐ近くにあるのが、水道の水源にもなっている「源地の水源地井戸」です。毎分150リットルも湧きだし、一部の地域に水道水として供給されています。井戸の周辺は小さな公園として整備されているので、すぐに見つけられるでしょう。
「源地の水源地井戸」から西に約300mほど離れたところには、おそらく松本ではもっとも有名な「源智の井戸」があります。松本城主の家臣、河辺与三左衛門源智という人の持ち井戸だったと言われている由緒ある井戸です。その時代から保護されてきた井戸は、現在も多くの人に愛されています。井戸の近くには、井戸の水で蕎麦をゆでる「源智のそば」や、井戸の水を使ったコーヒーが飲める「半杓亭」などがあるので、立ち寄ってみるのもいいでしょう。
「源智の井戸」の次は、北東方面に600mほど離れた「女鳥羽の泉」へ。いまでは松本市街地で唯一の蔵本となってしまった「善哉酒造」の敷地内にある井戸です。敷地内といっても、道路に面して湧出口があるので、どなたでも利用できます。「善哉酒造」では、いまもこの水を使ってお酒を醸しているのだとか。日本酒ファンはぜひ名水で醸したお酒も堪能してください。
「女鳥羽の泉」の前の道を東に向かって道なりに300mほど歩くと、「槻井泉神社」につきます。目印となるのは、樹齢300年といわれる松本市天然記念物の大ケヤキ。その近くで古来からこんこんと湧きだしているのが、「槻井泉神社の湧水」です。この湧水が湧いていることから、一帯は「清水」という地名になったと言われています。江戸時代には、この水を使って染色や製紙産業を行っていたとの記録も。豊かな湧水は地域の産業も支えていたのです。
どの湧水も市民がペットボトルなどに汲んで、炊飯やお茶、コーヒー、水割りなどに利用していますが、旅の途中だとなかなか大きいペットボトルは持ち歩けませんね。そんなときは、ぜひ「みずさじ」という、水を味わうための器を持ち歩き、湧水の飲み比べをしてみてください。「みずさじ」は、松本市美術館のミュージアムショップなどで販売しています。小さなカップを持ち歩くのもいいかもしれません。
周囲が公園として整備されている湧水地も多いので、アウトドア用のコンパクトストーブでお湯を沸かして、その場でコーヒーをいれたり、スキットルに入れたウイスキーなどで水割りをつくって味わうのもいいですね。また、小さめのペットボトルに入れれば、素敵なおみやげになります。お好みの方法で、松本の湧水をご利用ください。
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